2001年10月X日(金曜日) SFの伊橋と逢うのは二ヶ月ぶりだった。 いつもの待ち合わせの喫茶店に15分遅れで着くと、 彼はすでにコーヒーを飲んで待っていた。 「久しぶりだな」 伊橋はどちらかと言えばクールなタイプだ。 知り合ってすでに2年が経過していたが、実はこの男の本名さえも知らない。 それでも関係が続いたのは徹底した秘密主義と、 お互いを探らないと言うルールが成立した結果だと思う。 身体の関係以外で余計な感情を持つと、愛憎が生まれて、 既婚者同志の危なさが露呈してしまうという、彼の意思に同調できたからだ。 速攻でホテルに向かっても良さそうなものだが、私に気を遣ってか、 必ず30分ほどは世間話や自分の仕事の話などをする時間を持ってくれる。 「そろそろ行こうか・・・」 もう何度も午前10時に待ち合わせている私達を、店員が目を伏せながら見ていた。 地上に上がるまでのエレベーターの中で、お尻を撫でられる・・・。 「今日はガーター着けてきたのか・・・」 フっと笑いながら太ももを弄られる・・・。 素早くタクシーに乗り込むや否や、スカートを捲し上げられる。 この男と逢う時はいつも短めのスカートをはくようにしている。 タクシーの中で編みタイツと白いガーターが晒される。 信号で停車するたびに、隣りにトラックやバスが横に止まらないか、気が気でない・・・。 片足を男の片足で押し広げられ、股間が広げられる・・・。 「ビショビショだぞ?」 耳元で囁かれ、嗚咽が漏れそうになる。 親指で陰唇をまさぐられ、中指がアナルに突っ込まれる。 「ぅ・・・痛い・・・」 「二ヶ月も逢ってなかったからなあ、今から広げておかないと・・・」 運転手がミラーで、チラチラとこちらを見ている。 15分ほど経ち、ロシア大使館近くでタクシーを降りた。 もう何度となくくぐった、SM専用ホテル・・・。 一見古いマンションにしか見えないが、よく見ると格子の窓が、 怪しい様相をかもし出している。 受け付けと反対側にズラリと並んだSMグッズを二人で見る。 ピンクのバイブとローションを店員にオーダーする。 卑猥な名前が付いた部屋は、すでに何箇所か埋まっていた。 今日の部屋は、磔台と壁面に大きな鏡が設えられていた。 伊橋は素早くスーツを脱ぎ捨て、 私の服を手馴れた手順で剥いでいった。 パンティとブラジャー、ガーターとストッキングの姿に晒され、 手早く十字架に繋がれる・・・・。 十字架の前にソファーを置き、アタッシュケースから書類を挟む大きなクリップと、 デジタルカメラを出し、腰掛けると煙草を一服吸い始めた。 出会い系サイトで知り合って、メールだけの交換をしていた時は、 SMの嗜好だとは微塵も匂わせなかった男・・・。 1度目のSEXも全く普通だった。 2度目に初めて、縛られ、アナルをいじられた。 このホテルに初めて連れてこられたのは、3度目の逢瀬の時だった・・・。 全身を繋がれて凝視されるのは、まだまだ慣れることはできない。 羞恥心が下半身をさらに濡らす・・・。 煙草を口に咥えながら、ブラジャーを下にずらされる・・・・。 乳首はすでにピンと勃っている。 クリップで乳首を挟まれる・・・。 「ああ!痛い・・・!」 先端部分に鋭い痛みが走る・・・。 身体を捩ると手首の手錠がさらに喰い込み、全身に痛みが走る・・・。 ふと顔を上げると、苦痛で歪む私自身の顔が鏡に映る・・・。 広げられた股間の小さなパンティをずらされて、ピンク色のバイブが容赦なく突っ込まれる・・。 「何もしてないのにもう溢れてるぞ?」 ズブズブと膣がバイブを飲み込んでいく・・・。 ガーターの端にスィッチ部分を挟まれ、微妙な速度でバイブが動き始めた・・・。 「あぁぁああ・・・・・」 ウィーンと言う回転音が私をトランス状態に追い込む・・・。 デジタルカメラのフラッシュが部屋中を照らす・・。 「いやらしい格好だなぁ・・・。」 愛液が迸り、バイブが何度も滑り落ちる・・・。 乳首の痛みさえもが快感に変化していく・・・。 Xに象られた私の肉体が快感で捩られる・・・。 「あぁ〜〜ダメェ・・・・イク・・・・」 腿がワナワナと震え、私は一度目の絶頂を迎えた。 鎖を外されしゃがみこむと、直ぐに伊橋のペニスが口に入ってきた・・・。 フェラチオをさせながら、壁に掛けてあったロープで私の手首を後ろ手に縛る。 喉の奥底までペニスを突っ込まれ、息が出来ない・・・・。 「うぐっ・・・・。」 声にならない喘ぎ声を漏らしてしまう・・。 男の腰が素早い動きを始め、口の中にドロっとした液体が流れ込んだ・・。 自分の後始末を終えると、後ろ手に縛られ、床に正座している私の顎を押し上げ、 ペットボトルのお茶を口に流し込んだ・・・。 荒んだ行為の中でこの男の優しさを私はこういう時に感じてしまうのだ・・・。 ベッドに誘導され、お尻を突き出さされる・・・・。 「お前の汁だけでローションは必要無いかもな?」 嘲笑いながら私の陰唇を撫でまわす・・・。 後ろでカシャカシャとコンドームの袋を開ける音が聞こえる・・。 条件反射のように臀部が緊張する。 「もっと力を抜いて!」 何度もお尻を叩かれる・・・。 「あッあッ・・・・」 叩かれるたびに声が出る・・・。 伊橋の太い指がまず一本挿入される・・・。 「ぁああ・・・」 鋭い痛みが脊髄を通過して脳天まで突き抜ける・・・・。 後ろ手で縛られているので顎や首に変な力が入ってしまう・・・。 胸元を完全にシーツに下ろしたいのだが、 クリップが付いたままなので痛みが増してしまう。 私はどちらかと言えば大きな方なので、かなり変則的な姿勢で無いと、 胸が上げられないでいた・・・。 「胸のクリップを外して・・・お願い・・痛くてたまらないの・・。」 揺れる乳房のクリップを一度カチャっとぶつけて、引っ張るように外された・・・。 激しい痛みで涙が出た・・・。 その痛みを利用して、とうとうアナルに三本の指が挿入された。 「つぅぅぅ・・・・」 身体が反り繰り返る・・・・。 「なんだ!結構柔らかいじゃないか・・・」 後ろでゴムらしい音がする。 「力抜けよ・・・。」 「いやぁぁぁぁあああああ・・・・」 伊橋の再び大きくなったペニスがアナルを激しく貫いた・・・。 「痛い!・・痛い・・・!」 「もっと叫んでいいぞ!もっともっと捩れ!」 スローなピストン運動が始まる・・・・。 腰を押し付けられるたびに、鋭い痛みが全身を走る・・・。 縛られたロープがどんどん手首に食い込む・・・。 「あーーー!締まってるぞ!」 唸る声を上げながら、繋がった部分をカメラで撮り続ける・・。 カメラを置くと、陰唇にバイブを当ててきた・・・。 ボトボトと愛液がシーツの上に落ちていく・・。 痛みと快感で我慢できなくなり、私は盛り上がったシーツを口に噛んで我慢した・・・。 「まだアナルでイケるほどじゃないからな・・・。お前はバイブでイクといい!」 バイブの回転がMAXにされて私は絶頂を迎えた・・・・。 「ぁぁぁぁぁぁああああああああ・・・・・・」 「よし!出すぞ!」 後ろ手に男の顔が落ちた・・・・。 ホテルを出ると、必ず二人で手を繋いで歩いた・・。 伊橋は感情をあまり表に出さない男で、気の利いたことを言う男でも無いが、 こういうさり気ない気遣いが私を繋ぎとめる・・・。 いつもは、一緒に待ち合わせ場所の駅まで戻るのだが、 今日は、タクシーに一緒に乗らずに、ホテル近くのスーパーマーケットで、 買い物をしてから帰ることにした。 「夕食のおかず?」 と笑う伊橋に、 「ここのハムはとても美味しいのよ。 今日はターキーの燻製を買いたいから」 と説明した。 「じゃあ又ね」 私はタクシーを見送るとスーパーの方へ歩き出した。 |
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