人格転移・つんく


プロローグ

「つんく強制入院の謎!!」という記事がゴシップ雑誌に掲載された。
精神に異常をきたしたつんくは、その地位を利用して娘。たちに性的乱暴をはたらき、
異常に気が付いた周囲が精神病院に収容させた、と記事には書かれていた。

ふふん、と笑いながら、僕は、その記事を読んだ。
多分、つんく自身は、自分の身に何が起こったのか、把握さえ出来てないはずた。
もうまともに戻っているんだから。
この、娘。たちとの欲望まみれの一週間を正確に書き留めることが出来るのは、僕だけだ。
つんくの肉体を借りたとはいえ、彼女たちを陵辱したのは、まぎれもなく、僕なんだから。


目が覚めると、そこは……よく分からない場所だった。
なんか、ラジオの収録でもやりそうな、個室。
(なんでこんなところに)
頭を振る。
確か、ハロプロを見に行って、帰りに2ちゃんのマジファンたちとオフやって、そのときにひどく痛飲して、それから記憶が……


「つんくさん、出来ましたあ」
きゃははっ、と今にも笑い出しそうな、テンションの高い声。
びくっ、とした。
女の子の声だ。この部屋の中に、僕以外に女がいる。
その少女を確認して、二度驚いた。
(うそ……矢口、真里?)
さっきまで、客席から熱狂して見上げていた対象が、そこにちょこん、と立っていた。




第1話「矢口」

「今度こそ、イメージをちゃんと考えましたよ〜。もう大丈夫っ。歌入れ準備、オッケーでーす」
えっへん、と、得意げな表情で、腰に手をやる。
これまで、テレビやコンサートでしか矢口を見たことがなかった。
実物は、驚くほど小さくて、そしてメチャクチャ可愛かった。

(うっわー、また、こんなに短いスカートはいちゃって)

太股がまぶしい。
「なんですか、つんくさん。どこみてんですかあ」
矢口って、なんでも楽しそうに話す。
「い、いや、可愛いスカートだなあって」
自分の声が、自分の声じゃなかった。低くて、少し甘ったるい……つんくの声だった。
(なにがどうなったんだ?)

「うふふふー、可愛い? つんくさんのえっちー」
花柄のスカートのすそをひょいとつまんで、太股の付け根を見せた。
青色の下着が、ちらっと見えた。
童貞とはいわないけど、片手で数えるくらいしか性体験のない僕にとって、その光景は刺激的すぎた。
痛いほど勃起した。

(夢でもなんでもいい。こんなチャンス、もう絶対にない)
「やや矢口、んん」
中身がつんくじゃない、とバレないように、つんくっぽく喋ったつもりだったけど、
「ちょっと、そのパ……ンツを脱いでくれるかな……」
つんくがこんなこと言うはずないよな。
「え?」
矢口の表情が固まった。

僕の緊張は頂点に達した。
「パンツ、ここで脱いで見せてよハハッ」
なにがハハッなのかは分からない。
これが夢だとしても、かなり寒い夢だよな〜、とかだんだん頭が冷静になってきた。
矢口スレに今日の夢を書き込もう。もういいよ。僕は充分頑張った。起きることにしよう。

「……はい」
矢口は、厚底のサンダルを脱いた。スカートの中に手を入れ、するすると青い下着を下ろし始めた。
うそっ。マジっすか?
心の中で、矢部ツッコミを入れる。
「どうぞ」
脱いだ下着を、矢口は僕の手の上に置いた。
(うわっ、あったけえ)
ぬくもりとともに、感動がこみ上げてきた。
違うものもこみあがってきた。

「どうして私の下着なんて欲しいんですか?」
「ん? 娘。の中で、矢口のことが一番好きになったからかな」
適当なことをベラベラと言った。

矢口は首をかしげて、何か考える仕草をして、
「そんなので良かったら、いっくらでもあげますよお。つんくさんってヘン〜」
照れてるのか、顔を赤くしながら、ぱらっぱらっ、と口ずさみながら、ぴょんぴょん飛び跳ねた。
可愛い。可愛すぎる。
「じゃ、さ。今度はそこのテーブルに両手をついてよ」
「え〜、いいですよ。でも、どうしてですか」
従順な矢口を前に、僕は、にっこり笑って暴走した。
「セックスするんだよ」

矢口の華奢な背中に、強引に覆い被さる。
実際に抱きかかえてみると、矢口の身体の小ささに驚かされる。
矢口は小さく悲鳴をあげた。
「静かに」
Tシャツの裾から手を入れる。
ワイヤーの入ったブラジャーの隙間に指をねじ込んで、突起を探り当てる。

「つんくさん、痛い、痛いですッ」
片手にすっぽり収まる小さな胸を、きつく揉みしだいた。
「つんくさん、痛いです、……優しくしてくださいっ」
僕は、少しだけ正気に戻った。
「分かった。優しくしてあげるから、言うことをきいて」
「……はい」
矢口は素直に従った。
テーブルに手をついた矢口を、後ろからしげしげと眺めた。
華奢な矢口の身体は、こうしていると、中学生みたいに見える。

スカートの中に手を入れて、オンナノコを指でつついてみる。
汗なのか、それとも違う液体でなのか、わずかに、湿っている。
「ひゃん」
矢口はまた、小さく悲鳴をあげる。
その声に、どこか媚びるような色が見える。

(オイオイ)
昨日まで、遠くからしか見たことのない、偶像のような存在が、今、ここでテーブルに手をついて、お尻を突き出している。
(このまま、矢口とヤレちゃうのか? マジか? マジなのか?)
自分のズボンのベルトを外す。

気持ちは焦ってるんだけど、指が震えて、なかなかズボンが脱げなかった。
痛いほどに勃っている自分自身を見る。
心拍にあわせて、びくん、びくんと脈打っている。
「入れるぞ」
矢口の、花柄のスカートをめくり上げる。ぽっちゃりした尻を掴んで、ゆっくりと腰を押し進める。
「はあ……ううっ……うう〜」
矢口の弱々しい声は、まるでナイフで刺されたケガ人のようだった。

(中は、あったかい……思ったより、浅い)
しばらく、腰を動かさずに、矢口の中を味わった。矢口のあげるうめき声にあわせて、
肉がまとわりついたり離れたりしている。

矢口が肩ごしにこっちを見た。
小さな声で、つんくさん……とささやいた。
目を細めて、涙がにじんでいた。

それがきっかけで、僕は腰を乱暴に使いだした。
(気持ちいい)
(メチャクチャ気持ちいいぞ)
矢口の尻に、僕の腰を思い切り叩きつける。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
矢口は、小さな体を前後に揺すられながら、ときおり痛い、痛い、とつぶやいていた。
でも、もう僕は止まらなかった。

矢口の足をつかみ、テーブルの上に仰向けにさせる。
淡い陰毛に隠された、小さな性器が室内照明に照らされて露わになる。
「イヤっ」
矢口は、両手で股間を隠そうとし、自らに突き刺さっている僕を握ってしまう。
「あんまり、刺激するなよ。すぐイッちゃうからさ」

矢口のTシャツをまくり上げる。
身体も、よく日に焼けている。ほどよい小麦色だ。
青いスポーツブラの片側だけめくって、肌とあまり変わらない色の乳首を口に含んだ。

はあっ、はあっ、と矢口は肩で息をしている。
決して、僕とは目を合わせようとしない。
膝を持って、両側に開く。
矢口は、両手で顔を隠す。
(もうそろそろ出そうだ)
このまま行け、とラストスパートをかける。

矢口は、身体の中を出入りする僕の状態の変化を感じとったのだろうか、急にイヤイヤ、と首を振りだした。
Tシャツの上から、両手で矢口の胸を強く握る。
矢口が、あうっ、と叫び、それに合わせて、きゅう、と僕を絞り上げた。

とてつもない開放感。
ぶぶっぶぶっ、と音を立てて、矢口の中に、僕の精液が放たれた。
頭の中が真っ白になった。
矢口はああ、とため息をついた。
これまで、どんなオナニーでも感じたことのない、最上級の快感だった。

何度も何度も射精感を感じ、そのたびに矢口の中に精を放った。

矢口の足下を、白い液体が伝って落ちる。
僕はまだ息荒く、心臓もドキドキしていた。
テーブルに突っ伏している矢口に向かって、
「矢口、メッチャ良かったわ。今日はもうエエで」
つんくの声で、そう言った。

「何、なんなのコレ?」
振り返る。股間の角度が、回復してゆく。
驚いたように立ちすくむ、後藤真希の姿がそこにあった。




第2話「後藤と中澤」

後藤の姿を認めた矢口は、顔を真っ赤にして、服の乱れを隠した。
ルーズソックスのまま、スタジオを飛び出していった。
矢口のパンツは、テーブルの上に放置されたままだ。

「丁度ええところに来たやないか後藤」
学校の帰りにここに来たのか、制服姿だった。
「なんなんですかこれ」
後藤は、僕を見ないで言った。僕は下半身は何も身につけていないし股間は天井を向いたままだからな。
(ふ〜ん)
僕は、後藤をしげしげと眺めた。
矢口の時も思ったけど、このかわいさと言ったら何だ? 同じ人間とは思えない。
テレビで見ると、案外ぽっちゃりとして見える後藤は、実物はそこいらの女なんて比べものにならないくらいスレンダーだ。
身体を構成するパーツの素材からして違う。
制服を着ていても、漂うオーラが圧倒的だ。
(後藤……か)
テレビで見る後藤を思い出す。

少し胸の開いた服なんて着てたものなら、ビデオに録画して、何度も再生し、ごま乳萌え〜、なんて大喜びで書き込んでいた。
その後藤が、目の前にいるのだ。
(ちょっとしゃぶってくれないかな? とか言ったら、どうなるんだろう?)
後藤の唇が、僕のココにそっとキスする感触と温度を空想するだけで、もうなにか透明な液が出てきそうだ。

矢口を思うがままに出来た僕の中には、妙な自信のようなものが出来ていた。
僕はつんくだ。「娘。」はつんくのいいなりだ。つまり、僕は、「娘。」をヤリたい放題、ということなのだ。素晴らしい。

「後藤、俺の足の間にひざまづいてくれ」
後藤は、自分をぎゅっ、と抱きしめながら、2、3歩あとずさった。
僕は、ムカッ、とした。

「後藤、ええから座ったらええねん!」
怒鳴る。後藤は、びくっ、と全身を震わせて、泣きそうになった。
逃げようとは思わないらしい。そのうち、鼻をすすらせて、ひっくひっく言い出した。

(……言うのか?)

しゃっくりのように息を吸い込むとき、のどを空気が通り過ぎて「きゅんっ」と鳴った。
「わはははっ。本当に言うたで。ホンマは、きゅーんなんやけどな」
大阪弁も板に付いてきた。僕は表情を改めて、マジな顔を作った。
「後藤。もう何回もは言わへんで。こっちへ来て、俺の膝の間にひざまづくねん」
後藤は観念したように、ゆっくりとこっちに歩いてきた。

後藤の唇が、僕自身に触れる。
そのまま、どうしたらいいのか分からないのか、上目遣いで僕を見る。
僕は後藤の頭をつかんで、腰をぐん、と前に出す。
ぬるり、と後藤の口の中を、僕自身が侵入した。
後藤の身体が、びくっ、とケイレンする。
(はああ……。後藤の口、トロトロだぁ〜)
下半身がとろけそうになる。って言うか、この感動を伴う快感は、文章では表現しきれない。

ラブマや恋ダンやハピサマのPVが脳裏で走馬燈のように再生されてゆく。
あの後藤が制服姿で、僕の○○○を、くわえてるんだぜ?
後藤は、でも、舌でチロチロするでもなく、顔を上下に振る訳でもなく、ただくわえてるだけ、なんだけど。

「ほら、後藤、ちゃんとやれよ。ちょこラブのタイミングだ」
ほんのちょこっとなんだけど〜、と歌いながら、僕は腰を振った。バカだ〜(笑)。
後藤が、眉間にしわを寄せている。
「酸っぱいか? さっきまで、矢口の中に入ってたらからな」
後藤は顔を伏せて、えずいた。
「ほらほら、舐めてきれいにしろよ。それとも、後藤も下の口でオレのをこすってくれるのか?」
後藤はノロノロと首を振る。なんか態度が夢遊病者みたいだ。

再度くわえさせて、夢だったごま乳を味わうことにする。
制服の隙間から、手を入れる。ブラのヒモが指に触れる。その裏に指を滑り込ませて、
そろそろと下ろしていく。
やわらかな乳房のカーブの根本にたどり着いた。感触を味わいながら、ゆっくりと山頂を目指す。
乳首の先端に触れたとき、一瞬後藤は歯を立てた。

「こら、痛いだろうがっ」
「……ごめんなさい」

泣きながら答える後藤。可愛いから許す。
しかし、そろそろイキたくなってきた。でもこんな刺激じゃとてもイケない。
僕は後藤の頭を壁に押しつけた。正座を崩したような格好で、前髪を乱れさせて、
後藤はうつろな目で僕を見上げた。僕は、後藤の口に○○○をねじ込んで、頭を両手で押さえて、ガンガン腰を使った。
「うんっ、うんっ、うんっ」と僕の腰使いに合わせて、後藤はうめき声を上げた。

後藤の携帯が鳴った。
誰からだろう、と急に興味がわいてきた。芸能人からかな?
いったん、後藤を攻めるのは中断して、通話ボタンを押した。

『ごっちん、忘れ物取りに戻るんに、どれだけかかってるん。はよ、降りてきいや』
中澤だ。
「おう、今な、後藤がちょっと大変なことになってるんや。中澤、ちょっとスタジオまで来てくれへんかな」
『つんくさん? ごっちんがどうかしたんですか?』
「ええから、急いで来てくれや」
受話器を切った。
「おう、裕子姉さん、来てくれるみたいやで」
後藤の表情に、なんの反応も無かった。

「つんくさーん、ごっちーん、どこに――」
中澤は絶句したようだ。後藤は、僕の股間で、まだのろのろとフェラチオを続けていたから。

「ごっちん、つんくさんに何してるんッ!」
中澤からは、後藤が僕に何かしてるように見えるのか?
「おう中澤。後藤、あんまし具合よくないねん。これじゃあ、イケるもんもようイカんわ。中澤、ちょっと後藤に見本見せたってえな」
中澤は混乱しているようだ。
僕と後藤に忙しく視線を巡らせた。
「……つんくさん、おかしくなっちゃったんですか?」
中澤はつぶやくように言った。
「どやろな?」
僕は笑って答えた。

ぬっ、ぬっ、と中澤の顔が上下する。
時折、顔にかかる髪をかきあげて、カラーコンタクトごしの濡れた瞳で僕を見る。
「これ、これやで。フェラはこうでないとな。後藤、よー見ときや」
ソファに座って、茫然と中澤の行為を見ている後藤に向かって言う。

(中澤、美人やなあ)
怖いキャラクターが定着している中澤だけど、やっぱ、美形でないと怖い顔もサマにならないからね。
しかも、この身体の細さはなんだ? びっくりだね。
「口はもうエエわ」
そう言っただけで、中澤は、ジーンズを脱いだ。薄いピンクのパンティのヒモをほどく。
上半身は、身体のラインがよく見えるチビTのままだ。
やっぱり大人は違う。されるがままでいい。楽だな。
イスに座っている僕の首に両腕を巻き付け、向かい合った格好で、両足を僕の太股に乗せた。
「つんくさん……」
耳元で、吐息と共に名を呼ばれる。

そして、中澤はゆっくりと腰を落とした。
(くっはー)
これが、大人の女か。
これに比べたら、さっきの矢口の中は乾きすぎていて、こっちも少し痛かったように思う。
中澤の中は、温度といい粘液の量といい締まり具合といい、満点だ。
身長差から、ちょうど僕の顔の正面に、忙しく上下する中澤の顔が来る。
目が合うと、中澤は、僕の口に吸い付いてきた。舌が入ってきて、僕の歯茎を舐めた。
いつもの僕なら、たやすく終わってしまっていただろう。さっき、矢口の中に出しているせいで、まだかろうじて持っているのだ。

「あうん、あん、ああっ、あんっ」
中澤の甘い声が、スタジオ内に響く。僕はもう、じっとこっちを見ている後藤の存在を忘れて、快感に没頭する。
中澤の腰が、不思議な動きをした。
身体は上下に動いているのに、腰だけが前後にグラインドしている。
腰から下の感覚がなくなってきた。

ビリビリと痺れたような射精間がわき上がって来て、脱力感を伴った熱気が、僕の頭を満たした。
どくっどくっ、と吸い出されるように、大量の精液を中澤の奥深くに叩きつけた。
完全に燃え尽きて、惚けている僕を、中澤は口できれいに舐め取った。自分の後始末を終え、後藤を連れて、中澤は出ていった。

中澤は、つんくが精神に異常をきたしている、と思っているみたいだ。
なんらかの行動をとってくるかな?
なら、今のうちに、出来ることはやっとかないとな。

僕は、フロア内をうろついた。どうやらここは、つんくの自宅のスタジオ設備らしい。
つんくの手帳を見つけ、娘。たちの電話番号を調べた。
安倍と、加護と、辻に、明日出てくるように、連絡を取った。

そして、本来の僕の知り合い――BM板の娘。ファンの何人かに、電話をかける。
「おう、僕だよ。×××。うん、明日、出てこれる? すっげえ、ナマ娘。のレア情報あるんだけど。うん。
でさ、ちょっと聞くけど、12才コンビと、なっち、どっちか選べ、って聞かれたら、なんて答える?」




第3話「ののとあいぼん」

門の前にある監視カメラに、あいつらが映っている。
『本当にここでいいのか?』
『でも、あいつはここって言ってたぞ』
五人ほどの集団。明らかに、周囲から浮いている、モー娘。ロリロリ班のオタク仲間たちだ。
みな、不健康に太っている。髪は油が浮いてるし、首まわりがへたったトレーナーを全員が申し合わせたように着ているのがおかしい。

昨日は、可愛すぎて逆に同じ人間とは思えない、芸術的なまでに完成された「娘。」
たち3人と関係を持ったおかげで、今日は特に彼らの存在は、気持ち悪く見える。
(ま、僕も、あの集団の中にいたんだからな

「おう、よう来たな。待っとったで。門の鍵開けたから、入ってきてや」
『おい、今の声、つんくじゃないのか』
『まさか。そんなことないだろ』
おどおどと、戸惑いながら歩く五人。

「わっ」
僕の姿を見た五人は、驚きの声をあげた。
「驚いた? 僕だよ、×××だよ。よく分かんないんだけどさ、つんくになってたんだよねー」
「すげえな」
「すげえじゃん」
さすが、音楽事務所のカモになるだけのことはある。なんでもすぐに騙されてしまう、現実逃避のオタクたち。みんなバカだ。
僕のつんく化は本当の話なんだけど、すぐに信用するなよな。

「ほら、これなんだか分かる?」
青い、小さな布きれ。
「?」
「?」
「答えは、矢口のパンティ」
うおーーっ、とみんな叫ぶ。
「あげる」
「いいのか?」
「僕は中身を昨日いただいたから」
沈黙。
ながい沈黙。

どうやら、あまりの発言に、思考が追いつかないらしい。
そして、ようやく、言葉の意味が理解出来たらしいヤツらから順番に、殺意の表情が浮かび初めていた。
ヤバい。調子に乗りすぎた。
「だ、だからさ、今日は、みんなにおすそ分けしようと思って、ここに呼んだんじゃんか。ほら、これ見ろよ」
玄関には、子ども用の靴が二人分。
「誰のだと思う?」
まだ、みんなの殺気は収まってはいないようだ。

「昨日、なっちよりも12才コンビが好き、って言ってた人だけをここに呼んだんだよな。で、今、12才コンビは、奥の部屋にいるんだぜ」
五人は、お互いに目を合わせ、どうする?どうする?と高速で繰り返し始めた。

「で、だ」
僕は、覆面レスラー用のマスクを五人分用意していた。
「これをかぶってくれ」
五人は、頭上に?の文字を浮かべた。

辻と加護は、奥の薄暗い部屋で、薄いブラウス一枚の姿にして放り込んでおいた。
「はーい、こっちですよー」
ぞろぞろと太った男たちが入ってくる。みんな、マスクマン姿だ。その異様な一行に、
12才の二人はひし、と抱き合って、泣きそうになっていた。

「うおおっ、ののたんだ」
「あいぼん! あいぼん!」

しっかし頭悪いなこいつら。
僕は、パンパン、と手を叩いて、
「はーい、注目。二人は、ブラウス以外、なにも身につけてはいませーん。よく見ると、お尻とか、胸ポッチとかが見えちゃいまーす」
五人は、すっかり黙った。目を血走らせて、12才たちを凝視した。
二人は、ひしっ、と胸を腕で組んでブロックしている。
しかし、そうすると、ブラウスのすそから、下半身が見えてしまう。
片手で、ブラウスをぎゅっ、と下げると、今度は薄い布地が胸にくいこむ。そんな趣向です。

恐怖のあまりか、2人はすでに涙をポロポロ状態で、なんだかそそる風情である。

「今日のイベントは『二人にぶっかけようパフパフ〜』です。早く出した人が優勝ね。
1位2位には、辻加護ちゃんから、オクチでキレイキレイサービスもあるよ〜」
五人の股間が、ずん、と立った。思わず笑った。
「じゃあ、今からスタート!」

五人は、12才を取り囲んだ。
「お触りは無しね。見るだけよ、見るだけ」
目玉が飛び出すんじゃないか、ってくらい見開いて、高速で右手を動かしているオタクたち。
辻加護の二人は、突然、グロテスクな5本の性器に囲まれて、目も開けられないようだ。
なるべく離れよう、離れよう、としているのだが、どこへ逃げても、彼女たちに向けられた凶器からは逃げられない。
実際、彼女たちには何が起こっているのかさえ、理解出来てないだろう。

「やだ〜」
「おうちに帰る〜」

泣きながら、ちらっ、と目を開けては、びっくりしてぎゅうっ、と目を閉じる。
両手で耳を押さえたとき、おおっ、とオタクたちから声があがった。
ブラウスの隙間から、未発達な乳房が露出したのだ。
「やんっ」
必死で胸を押さえる加護。
目を血走らせるオタクたち。

女の子のすすり泣く声と、男たちの荒い息のみが室内に響く。異様な風景だ。
(さすがに、娘。に入ったばかりの彼女たちは、旧メンバーに比べると持っているオーラが違う。まだまだだ)
(でも、ロリには、別にそんなのはどうだっていいんだろうなあ)

「ううっ」
一人が、ついに果てた。
辻の髪の毛に、大量の精液が飛んだ。
驚いたのか、そっちを向いてしまった辻に、第2波が襲いかかる。
きゃあっ、と叫ぼうとして、まともに口でドロドロした液体を受けてしまう。
「あ……オレも」
ごほっ、ごほっ、と両手をついた辻の背中に、次の男の精液が飛ぶ。
白い液体は背をつたって、辻の小さな尻に流れていった。
「やだあーッ」
辻は赤ん坊のように、全身を小さくさせて、しくしくと泣き出した。

もう一人は、わざわざ目を閉じている加護の顔の鼻先に○○○を持っていった。
そして、勢いよく、出した。
ホースで水を顔にかけられた、くらいの圧力があったのか、加護は仰向けに転がった。
加護の股間が大公開され、残りの精液は、まだ未発達な女性器に直接ぶちまけられた。

ショックのあまりか、加護は足をMの字にしたまま、動かなかった。

茫然と、自分の身体にまとわりつく、白い液体を眺めていた。

精液で全身をベタベタにさせられた辻加護の2人は、茫然と、1位2位の奉仕をさせられていた。
猫のような小さな舌で、凶悪な赤黒い男性器をちろちろと舐めている。

僕は、その光景を横目に、電話をかけていた。
「おう、安倍か? 俺や、つんくや。今、そこで安倍を囲んでるヤツら、実はヤクザやねん。
でな、俺の弱み、握られてんねん。安倍がちょーっと我慢してくれたら、それで済むねん。頼むわ」

モー娘。オタクのなっち班には、痴漢プレイをプロデュースしてみました。僕って、そっちの才能あるのかもね。




第4話「保田」

チャイムが鳴る。
「つんくさ〜ん、保田です」
「おう、保田か。帰れ」




第5話「安倍」

昨日、娘。仲間の×××から連絡があった。
ナマ娘。の目撃ポイント情報だ、とのことだった。
なっちの熱狂的ファンを自認するオレは、×××が指定する駅に、朝の9時に向かった。

「うぃ〜す」
「どもっす」
駅構内で、コンサート会場でよく見る娘。ファン2人と合流。
しっかし、×××は、いかつい顔のばっかに声かけたんだなあ。
この3人が固まってたら、回りには誰も寄りつかねえぞ。

「ここで、いいんだよな」
「うん。しかし、なっちが今日、この駅を利用するってどうよ?」
「分かんねえな」
ブツブツ話していたとき、
「おい、おいっ」
切迫した、もう一人の声。
「マジだ。安倍だぞあれ」
いきなりの登場に、呼吸が止まった。
(マジ、だ……)
10メートルほど先を、こっちへ向かって歩いてくる。
オレは、×××に心から感謝した。
細かく、全身が震えてきた。

目深に帽子をかぶっている。白のブラウスに、茶色のロングスカート。
見事にオーラを消している。
街ですれ違っただけならきっと気づかなかったかも知れない。
そのなっちが、オレの横を通り過ぎる。
オレは、目眩がして、立っているのにも苦労する始末だった。

「おい、俺らも電車に乗るぞ」
耳打ちされる。
そうだ。なっちのもっと近くに寄れるかも知れない。
そうなれば、髪の、ニ……ニオイなんて、かげるかも知れないんだぞ。
サラサラか、しっとりか、どっちのなっちなんだー、って、興奮してもう訳分からん。

携帯が鳴った。×××からだった。
『どう? なっち来た?』
「来た来た来た来た、おい、これどどどうなってるんだ! どうしてここになっちが、ってすっげえなおまえ、この喜びをどう伝えれば──」
『落ち着いてよ。楽しいのはこれからなんだから』

これから、って、ナマなっちを目撃出来て、もうこれ以上楽しいことなんかないぞ。
ああ、そうだ。なっちの髪のニオイを確認せねば。

……なっちの髪から発する成分がオレの肺の中に入ってくる。そんなステキな体験が出来たら、もうそれ以外の空気を肺に入れる気しねえ。
つまりオレは死ぬ。窒息死だ。

『なっちにはよっく言っとくからさ。電車の中で、痴漢プレイでも楽しんでね』
一瞬、というか、30秒くらい、何を言われたのか理解出来なかった。
『マスク付け終わった? あ、いや、こっちの話。じゃねー』
電話は切れた。
「×××からだろ? なに言ってきたの?」
「痴漢プレイを楽しめって」
オレは、首を傾げながら、言った。

なんだろう? オレたち3人を、お互いに痴漢し合うってか? なっちと同じ車掌で?
それが楽しいのか? よく分からん。

「はい、すみませんねー。はい、はいごめんなさいねー」
仲間の一人が、電車を待つ列に割り込んで行った。なっちの後ろにつくつもりのようだ。ズルイぞ。とりあえず電話の謎は後回しだ。オレも行く。

並んでいる客たちは(なんだこいつら)って顔でこっちをちらっ、と見るが、オレたちの体格を見ると、すぐに顔をそらした。いつものことだ。
(おお、なっちの後ろだ)
心臓が、早鐘のように鳴り響いている。
鼻息が荒くなる。

10分ほどして、特急電車が構内に滑り込んできた。
オレたちは、押されるように、車内に乗り込んだ。後ろの客たちがぐいぐい、と押してきて、なっちまで押してしまいそうで、オレが食い止めた。
満員電車が走り出す。
なっちと同じ車両。それどころか、なっちの正面。
斜め下に、なっちがいる。ちら、と目を走らせると、ブラウスの隙間から胸の谷間が見えそうで(当然見える訳ないが)オレは慌てて視線をそらした。
(オレは、この感動を、一生忘れない)
他人の目がなかったら、オレは泣いていただろう。

と、ツレが信じられない行動に出た。
手の甲で、なっちの……ふくよかで芸術的なカーブを描いている、その、おしり、を、そろりと撫でたのだ。
なっちは、びくっ、と反応して、オレのツレをじろりと見た。
オレは逆上した。

(おい、おまえ、一体、何を、している)

ひそひそ声で言う。この後、ブン殴るつもりだった。
(え? だって、×××が、痴漢プレイを楽しめって言ったんだろ?)
そんなことは、想像だにしなかった。なっちを、痴漢の対象に、だなんて。
もう一人も、しきりに身体をなっちに押しつけている。なっちは居心地悪そうにモジモジし始めた。
と、なっちの携帯に着信があった。
音が鳴った訳ではないが、オレの側にあったカバンが振動したのだ。

満員で、なっちの近くにいたオレは、受話器から聞こえる声を聞いてしまった。

『おう、安倍か? 俺や、つんくや。今、そこで安倍を囲んでるヤツら、実はヤクザやねん。
でな、俺の弱み、握られてんねん。安倍がちょーっと我慢してくれたら、それで済むねん。頼むわ』

それは、間違いなく、×××の声だった。
信じられない。×××がつんくだったなんて。
なっちは(つんくさん、どういうつもりだべさ)とつぶやいて、オレたち3人を確認した。軽蔑したような表情を作った。

オレは、深く傷ついた。
ツレ2人も、電話の内容が聞こえたのだろう、好き勝手やり始めた。
手の甲で触ってたヤツは、今度は手のひらで撫で回している。
もう一人は、なんと、下半身を、なっちに押しつけだした。そいつは、ここから見ても分かるくらい、ハッキリと勃っていた。
どうやら彼らには、痴漢の心得があるようだ。

(なっちを、好き勝手出来る……)

ようやく、それがどういうことか、飲み込めた。しかし、そこから先の想像が出来なくて、混乱した。
なっちに軽蔑されて傷ついたオレは、混乱したまま、ふらふらとなっちの胸に手をのばした。
むんずとわしづかみした。
なっちは、目をぎゅっ、と閉じて、ひっ、と小さく悲鳴を上げた。

(あっ、バカ)
(いきなりかよ)

ツレの声は、オレには、届いていなかった。
なっちのブラの感触。なっちの声。なっちの表情。
オレは、一度目の頂点を迎えた。

オレは、なっちの正面で、戸惑っている。
後ろから、なっちの両胸に手が回ってきている。さわさわと、触れるか触れないかのタッチで、執拗に責め立てている。
もう一人は、なっちのスカートをめくり上げて、太股を撫でている。
それだけで、もう鼻血が出そうだ。

オレに、選択の余地はなかった。
オレがいくら自制しても、2人になっちは蹂躙されてしまう。
なら、いっそのこと、オレも──の気概だった。
いや、オレが2人を叩きのめす、って手もあるかも知れない。
しかし、さっき、思わずつかんでしまったなっちの胸の感触が、オレを狂わせてしまっていた。

なっちは、顔を真っ赤にして、うつむいている。
時々、ううっ、とため息を漏らす。
いかつい男たちに、美少女が蹂躙されている様子は、もう他の客は充分気づいているだろう。誰もが見て見ぬ振りをしているだけだ。

オレは、痴漢のやり方なんて分からない。正攻法でいくだけだ。
なっちのブラウスのボタンを上から三つほど外す。
手を滑り込ませて、右の乳房を、片手で包み込む。
なっちは、オレの手の上に手を重ねるようにして、外から見えないように必死で隠している。

ズボンの中が気持ち悪い。さっき、出してしまったからな。
なっちの胸を揉みしだく。なっちの身体が、それに合わせて、がくんがくん揺れる。
なっちはああ、とつぶやく。力の入れすぎか?

なっちの全身が緊張する。
ついに、なっちのスカートをめくっていたヤツが、なっちの下半身に、手をのばしたのだ。
スカートの下で、なっちのオンナノコの部分で手が激しく動いているのが布ごしに見える。なっちのブラが不意にゆるむ。
後ろのヤツが、ホックを外したのだ。
上からだと、なっちの薄茶色の乳首がハッキリと見えた。

(こんなの、ヤダ……)
なっちが、初めて、抵抗の言葉を漏らす。
オレは、なっちの髪を撫でる。
(ヤダよう……)
なっちは、声に出さずに泣き始めた。

スカートの中に手を突っ込んでいたヤツは、男性器を露出させた。用意のいいことに、すでにコンドーム装着済みだ。
多分、今日集合するときにはもう用意してきていたのだろう。
ならば、こいつは最初から痴漢するつもりだったってことだ。

×××が、どうしてこの3人を選んだのか、オレを除いてはなんとなく分かってきた。
そいつは、左手はなっちの大事な部分へ、右手はなっちのスカート生地に男性器を包み込んで、しごき始めた。
後ろのヤツは、なっちのナマ乳を、両手で揉み始めた。
オレはやることがなくなってしまった。

(さて、どうしようか)

すすり泣いているなっちのあごをつかむ。ぐい、と上を向かせる。
信じられないような表情をするなっち。
そのまま、ぐい、と唇を奪った。

(ひゃっほう)
(無茶するねえ)

2人がつぶやく。なんだ、同じようなモンじゃねえか。
なっちはうううう〜、と唇をふさがれたまま、非難の声をあげる。全身を、無慈悲な男たちの無数の手で刺激されて、ぶるぶると震えている。

うっ、と右のヤツの身体がケイレンした。なっちのスカートでイッたのだ。
そいつは、左手もなっちから抜き取ると、濡れているそれをなっちのスカートでふき取った。なっちは、眉間にしわを寄せて、恥辱に耐えていた。

(今度は俺だ)

後ろにいたヤツが、オレと位置を変わるように言ってきた。
そいつも、すでにコンドームを装着済みのようだ。
なんだ、何の用意もしてなかったのはオレだけか。まあ、そうだな。朝は、なっちの髪のニオイがかげれば死んでもいい、とか思ってたんだからな。
オレは、後ろに回って、なっちのナマの乳房のボリュームを存分に味わった。

そいつは、なっちのスカートをめくり、なっちの太股に○○○をはさんだ。スマタ、ってヤツだな。そして、忙しく腰を使った。
なっちは逃げようとしたのか、ぎゅっ、と腰を引いた。それがきっかけで、そいつもイッた。
なっちは、自分の太股に伝わる不気味な射精の振動に、茫然としているようだった。オレがいくら乳首をつまんでも、無反応だった。
さて、最後はオレの番だ。そろそろ、この特急電車も駅につくだろう。
しかし、オレにはゴムはない。どうしたものか?

(オレは、痴漢の常習じゃないからな。痴漢のルールなんて知らねえよ)

なら、自分のやり方でやるだけだ。
なっちを、後ろから窓に押しつける。
(おい、おまえら、なっちを両側から押さえててくれよ)
先を譲ったんだ。少しくらい協力してくれてもバチは当たるまい。
2人は、よく分からない様子のまま、それぞれなっちの横に回った。両腕を組むようにして、なっちを動けなくする。

オレは、オレ自身を露出させた。なっちのスカートをめくりあげ、白のパンティを下ろし、
(冗談、だべ……)
なっちは信じられないものを見るかのようにオレを振り返り、つぶやく。
そして、激しく抵抗しだす。
(しっかり押さえててくれよ)
(おいお前)
(まさか)

後ろから、なっちに挿入した。
「!!」
なっちは背をのけぞらせて、口をぱくぱくさせた。
隣りに立っていたサラリーマンが、驚きの表情で、オレの行為を見ていた。
オレは、しかし満員電車の中、激しく動く訳にもいかず、しかも半分くらいしか入らず、肉体的な快感はあまりないはずだったが、

(オレは今、なっちとつながっている)

脳天が痺れるような快感を味わっていた。

なっちはくううう、と絞り出すように息を吐いて、嗚咽し始めた。
さっきのヤツが、なっちの股間を充分刺激してくれていたせいか、なっちの中はドロドロだった。まとわりつくような肉の感触が、オレを包み込む。

オレは、なっちの中で、イッた。

さっき一度出したはずなのに、ドクドクと、大量に、精液を吐き出した。
なっちの身体から、力が抜けた。両側から押さえているせいで、倒れ込むことはなかったが、がっくりと頭をうなだれさせていた。
駅に到着するまで、なっちは涙をこぼして、ずっと泣き続けていた。




最終話「つんく」

「つんくさーん、朝から、どうしたんですか。あれ、石川も吉澤もいるんじゃん」
「飯田さん、おはようございます」
「おはようございます」

昨日の晩、僕は石川と吉澤を呼びだして、3Pに励んだ。イマイチだった。

石川は、従順すぎて、面白くなかった。
「芸能界は、こんなモンや」
と耳打ち一つで、自分から服を脱いだ。身体は良かったけど、攻略も何もあったもんじゃない。通常のプレイで終了した。
吉澤は、抱いている間、少しも反応しなかった。まるでマネキンを相手にしているみたいで、途中で萎えた。

「かおりは、こんなのはヤです。つんくさん、おかしいです」
石川に協力させて、飯田を後ろ手に縛り上げる。
少し髪を乱れさせて、こちらを不満げに睨んでいる。
(飯田はモデル系だねえ)
獲物を、しみじみと観察する。
白い肌、ぷっくりした唇、タイトスカートから伸びた細い足。
今日は、飯田をヤっちゃうんだよね。

「つんくさん、どうしたんですか? 裕ちゃんが、つんくさんには会いに行くなって言ってました。なにかあったんですか」
「石川。飯田のパンツ脱がせろ」
両手の使えない飯田と格闘しながら、石川は白いパンツを脱がせることに成功した。
「ふーん、案外、シンプル好きなんや」
飯田の下着を手にしげしげと眺める。飯田は、顔を赤くして、視線を落とす。
あらかじめ示し合わせたとおり、石川は飯田の股間に、白い粘着液を塗りたくった。
「ひっ」
飯田が悲鳴をあげる。
「なんなんですか。一体、なんですかこれ、やだぁ」
「それはな、毒とかやないで。山芋や」
「山芋?」
眉を寄せて、考え込んで、
「かおりはたんざくのを昨日食べました」
うーん、とぼけたキャラだ。

5分もすると、飯田は太股をこすり合わせて、モジモジし始めた。
「どうや、かゆいやろ? でも、手がふさがっててかけへんもんなあ。はがゆいなあ」
飯田は泣きそうな表情になっている。

さらに5分。
飯田は顔を真っ赤にして、しきりと腰をくねらせている。
「つらいなあ。どや、かいて欲しいか」
飯田は、激しくうなずいた。
「ここで、カキカキマッシーンの登場や」
僕は、下半身を露出させ、飯田の眼前に突き出す。
(なんか僕は、中年オヤジみたいになってきたなあ)
飯田は顔をそらし、
「そんなのイヤです」
「なら、我慢し。我慢できひんなったら、声かけてくれたらエエから」

石川を呼び、口で奉仕させる。
こいつ、飲み込みが早い。

飯田は、かゆみの余りか、目尻に涙を浮かべてブルブル身体を震わせている。
「ほらほら、あんまり我慢してたら、頭おかしゅうなるで。もうまいったせえや」
飯田は泣きそうな顔をして、
「かいて下さい」
と小声で言った。

「そうこやんとな」
飯田を仰向けにし、両膝を開かせる。
「服を着たまま、ってのもオツなもんや」
スーツ姿の飯田は、教育実習生のように見えなくもない。ちょっと、イイ。

(特別サービスに、イボ付きのコンドームを用意してみましたー)

飯田は、自分の開いた足の間で、ゴムを装着する僕の作業を、目を赤くして見つめている。
「じゃあ、入れるで」
男性器を、飯田自身にあてがう。

「イヤです。やっぱり、イヤですっ」
急に、飯田は腰をひねって逃げようとする。
「もううっさいなあ。気がそがれるやんか。石川、タオル持ってきてくれ」
騒がないよう、飯田の口をタオルでふさぐ。
「ほら、もう観念しいや」

腰を押さえつける。大人の男と、力比べでかなうわけもなく、飯田は歯を食いしばって、ぎゅっ、と目を閉じた。
じりじりと、腰を送り出す。
うーっ、うーっ、と飯田はうめき声をあげる。
「ここか? ここがかゆいんやな」
僕は、深く突き刺した。

くうっ、と飯田は短い悲鳴をあげる。

「ほーら、いっぱいかいたるからな」
中の壁をまんべなく擦るように、出し入れする。
「どや、気持ちエエやろ?」
飯田は髪を振り乱して、弱々しく首を左右に振る。
「なんやそうか。ならスピードアップや」
腰を激しく叩き付ける。飯田の全身が、上下に揺さぶられる。

「石川、お前も協力したれ」
石川は、右手を飯田の胸元に滑り込ませ、首筋に舌を這わせ始めた。
飯田は、くぐもった悲鳴を上げ続けている。

僕は、つんくのキッチンで見つけていた精力剤を、二錠、ガリガリとかじった。
連日の乱行のせいか、精力が落ちてきてるのだ。
「吉澤、水くんでこい。急いでや」
段々へにゃっ、となってきた男性器に焦ってきた僕は、吉澤の入れてきた水で、錠剤を流し込んだ。
「よーし、これからが本番やで」
石川がはだけさせた飯田の胸をつかむ。
人差し指で、ピン、と尖った乳首を弾く。

いきなり、視界が暗くなる。
(あれ……飲むクスリ、間違えたか?)
(いや、そんなはずはあらへん……ああ、吉澤の入れてきた水か)
(やっぱアイツ、ただ者やないなあ……)

吉澤の連絡で駆けつけて来た中澤とマネージャーに、その場で拘束され……僕は──
いや、つんくは、精神病院に強制収容させられた。

入院中は、僕とつんくの人格が交互に出てきていた、ようだ。

「つまり、つんくさんは、多重人格者、ということなんですか」

中澤の声がする。

「はい。実際には、多重人格、という病名は存在しませんが、一般的な用語で表せば、そういうことになります」

この声は、医者か。

「つまり、つんくさんは、17才の気弱な学生、を娘。のターゲットとして、戦略を練っていた、ってことなんですけどね。
だけど、それを自分の中でシミュレートしていく段階で、感情移入しずきてしまい、もう一つの完全な人格を作り上げてしまった、
とまあこういうことになります……
ああ、気がついたみたいですね、気分はどうですか?」

「……なに訳の分からんこと言うてんねん。僕が、つんくの作った人格? おかしいこと言いないなや」
「まだ意識が混乱してるみたいですね」

ちくり、と腕に痛み。
また眠くなってくる。

がくがくと揺さぶられる。
「なあ、アンタ。つんくさんから出ていきいや。アンタのせいで、みんなどれだけ傷ついた思うてるんや? なあ、聞いてるんか?」
「中澤さん、落ち着いて」

またもや、意識は、深い眠りの底へ……




エピローグ「中澤」

目覚めた時、僕は、また違う場所にいた。

(ふん。多重人格やて? そんな安易な設定、オチにもならんわ。僕は僕や。ちゃーんと、こうやって存在してるやないか。
つんくが僕を作り出した? なに言うてんのん、って感じ。おっかしいなあ)

「なあ、そう思うやろ、圭坊」
「え……そ、そう思うよ、裕ちゃん」
裕ちゃん?
僕は鏡を見る。
中澤裕子が、そこにいる。

ふーん。
ほら見てみぃ。言うた通りやないか。
この小説の題は「人格転移・つんく」やで。「多重人格者・つんく」とちゃうねんで。
なら、次回は「中澤姉さんのレズレズ日記」とか。

僕は鏡の中の中澤を見ながら、中澤の声で笑った。

はははっ。
,
,
,
(FIN)


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