2001年11月X日(日曜日)


卒業した大学の教授が退官することになり、
記念パーティーがニューオータニで開かれた。
私と同期の出席者は年齢的にもっとも出席者が少なく、
大勢の出席者の中で顔見知りはほとんど見かけなかった。
女子大なので化粧や香水が入り混じったなんとも言えない匂いが、
会場を埋め尽くしていた。

6時半から9時までのパーティだったが、知り合いも少なく、
なにしろとても退屈なものだったので、
教授に簡単な挨拶を済ませると、数人の友人と会場を出た。
コーヒーでも飲む?という誘いをやんわりと断り、
帰宅の途に着いた。

最寄の駅から、自宅までの途中に小さなバーがある。
何度か、近所のママ達の飲み会で来たことはあった。
夫には「今夜は、同窓会みたいなものだから遅くなる」と話してあった。
そんな夜に早く帰るのはなんだかもったいないような気がして、
私はその小さなバーの扉を開けた。

住宅街の一角にある店なので、いつもは比較的常連で賑わっているが、
今夜は中年の男性客が一人と達彦くんという若いバーテンがいるだけだった。
 「いらっしゃいませー!」
一人で来たのは初めてだったので、バーテンはちょっと驚いた様子だったが、
すぐに、カウンターの席へと導いた。

ブルーキュラソーの入ったカクテルを注文した。
 「いつも日曜日は1時までやってるんですけど、今日は僕一人なんで
  11時に閉めることになってるんで・・スイマセン・・・・。」
時計を見るとまだ9時だった。
 「一杯飲んで帰るつもりだから」
私は笑いながら返した。

中年の男性客が何度か声をかけてきたが、あまり気乗りもせず、
一人で静かにカクテルを傾けていた。
私のつれない態度にちょっと腹を立てたのか、その客はほどなく、店を出ていった。
 「すいませんでしたね」
バーテンが話し掛けてきた。
 「あの人、ちょっと女性のお客さんにからむタイプなんですよ。
  悪い人じゃないんですけどね」
色黒の肌に白い歯が印象的な笑顔を私に向けた。
その話をきっかけに私とバーテンは色々な話をした。

店長は奥さんの出産で休み、オーナーはグラスの買い付けで海外に出かけ、
ここ2、3日は一人で店を守っていることなど・・・・・。
私は今夜のパーティーが実につまらなかったことや、
以前ここに一緒に来た人たちの話をした。

あっと言う間に11時になり、バーテンは閉店の準備を始めた。
お勘定を済ませ、帰ろうとすると、
 「良かったら、他の店で一杯引っ掛けていきませんか?」
と呼び止められた。
少し迷ったが、「一杯だけなら」と返事をした。

店の脇の駐車場に赤いステーションワゴンが止められていた。
行きつけの店まで、車で5分ほどということで乗り込んだが、
店の前に着くと、たまたま<CLOSE>の看板がかかっていた。
その店の隣りのビルが「実は僕のマンションなんです」と彼は話した。
 「レンタルDVDも見なきゃいけないんだけど。。。
  映画一本だけ一緒に見ませんか?簡単なカクテルならウチでも作れるし」
 「しょうがないわね」
と微笑みながら、私は彼の後ろをついていった。


さっき飲んだカクテルが、私を大胆な行動に走らせてしまっていた。
24歳の若い男にしては、綺麗に片付けられていた。
玄関を入ってすぐのキッチンの棚には何本かのリキュールのボトルと、
ピカピカに磨かれたグラスが2つ置かれていた。
部屋の中はベッドと、狭い部屋には不釣合いなテレビ、
そして窓の脇には2台のサーフボードが立てかけられていた。
 「適当に座ってくださいね」
そう言うと、バーテンはジャケットを脱ぎ、キッチンに向かった。

 「はい!奈緒子さんスペシャル」
しばらくして薄いグリーンのカクテルを手渡された。
ミントの香りがツンと鼻についた。

 「一人で見るの怖かったからちょうど良かったあ」
と言いながら彼はホラー映画をかけた。
サスペンス調の始まりに私達は息を呑みながら真剣に見ていた。
惨殺シーンなどが登場すると、二人で何度も顔を見合わせながら、距離を少しづつ縮めていた。
お互いの息を感じるまでに近づいて、私達は自然に唇を重ねた。

 「この映画の叫び声を聞きながらこういうことするの?」
舌をからませながら私は言った。
 「隣りの人には誤魔化せる」二人で声を上げて笑った。
白いシャツを脱ぎ捨てると、そこには色黒で筋肉質の若い肉体が見えた・・・。
突然自分自身の身体に羞恥を感じた・・・。

達彦は24歳・・・11歳も年下なのだ・・。
 「ダメよ・・・とても貴方に見せられる身体じゃないから。。。」
 「大丈夫だよ、奈緒子さんとっても綺麗だよ?」
 「ううん・・・子供も産んでるし、身体の線がとても崩れているか・・・。」
キスで口を塞がれた・・・。

薄手のコートの下はシルクのパーティドレス・・・・。
こんなことがあるとは思って出てこなかったので、
どんな下着を身につけているか、とても気になった・・・。
ワンピースをすっきり見せるために今日はボディースーツを見につけていた・・。
まずい・・・。
だが達彦はあまり気にしていないように、
ボディースーツの下のボタンをプチプチっと外していった。

 「皺になるとマズイよね・・・。」
丁寧にワンピ−スを脱がせると、クローゼットの中からハンガーを取り出して掛けてくれた。
ベッドの上で私はボディースーツ一枚になった。
恥ずかしさのあまり、慌ててベッドカバーで全身をくるむ・・・。
 「お願い・・・暗くして・・・。」
無言のまま明かりが消され、テレビだけの照明になった。
 「可愛いとこあるんだね」
彼はベッドカバーごと優しく私を抱き抱えた。

肩紐を下ろされ、ボディス−ツと薄いパンティをさらりと奪われ、全裸になった。
這うようなキスを繰り返しながら、乳房に手がかかった。
 「柔らかくて気持ちいい・・・。」
壊れ物を扱うようなソフトな愛撫だった。
全身に唇を這わせる・・・。
吐息だけが漏れてしまう・・・。

薄く付いている妊娠線のところで手が止まった・・・。
 「あ・・・見ないで・・・恥ずかしいから・・・。」
 「いや・・・・すごく色っぽいよ。」
線をゆっくりとなぞりながら私の顔を見て言った。

彼のトランクスが大きく盛り上がるのを見て、そっと手を添えた・・・・・。
 「これ欲しい?」
私は小さく頷いた。
トランクスの中から黒光りしたペニスが出てきた・・。
私は思わず身を起こして、口に咥えた・・・。
汗の匂いがしたが、ちっとも嫌ではなかった。
 「あ・・奈緒子さんダメだよぉ・・・。」
彼の身体が悶えていた・・・・。

真っ直ぐにお腹の方に聳えている・・・。
若い肉体の頑固さを感じるほど、そのモノは直立に勃ち上がっていた。
先端からしょっぱい液体が漏れた・・・・。
先端を舌で丁寧に舐め上げると彼は呻きながら腰を落とした・・・。
陰茎を上から咥え、口の中でゆっくりと転がす・・・。
絶え間なく舌でからめながら
右の手で陰毛をまさぐり、左の手で二つの袋を弄る・・・。

彼のペニスはドクンドクンと何度も波打った・・・。
 「もうダメだ・・・」
彼は突然身体を離すと、勢いよく私の中に入ってきた。
膝を立てられ、私の腰を持ち上げて、激しく私を揺らし続ける・・・。
ニョキッニョキっという鈍くて厭らしい音が映画の中の叫び声と交互に響く。
全身を密着させ、私は思わず彼の背中に爪を立ててしまいそうになる・・。

乱れた髪が口の中に入り、顔を捩ると、彼の手が顔を真っ直ぐにした・・・。
 「奈緒子さんのイク顔見たい・・・・。」
その言葉でエクスタシーが訪れた・・・。
股間に力が入り、ブルブルと震え始めた・・・。
 「ぁあ・・・締まってきた・・・。」
彼は素早く身を離し、私の乳房の上に白い液体をばら撒いた・・。


 「必ずまた店に来てくださいね・・・。」
駅の近くまで車で送ってもらい、降りがけに彼が言った。

私は時計を見ながら家に向かって走り出した。





















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