梨華ちゃんのちょとHなお買い物


「ちぃとそこのお兄さん」
異常に静まり返った、夜中の繁華街の中、老婆の声が響いた。
老婆が話し掛けたのは、二十歳ぐらいの少し酔った男だった。
老婆はそこの小さな路地で、露店を開いていた。

「なんだよ〜」
男は気だるそうに答えた。
「この薬を買わんかね」
「どうせ、ドラックだろ?」
「ちがうわい、これは体に害はない媚薬じゃよ」
「へ〜媚薬か〜おもしろそうだな〜買ってやるよ」
男は酔いも手伝ってか、思いもしないことを口走った。
「一本、一万円じゃ」
男は一気に、酔いが覚めた。
「誰が買うか、そんなもの買う奴いるのかよ」
「それがいたんじゃ、、しかも可愛らしい女の子じゃ」
「ほ〜おもしろそうだな、話してみろよ
その話がおもしろかったら一本、買ってやるよ」
「ばら売りはしとらんよ、5本セットで五万円じゃよ?
それでもいいかえ」
「ああ、いいよ」
男の興味はすでに媚薬にはなく、その話に向けられていた。
そして、老婆は話し始めた
「そう、あれは一年ぐらい前の話じゃ・・・・」




「んっ・・はぁぁ・ああ・・ひとみちゃん・ひとみちゃん・・ああ・いい・イクッ〜イクぅ〜〜〜〜〜」
その悩ましい声は、ピンク一面の部屋に響き渡り少女は絶頂を向かえた。

「また、やっちゃた」
少女は一人Hを終えた後、うわ言のように呟いた。


少女の名前は  モーニング娘。の石川梨華
時々、同じグループのメンバーの吉澤ひとみを想いながら一人Hに励んでいる。

(こんな姿ひとみちゃんに見せられないな〜)
吉澤に悪いことをしているのは、重々承知しているのだが、いかんせん、吉澤はこちらに振り向かない。
同じメンバーの後藤真希に、ぞっこんなのだ。

ネガティブな石川にしては、積極的に迫っても振り向かない。
どんなにHぽっくアプローチしても、振り向かない。
だから、しかたなく、しかたなく、吉澤を想いながら一人Hをしている。

(ひとみちゃんが、悪いんだからね。)
そう自分に言い聞かせながら、眠りについた。


(はぁ〜疲れた)
一日中、新曲の振り付けの練習を終えた帰り道で石川はそう思っていつもの道を帰っていた。
しかし、その思いはすぐに違う考えにすりかわった。
吉澤の事だった・・・

(ひとみちゃん今日も可愛かったな〜
ダンスもかっこよく踊れてたし、一緒に練習もしてくれたし・・・・はぁ〜〜)

最後の(はぁ〜〜)というのはため息である。
どうして、それが出たかと言うと、どの吉澤もそばに後藤がいたのだ。
しかも、ところどころイチャイチャもしている。

(あんな、ところ私に見せないでよ)
そんな、怒りにも似た感情を覚えながら、歩いていると石川は、知らない路地に入っていた。


(アレ、こんな道こんなところにあったっけ)
そう思いながら、振り返って帰ろうとしたがなぜかその道に後ろ髪を引かれた。
行かなければならない気がした。

(少し暗いけどだいじょうぶだよね、ポジティブ、ポジティブ)
自分に言い聞かせて、少しずつ歩を進めた。

「チョト、お嬢ちゃん」
露店を出している老婆に石川は呼び止められた。
普段はそんな呼び止めで止まらないのだが、今日は歩みを止めた。
止まらなければならない気がした。

「媚薬を買わんかね」
「媚薬!媚薬って何ですか?どうせ危ない薬なんでしょ」
「そんな薬ではない、まあちょとした性欲高揚剤じゃな」
「その薬を飲んだ人は私を好きになるの?」
「まあ、そんなところじゃ、中に説明書も入っておる。」
「じゃあ、下さい」

この道に入ってから石川はおかしかった。
自分が自分でないようなそんな気がした。
その気にまかせて買ってしまおうとまで思っていた。

石川の気持ちを見透かしたようにいった。
「お困りのようじゃな、いつもは5本セットで五万じゃが
今日はこれで終わりだから10本セットで三万円じゃ持ってけ泥棒」

普通は、買わない。いくら安くされてもこんな危ない薬は。
それぐらいの判断力は石川にだってある、しかし買ってしまった。財布の中身をほとんどだして。
なぜか、それは、買わなければならない気がした。

石川がこの道に入ってからとてもおかしくて、(少し?)Hな
『おはなし』はスタートした。


家に帰った石川は媚薬を手に取り眺めていた。
(何で、買っちゃたんだろう)
石川はそんなことを思って、自暴自棄に陥っていた。
(ちょと怖いけど本物かどうか調べなきゃ)
このままじゃいけないとすぐ気持ちを切り替えてそう思った。

本物かどうかの調べ方、それはその場を去ろうとする石川に言った
老婆の最後の言葉
「この媚薬の効き目を知りたければ、一度自分で飲んでみるといい」

って言われても飲めるものじゃないのだが、石川は違った
(怖いけど、これでひとみちゃんが振り向くなら・・・
臭いはないよね、味はまずいのかな・・・もういいや、エイッ)
飲んでしまった、世間知らずというのか、無謀というか、チャレンジャーというか
しかし、この石川のチャレンジは吉とでた。
けれどあの老婆はひとつ嘘をついていた。


媚薬、残り9本  


親指ぐらいの大きさの小瓶の中に入った媚薬。
水滴5滴ぐらいの量の媚薬。
無色透明、無味無臭の媚薬。
それを、石川が飲んだのは3時間ぐらい前のこと。

飲んだすぐ後には水みたいという感想。
1時間後には何も感じないという感想。
2時間後は老婆に騙されたという感想。
3時間後には飲んだことさえ忘れていた。

(あ〜あ、やっぱり騙されたんだ。)
一人、夕食を食べていると、
その少し前の行為を思い出した。


(これで、ひとみちゃんとの距離が少しでも近くなると思ったのに。どうしてこう私って嘘つかれやすいんだろう。
まあ、お薬飲んで体に何もなかったから良いけど。でも、でも、これじゃあ私とひとみちゃんは、何も変わらない。)

どんなことをしても吉澤を手に入れたかった石川は自分と吉澤の関係が、何も変わらないことに落胆した。
頬には涙もつたっていた。
石川得意のネガティブシンキングだ。

(こんな薬に、頼るからいけないのよ。
ひとみちゃんは、実力で奪わなきゃ。)
長い時間たって、
石川不得意のポジティブシンキングでこう考え、頬の涙を手でぬぐった。

気持ちを紛らわせようと、石川は、テレビの電源をつけた。
しかし、そこには幸か不幸か、モーニング娘。の番組『おねモニ』が行われていた。
石川は出ていなかったが、石川の大好きな人は出ていた。
すこし露出の多い服で。

(うわぁ〜ひとみちゃん、ちょとHだな〜)
と思った刹那、石川の体がビクッと震え、そして全身が熱くなり、その熱さはすぐに、下腹部に集められた。

あの老婆は、確かに嘘をついた。
しかしそれは、石川の考えた嘘とはあまりにも違っていた。


 (ナニ?体が熱いしかも、ものすごく)
そう、媚薬の効果が表れ始めたのだ。
媚薬にはあることをすると、スイッチが入る仕組みになっている。
まあその話は後で・・・


石川は、どうしても
どうしても、Hがしたい衝動に駆られた。
Hといっても、一人Hなのだが。
薄れ行く意識の中いつも自慰行為をしているベッドに足を進めた。
「ひっやあっっ・・はあぁぁっぁ」
ベッドに乗ったとたん、石川は自分の服の下にある
ブラの下にある、もうすでにコリコリの乳首を片手で弄び始めた。
(まだ何もしてないのに何で乳首立ってるの?これが媚薬の効果なの?)
と、その片手を動かしたまま考えたが、・・・
まだまだ・・こんなものじゃないと思い知らされるのにはそう時間はかからなかった。
「はぁああんん・・あっん」
(なんで、これだけでこんなに感じるの?)
事実、石川の性感帯は乳首ではなかった。
しかし、媚薬を飲んでからはそこがいつもの性感帯以上に感じる。
そうこうする内に、石川は上半身裸になり履いていた
ズボンを脱ぎ、胸の頂点のピンクの蕾を弄くる左手はそのままに右手をパンツの中に押し進めた。
(え!!もうビチャビチャじゃない)
行為を開始してからまだものの5分
だけど石川のアソコはすくって取れるほどの大量のラブジュースが溢れ出て来ていた。
そして、いつもの性感帯のアソコの頂点に指を運んだ。
「はぁあああん・・イク・イッちゃうぅ〜」
少し、少し人差し指の腹で触っただけ、
それだけで、石川は身をよがらせ軽くイッてしまった。


(はぁ・・すごいもうイッちゃた、でも・・でも・・)
石川は確かにもう頂点に達した、しかし、指の動きは止まらない、いやそれ以上にスピードを上げてきている。
「いやぁ・・もういい・もう十分だよ〜・・はぁああ」
理性では止めようとしている。だけど性欲はそれを許さない。
「はぁん・・はぁあ・いい・はああ」
そのうち理性の方には耳を傾けず、また、性欲に身をゆだね始めていた。

ラブジュースでグチャグチャになったピンク色の
パンツを脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿で石川は自分を攻めたてた。
いつのまにかその攻めは両手がアソコに向けられていた。


左手の人差し指と親指で頂点を弄り、
右手の全ての指で花弁をさすっている。
「・・・はぁっああああっ」
絶叫にも似た石川のアニメ声での喘ぎが辺り一面に響く。
その辺り一面はラブジュースの臭いで一杯だ。

右手の人差し指と中指をクロスさせ、そして・・・
花弁の奥にそれを進めて行った。
「イヤぁあああああ・・んん・・はぁああああ」
悩ましい声が響いた。石川はそれだけで2回目の絶頂を向かえそうだった。
いや、おそらく2回目じゃなかったら当の昔にイッてしまっているだろう。

そして、その指はピストン運動を開始した。
「・・・んはぁ・・いい・・あぁあ・・いやああ・・はぁぁあ・・」
ピストン運動とリズムを合わせたように
石川は荒々しい叫び声を上げた。
その表情は、まるでAV女優のようだった。

その時は、2回目だというのに意外と速く来た
まあ、あの媚薬を飲んだからこれが標準かもしれないが・・・
「イひゃああ・・あぁん・・もう・・ダメ・・でる・・でりゅうう」
その瞬間、多量の愛液がドクドクと流れ出た。
石川は、あの媚薬の威力を体で思い知らされた。


もう何分ベッドで天井を見つめているのだろうか
20分近く、ぼーとした後に、
(体・・汚いやシャワー浴びなきゃ)
そう思い、疲労困憊の重い体を起こし、フラフラと風呂場へ歩いていった。
歩いていった時に、紙切れが床に落ちていたが気づかずに通り過ぎてしまった。

その紙切れは媚薬の説明書だった。


しばらくして、シャワーを浴び終えた石川はそれに目を通そうとしたが、16歳の彼女には激しすぎた行為でそうとう疲れていて、
もう、今日は寝ようと思い読むのは明日にすることにした。

部屋のむせ返る様なラブジュースの匂いを消すため、窓を開け、香水を撒いた。
そしてパジャマを着て眠りに就こうとした、その時
(なによこれ!)
ベッドを見た石川は、驚愕した。
ベッドには、石川のラブジュースが大きな水溜りを作っていた。
おおよそ、一人では出したとは考えにくいものすごい量だった。

(シーツ洗わなきゃ・・でも・・もう・・眠いや・・
明日にしよ・・)
クタクタの石川は、今日はソファーで寝ることにした。
いつもより、深い、深い、眠りに就いた。


老婆のついた嘘それは
『ちょとした精神高揚剤』という部分。

それは、百人に聞いて百人とも『超強力』と答えるだろう。
そんな媚薬を10本も石川は手に入れてしまった。
手に入れてしまったのだ。

もう後戻りはできない。進むしか、進むしかないのだ。
そう思わせてしまうこの媚薬は、もしかしたら『危ない薬』
かもしれない、そう考えればその部分も老婆のついた嘘かもしれない。


商品名「キモチヨクナ〜ル」使用上の注意

この商品は単純な媚薬ではないので使用上の注意をよくお読みください。

1.この商品はかなり強力な媚薬です。
ですので、お使いの際は相手の体力をよく考えてお使いください。

2.この商品を4本同じ人に投薬しさらに、同じ人がHの相手だった
場合は、それ以降の同じ人どうしのHで投薬された人は、投薬しなくても同じ快感が与えられます。

3.一日に1本以上使用しないでください。

4.どんな水溶液に溶かしても効果は変わりません。

5.この媚薬の効果は少しでもHな事を考えると発動します。

6、投薬対象者が12時間以内にHな事を考えなければこの媚薬の効果は表れません。

7.効果は人により個人差があります。

以上のことを注意してお取り扱いください。


翌朝目覚めた石川は、この使用上の注意を
トースターを食べながら読んだ。
(ふーん、だからあんなに効き目が出るのが遅かったんだ。)
と、昨日の事を思いだし少し顔が赤くなった。
(いくらなんでもあんなに感じるなんて・・・
シーツも洗っても汚れ落ちないし・・
ソファーで寝たからあちこち筋肉痛だし・・
はぁ〜憂鬱だなぁ〜)

頭ではそう考えていたが、これで吉澤を手に入れれると
思い、顔は微笑んでいた。

(あ!!もう時間だ行かなくちゃ)
石川は慌てて家を出て、収録があるテレビ局を目指した。
その道の途中パン屋で、吉澤にあげるベーグルを買って行った。


時間ギリギリでテレビ局に入った。
キャミソールにスカートそれには不似合いな大きなカバンを持った石川が。

その大きなカバンの中には、パン屋で買ったたくさんのベーグル。
それと、もちろん媚薬も2本ばかり1本でいいのだが、2本持ってきたのはもしもの事態のため。

やはり人間、用意周到のほうがいい。
本当に不測の事態というのは起きるものだから・・・


『モーニング娘。様』と書かれた楽屋の前で石川は気持ちを落ち着けるために深呼吸した。
そして、これから起こるであろうことに期待と不安を感じながらそのドアを開けた。

まず目に入ったのは愛しい吉澤とその愛しい人にベタベタとくっついている憎き後藤。
(相変わらず、ベタベタしてるわね〜。でもそれも今日までよ。せいぜい楽しみなさい)

いつもは嫉妬するこの光景も、今は冷静に見れる。
いや、むしろその後のことを考えて微笑んでいるようにも見える。
石川はあの薬を手に入れてからよく微笑む。
可愛い微笑というよりも、小悪魔のような微笑み。

後のメンバーはというと、辻加護はいつものように騒いでいて、飯田は宇宙と交信、矢口と安倍は鏡に向かってメイクをしている。
保田はいない。多分、昨日の新曲の振り付けの確認を廊下でしているのだろう。


石川は吉澤の隣に座った。
「あ!梨華ちゃん、おはよう」
いつもと変わらない挨拶、それに石川は
「おはよう、ひとみちゃん」
そう返した。

吉澤の隣に座っている後藤はいまだ石川に気づかない。
「ごっちん、おはよう」
吉澤とは違って思わずきつめに挨拶をした。
「あ、おはよう梨華ちゃん、何で怒ってんの?」
「別に怒ってないよ」
(そりゃ大好きなひとみちゃんとベタベタしてるんですもの怒っていうわよ)
心の内はそう思っていたが本当の事は言わない。

「そう?ならいいや。それより、よっすぃ〜」
また後藤は吉澤とベタベタし始めた。

(神経逆撫でするようなことしてくれるわね〜
まあそれも今日までだからいいけどね〜)


『ガチャ』と、その時突然ドアが開いた。
入って来たのはマネージャーだった。
「後藤、打ち合わせだ行くぞ」
そういい残し楽屋を出た。

後藤はその声に引かれ、しぶしぶ吉澤と離れ楽屋を出て行った。
おそらく、ドラマの打ち合わせだろう。

後藤の想いとは裏腹に、吉澤と離れての仕事がこのごろ増えていた。

それとともに、吉澤と石川が二人きりで話せる機会が増えていった。

多分、石川以上に後藤のソロ活動を嬉しがっているメンバーはいないだろう。

こうして石川の周りに邪魔者はいなくなった。


「ねえ、ひとみちゃんベーグル買ってきたんだけど食べない。(まあ、その後の返事は分かってるんだけどね〜)」
「え!!本当、食べる、食べる」

(ほら、ひとみちゃんは『ベーグル』って聞くとみさかいなく飛びついてくるんだよね〜、
その時ひとみちゃんはすごい笑顔になるんだよ。その顔が見たくて時々買ってきちゃうんだよ〜
でもね、今日はもう一つ理由があるんだよ〜)

そう、このベーグルは、悪魔の薬を飲むための布石。

石川がカバンからベーグルの入った袋を取り出す間も吉澤は目を凛々とさせてそちらを見ている。
そして取り出した袋に、飛び掛ろうとしている吉澤を石川は声を出して静止した。

「待って!!ひとみちゃん」
『どうして』という目で吉澤は石川を見つめた。
「ほら、ベーグル食べると喉渇くじゃない、だから飲み物買って来てあげるよ」

吉澤にとっては飲み物など後でもよかったのだが目の前にある物を買って来てくれた人の言った事だから
逆らうわけにはいかなかった。


「じゃあ、私オレンジジュースがいい何から何まで悪いね〜梨華ちゃん」
「ウン、じゃあ買ってくるねそれまで食べちゃダメだからねっ」
「え〜〜どうして〜〜?」
次は顔ではなく声に出して吉澤は言った。
「ひとみちゃんと一緒に食べたいから」
石川はそう言って楽屋を出た。

廊下で保田と会い軽く挨拶をした後に紙コップタイプの自販機でオレンジジュースと自分が飲むレモンティーを買った。

もちろんオレンジジュ−スには、カバンからベーグルを取り出すときにポケットに忍ばせた媚薬を入れた。
その時の石川の顔も、悪魔の微笑を浮かべていた。

(後4回これをしたらひとみちゃんは・・私のもの・ ・私のもの・・私のもの・・)

同じ言葉を頭の中で繰り返しながら吉澤が待っている楽屋に帰った。

そして、不測の事態は起こった・・・


両手に持っていた紙コップを片手に集めさらに片手で楽屋のドアを開けた。
そこには今か今かと石川を待っている吉澤がベーグルの入った袋とにらめっこしていた。

(うわ〜ひとみちゃん可愛いな〜これからあんな可愛い顔がすっごい乱れるんだよ〜これで・・)

右手に持っているオレンジジュースを覗きながらこのあと起こることを想像した。

しかし・・・そのとき・・・


「梨華ちゃん悪いな〜うちらのためにジュ−ス買ってきてくれて。」
「ありがとうなのれす」

いままで騒いでいた辻加護が石川の前に立ちふさがった。
「違っ、これは私とよっすぃ〜の」

「ま〜ええがなそんなこと、うちら騒いで喉渇いてん、な〜のの」
「ね〜亜依ちゃん。だから・・・奪うのれす〜〜」

辻の声をかわきりに二人は石川に飛びついた。

『キャ〜』という声をあげて、おもわず石川は両手の紙コップを離してしまった。
そして紙コップはチビッコギャングの手に渡った。

左手のレモンティーは辻へ
右手の悪魔のジュースは加護へ

そこからの速さはまさに、電光石火だった。

「ぷはぁ〜こっちはオレンジジュースやのののはなんや?」
半分近く悪魔のジュースを飲んだ加護は言った。
「こっちはレモンティ〜なのれす」
「じゃあ半分残っとるから交換や〜」
「そうするのれす〜」
お互いの紙コップを交換して
再びふたつのジュースを二人は飲み始めてそして飲み終えた・・・・・・


辻加護のあまりの速さに石川はそれを止める事もましてや口を開く事も許されなかった。
それぐらい速かったのだ。

石川は何も言えず放心状態に陥った。
色々考える事が多すぎて、頭の中の整理がつかなかった。

「あ〜〜ののにあいぼん、それ梨華ちゃんが私に買ってくれたのに〜〜〜」
待ちくたびれた吉澤が、何もかもが終わったあとに口を開いた。
「ま〜ええがな、もう済んでしまったことや、な〜のの」
「そうなのれす〜」
「うちらは喉渇いて死にそうやったんや。
恵まれない子に愛の手を差し伸べてくれてもえ〜やろ」
「いいのれす〜」

二人はふざけたように言い訳し始めた。
が、吉澤が今にも怒り出しそうになってばつが悪くなったのか、

「あかん、よっすぃ〜が怒り出しそうや逃げるで、のの」
「逃げるのれす〜〜」
こうしてチビッコギャングは楽屋の隅に逃走した。


ぼぉ〜としたまま石川は吉澤の横に座った。
吉澤が石川に話し掛けてきたが、全く聞こえず自分の頭の中を整理していた。

(あの薬はあんな小さな子にも効くのかな〜?
半分しか飲んでないから効き目も半分なのかな〜?
あ!!それに飲んだだけでもスイッチが入らなかったらいいんだだったら大丈夫かな。
ポジティブ、ポジティブでも、もし効いたらどうしよう・・・・・)
色々考えたが、どうしても最悪の結果に行き着く。
ネガティブな石川だからさらにだ・・・

「梨華ちゃん、梨華ちゃんてっば」
妄想していた石川が吉澤の声に気づき我に帰った。

「あ・・何か言ったひとみちゃん?」
「何か言ったじゃないよ〜さっきからずっと呼んでるのに
梨華ちゃん飯田さんみたいに交信してるんだもん。何考えてたの?」
そんな質問に本当のことが言えるわけがない。だから
「別に何も考えてないよ・・・」
と石川は答えた。

「本当?ま、いいや。それよりさぁ〜ベーグルもう食べてもいい?」
ずっとおわずけ、されてたので耐えかねて石川に頼んだ。当然飲み物はそこにはない。
明らかに作戦失敗だ。
もうなす術がない石川は残念そうに言った。
「もう食べてもいいよ」
待ってましたと言わんばかりにベーグルにかぶりついた。

(ひとみちゃんベーグル食べてちゃてるし、辻加護も気になるしどうなっちゃうんだろう)
そんな胸に一杯の不安を抱えていたその時

『カチャ』と、楽屋の扉が開いてその人が入ってきた。


楽屋に入って来るなり『矢口ぃ〜〜』と甘ったるい声を出しながら、矢口に抱きついた。

もうお分かりだろうその人の名は矢口大好き中澤裕子だ。

メンバーはみんなキョトンとしている。

「何で裕ちゃんがここにいるんだよ〜〜?」
楽屋に居るメンバー全てが思っている疑問を代弁して矢口が中澤にぶつけた。

「今日からハロモ二には私も出んねん」
そう言い終るか終わらないかのうちに中澤は矢口の唇にキスの雨を降らせた。

(ヤバイ・・大抵こういう時、辻加護はまねしてキスをするんだ。そんな事したらスイッチがはいちゃう。
そうなる前に止めなきゃ)
と石川が振り返って、辻と加護が居る楽屋の隅を見た。

しかし、もう時既に遅し。

媚薬、残り8本


「んふぅ〜」
小さな唇と唇を合わせて悩ましい声で呟いた。
もちろん辻と加護が。

いつもは軽く口付けして、にっこり笑ってハイお終いなのだが、今日はそんなわけに行かない。
なにせあの媚薬を、二人とも口にしたのだから。

(あ〜あ、スイッチは入ちゃったもう止められないな〜)
あの薬の効果を知っている石川だから、もう誰にも、止められない事は自分自身、一番よく分かっていた。

石川がのん気に考えている間も辻加護は行為を続けている。

唇を合わせて舌を入れ、そして唇を離しその離した唇から引いているお互いの唾液の糸を
たどる様に、また唇を合わせて舌を入れる。

今にも『クチュクチュ』という音が
楽屋に響き渡りそうだった。


(おかしいな〜なんで誰も止めようとしないんだ〜?)
中学生二人、しかも女の子同士がこんな事をしているんだ至極当然のように、誰かが止めてくれると思った。
石川は周りを見渡した。

(中澤さんと矢口さんは、イチャイチャして気づいてないからダメでしょ。
飯田さんはいまだ交信中だし、安倍さんはダイエットの本を見ているし、
保田さんは廊下に居るし、あ!!ひとみちゃんは
・・・ダメだベーグルしか見てない。
あ〜もういいほっとこう)

普通はこの状況なら一人でも止めにいくのだが色々見てみたい事があった。

半分しか飲まなかったらどうなるのか。
人が見ているかもしれない場所で媚薬はどうはたらくのか。

石川にとって二人はさしずめ、実験用モルモットになった。
ジュースを勝手に飲んだだけの、割に合わない条件とともに。


石川はチラチラそちらを見ているのだが、どうもおかしい。
キスしかしていないのだ。

(あれ〜おかしいな〜?キスだけで済むわけないんだけどなぁ〜?
あっそうか二人ともどうしていいか判らないのかぁ〜)

これだけで済んでくれるという期待と、実験失敗というガッカリ感が、
こみ上げてきたが、これだけで済むはずがなかった。
いくら経験がなくても壊されていく理性と、増幅し続ける性欲、それに忠実に動く体。

おのずと、どうすればいいか答えが導き出された。
そして・・
お互いの手がお互いの恥部にゆっくり入っていた。


「のの、なんでやろめっちゃ股が熱いねんそこ触ってや」
「亜依ちゃんにも、ののの触ってほしいのれす」
「わかったわ、もうなんか我慢でけへん」
「はぁぁん!!!!!」
刺激に耐え切れず辻が喘ぎ声を出した周りに聞こえないように、出来るだけ小さく。
経験がなくてもこれがいけない事だとは二人とも理解しているようだ。

「のの何、声だしてんねん。ばれるやないかぁそれになんか、ののの股、グチャグチャやで」
加護は辻のパンツの中に入れていた手を抜き、指についた愛液を見せ付けるようにいった。

「そんなこといわれても、気持ち良過ぎるのれす。でも、亜依ちゃんのここもビチャビチャなのれす」
「そうやねん、なんでやろ、うちも声出てまうわ」

辻のアソコを触るために再び加護はパンツの中に手を入れた。
二人とも声を抑えて身をよがらしている。
性欲に忠実に、
擦る、擦る、擦る
責める、責める、責める
もうそこには、二人のあどけない少女の顔はなく、快感に身を投げたAV女優だった。


しかしその時、辻の手が加護の恥部の小さな突起に手が触れた。
加護は辻の恥部から手を抜き自分の口に両手を当てた。
喘ぎ声を聞かれないようにするために。

「ん?亜依ちゃんここがいいのれすか?」
そう言い、人差し指でその突起を責め続けた。
もう加護は限界だった。

「はああああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜」
我慢していた声が一気に大きな声となって吐露された。

当然その声にはみんなが反応し、一斉に部屋の隅を見た。
「あんたたち、なにやってんの!!!」
矢口が、一速く反応して、二人に飛びかかり
引き離したが、辻と加護は磁石のS極とN極のように
引き離しても、引き離してもくっつくので、しかたなく加護だけを羽交い絞めにし、動きを封じた。

その間も、辻は加護を責め続けた。
「はぁぁ〜!!んんんもうぁぁああああ」
抑えるものがなくなったので、加護の声は楽屋中にこだました。

「ちょと圭織手伝って!!」
矢口が言うと、交信中だった飯田が我に帰りすぐに辻を取り押さえた。

取り押さえても二人は、互いの名を呼び合い体を求め合った。

「あんたたちには、まだ早いの〜〜」
矢口が大声で叫び二人を叱りつけた。

こうして幼いAV女優の初Hは、消化不良のまま終わった。


「うっえぐ・・ひっく・・ひっく・・」
アレからしばらくして辻加護は当然、モーニング娘。
リーダー飯田と、ミニモニリーダー矢口にこっ酷く説教されていた。
いつもは率先して怒っていた中澤は、遠くから見ているだけで
説教に参加しなかった。脱退してまでメンバーに色々言うのは気が引けるのだろう、みんなそう思っていた。

一方辻加護は、普段は説教ぐらいでは泣かないのだが、二人は正気に戻った後
自分達のしたことに、どうしていいのかわからず大声をあげて泣き出し、今はひきつけを起こしている。

(はぁ〜結果的にあの子達に悪い事しちゃたなぁ〜
もう少ししたら謝ろう。突然謝ったら戸惑うだろうけど一応ね)


「ねぇ〜ねぇ〜梨華ちゃん」

辻加護にどう誤ろうか考えていた石川に
隣の吉澤の手が石川の体を揺らしながら声をかけてきた。
どうやらベーグルはもう食べ終えたらしい。

「どうしたの、って!!もう三個も食べちゃたのこれじゃ一緒に食べれないじゃない」
「ごめんね、それより何でののとあいぼん怒られてるの?」
「え!!知らないの」
「う〜ん、ベーグル食べてたから気づかなかったの。ねぇ教えて?」
「・・・・・」
(ベーグルを食べ始めたら、夢中になって周りが
見えなくなるのは知ってたけど・・・まさかこれほどだったなんて
私のこともそれぐらい見てくれたらいいのになぁ〜・・・)


石川がベーグルに少し嫉妬をしていた時、吉澤が今度は多少怒り口調で、
「梨華ちゃん今日なんか変だよ?ぼぉ〜としすぎ。
もう矢口さんに聞いてくるよ」
吉澤が椅子から立ち上がり、矢口のところに向かおうとしたその時、

また『カチャッ』と楽屋のドアが開いた。
入って来たのはテレビ局のスタッフだった。

「本番始まりますんで、スタジオの方に来てください」
それを聞いた石川は吉澤に
「ひとみちゃん一緒に行こう」
矢口の方に向かおうとしていた吉澤の腕を摑み引きずるようにスタジオに歩いた。

矢口にアノ話を聞いて欲しくなかったというより
それよりも今は片時も自分の前を離れて欲しくなかったから。


そして、したたかに次の作戦を考えていた。


(う〜ん幸せだなぁ〜ずっと腕組んで歩いてたいなぁ〜)
作戦を立てようと思っていたのだが、どうもどの作戦もピンとこないので吉澤の腕のぬくもりを楽しむ事にした。

「ちょっと梨華ちゃん、そんなにくっつくと歩きにくいよ〜」
「後ちょっとだけだからイイでしょ?」
「別にいいけど〜」
だがそんな幸せも長くは続かない。石川にとっての邪魔者が後ろから現れた。

『キャ!!』と声を上げ石川は吉澤の前に倒れた。
邪魔者に後ろから突き飛ばされたのだ。


「梨華ちゃんやめて貰えるかなぁ〜人のよっすぃ〜捕るの」
見ると石川の今までいたポジションは後藤に捕られている。
「だからって突き飛ばす事ないじゃない!」
「人のものを捕ると罰が当たるんだよ」
(ひとみちゃんを『もの』って)

そのまま倒れている石川を無視して二人は行こうとして
ショックで打たれ弱い石川は泣きそうになったが吉澤が口パクで『ごめんね』と言ってくれたので
少しは救われて涙は出てこなかったが逆に策士石川を目覚めさせる結果となった。

(絶対ひとみちゃんを奪ってやる・・・)
そう思っている石川にいつもは手をつないだり、抱き合ったりしている
辻加護が、あの事があって気まずいのか少し距離をとって歩いてきて、話し掛けてきた。


「さっきはごめんなぁ〜梨華ちゃん」
「ごめんなのれす」
「さっきのこと?ああジュースのことね別にい・・・・」

そのとき頭に『バババ』と次の作戦の図面が組み立てられた。
(そうだ・・この子達を使えば・・・)

「許してくれるのれすかぁ〜?」
「ダメ!許さない」
「ええ〜!!それじゃ困るわ〜どうしたら許してくれんねん」
「言う事を聞いてくれたら許してあげるよ」
「のの達は何すればいいのれすか?」
「じゃこっちに耳かして」
「ん?なんや」
      ・
      ・
      ・
「・・・という訳だけどできる?」
「なんやそんなんで許してくれるんかぁ〜?
もっと難しい事言われると思ってたわぁ〜」
「でもそんなことしてどうするのれすか?」
「いいから、いいから、じゃあ頼んだわよ」
「わかったわ〜」
「わかったのれす〜」
そう言って二人はスタジオに駆け出した。


(我ながら完璧だわ)
一人残された石川はまた微笑んでいた。


そして、娘。たちは収録に入りいつもより辻加護が元気が無かったということを除けば
たんたんとそつなくこなし、二本撮りの一本目を二時間足らずで撮り終えて休憩時間に入った。

「じゃこのジュースひとみちゃんに渡してね」
「わかったわ〜」
「わかったのれす〜」

娘。達が楽屋に入るなかジュースを持たせた
辻加護を楽屋の外に待たせ、石川はトイレに向かった。


―――――――作戦―――――――――

まず一本目の収録が終わるとドラマの現場に向かう後藤をみはからった後、

「後藤さん楽屋から出てきたわ〜、じゃのの行くで〜」
「行くのれす〜」

そして次に吉澤一人にこのジュースを飲ませ、

「よっすぃ〜これお詫びのしるしや飲んでや〜」
「飲んで欲しいのれす〜」
「ほんと!!いいの、じゃあお言葉に甘えて頂こうかな」
・・・・・・・『ゴクゴク』・・・・・・・・・・・

吉澤がジュースを飲み終えたところで、石川がトイレで呼んでいることを伝える。

「あ!それとよっすぃ〜梨華ちゃんがトイレに今すぐ
来て欲しいゆうてたで〜行った方がいいんとちゃうか?」
「行った方がいいのれす〜」
「トイレに?何の用だろ一緒に行こっか?」
「よっすぃ〜一人で来て欲しいねんて」
「言ってたのれす〜」
「ふ〜んじゃ行って来ようかな。
梨華ちゃんに私、なにかしたかなぁ〜?」


これで後は吉澤が石川の待つトイレに来るだけ・・・

ジュースを飲み終えた吉澤はしばらくしてからその石川の待つトイレに現れた。


「どうしたの梨華ちゃん?こんなとこ呼び出して?」

    『ガチャン』

「何でトイレの鍵閉めたの?それじゃみんなトイレに
入って来れないよ?あ!そうか誰にも聞かれたくないんだね
わかった、わかった、よしこに相談してみなさい
・・・・って梨華ちゃん・・・・・んぐっ・・・・・」

もちろんジュースには媚薬は入れられている


媚薬、残り7本


吉澤の発言が言い終わらないうちに石川は吉澤の唇に自分の唇を重ねていた。
頬へのキスは何度かあるが口付けは初めてだ。少々、難はあるが・・・・

そのままの体勢で二人はトイレの個室に入り
石川は先ほどと同様に鍵を閉める。口は離さないまま。

吉澤はしばらく何が起こったか判断が付かなかったが
ようやくこれが何事か判断し、手で石川を跳ね飛ばした。

「ちょっと梨華ちゃん止めてよ!」
ここまで来て引くわけには行かない石川は
それを聞いて吉澤に近づき耳元で呟く・・

「ごめんね。もう我慢できないんだ・・・」
みるみる吉澤の耳は赤くなるが、なおも石川は続ける
「だからネ、ひとみちゃんも我慢しなくていいんだよ?」
「別に私は我慢なんてしてな・・・・ひゃあぁ・・」
また吉澤の発言を聞き終わる前に石川は次の行動に出る。
首筋に舌をはわせていったのだ。


「ひゃぁぁ・・・あぁぁ・・」
石川の柔らかく濡れた舌が首筋をまんべんなく責める。
だが、なにぶん石川も初めてなので、どこかぎこちない。
しかし吉澤は割りに合わない位の声を出している。
間違いなく媚薬が体にまわってきているのだ。

「ふぁぁ・・あぁぁぁ」
首筋にあった舌はいつのまにか耳たぶに向けられてた。
耳たぶを甘噛みし、次に舌を耳の中に侵入させる。
吉澤の脳に『ビチャビチャ』という音がダイレクトに響き渡る。

そして石川の手が吉澤の体に向けられた。
右手は吉澤のTシャツそしてブラの中に入れ右胸を揉み、
左手は吉澤のスカートの中に入れパンツの上から恥部を擦る。

けれど両手は両手とも大事な所に触ってはいない。
詳しく言うなら、右手は乳首には触れず、左手はそこを擦るだけ。
これは吉澤にとってはたまったもんじゃない。
快楽を餌にした拷問に近かった。

「ねぇひとみちゃん?もう我慢できないでしょ?
我慢できなくなったら言ってね?手伝ってあげるよ」
そう石川が言った直後、すぐに吉澤から切ない声で返事が返ってきた。
「もう・・・我慢・・できないよ・・お願い・・・して・・・」
媚薬で倍増している性欲に勝てるはずもなく普通では有り得ない返答を吉澤はしてしまった。
「わかったよ、ひとみちゃんメチャメチャ気持ちよくなろうネ」
そう言って石川は吉澤に愛撫を与えていった。


「ん、はぁあぁぁああ〜〜〜〜」
石川の左手をパンツの中に入れただけなのだが、吉澤は今さっきまでとは比べ物にならないくらい大きな声で喘いだ。
それはテレビ局中に響き渡るのではないかというぐらいの大きさだ。
石川は思わず手を引いてしまった。

(どうしよう、ひとみちゃん一杯声出すタイプなんだ。
でも声我慢したら気持ちよさ半減しちゃうし・・・あ!そうだ・・)

石川がどう吉澤の声を抑えて行為を続けるかを考えている間にも吉澤はトロンとした目で『早くして?』と言わんばかりに
石川を見つめている。石川はその目線には気づかずにポケットからハンカチを取り出した。

「はい、ひとみちゃんこれ噛んで声我慢しててね?」
そう言って石川は吉澤の口元にハンカチを持っていった。
吉澤はコクンと頷き、ハンカチを咥え始めた。


「じゃ汚れるからパンツ脱ごうね?」
又、吉澤はコクンと頷きそれを見た石川は両手で吉澤のパンツに手を掛ける。

汚れるからといっても、もうかなりパンツは吉澤のラブジュースで湿っているのだが・・

脱がそうとする石川を片足を上げて手伝う吉澤。
抵抗の色などもう、とうの昔に消えうせている。
吉澤の恥部があらわになった。

今までパンツに吸い取られていたラブジュースは行き場を無くして力なくポタポタと床に垂れていっている。

あらわになった恥部へはすぐには責めずに焦らすように石川は吉澤の服を捲り上げ胸に顔を埋めていった。

そして白い乳房のビンビンに突起したピンク色の頂点を舌で転がし始めた。


「・・ふぁぐぐ・・」
声はハンカチに抑えられてはいるが明らかに吉澤は感じている。
舌で転がたり、口に含み含んで吸ってみたり、軽く噛んでみたり
それを交互に繰り返すように何回も、何回もそこを責め続けた。
その度に吉澤からは押し殺された声が漏れる。

(こんなのでいいのかな?でもひとみちゃん感じてるみたいだから
いいよね。じゃあ次はアソコ責めてみようかな・・・)

石川は、左手は胸を揉んだままにし右手は吉澤の恥部に
向けた。そこには余り刺激を与えてないのだがもう潤いすぎるほど潤っていた。

「うわ、ひとみちゃんもうビチャビチャだよ感じてくれてるんだね?」
右手に付着したラブジュースを吉澤に見せ付けるように言う石川。
声を出せない吉澤は、顔を真っ赤にしてそれから目をそらした。

「ふふふ・・可愛い・・じゃあ逝かせてあげるネ」
そう言うと、また右手を恥部に持っていった。
擦るように、撫でるように、そこを責めた。

「・・くふぅぐぐ・・んぐぐぅ・・」
ハンカチを咥えてなければ相当の声を出しているのだろう。
しかしもう吉澤にはハンカチを咥えている悠長な余裕などは
もうない。いままでにない快楽を受け続けている体はもう全身の何処にも力が入らない状態だった。

そんな吉澤の事情を知らない石川は右手の人差し指を花弁のうえの小さな蕾に手を当てた。

「ひゃあああぁぁぁぁぁっっっ・・・・」
ハンカチから口を離してしまった吉澤は
再び大きな声で喘ぎだしてしまった。


一番の性感帯を少しではあるが触れられて
思わず吉澤は、咥えていたハンカチを口から落としてしまい切ない喘ぎ声を上げてしまった。

そのハンカチはヒラヒラと落ちていき吉澤の股間を愛撫する石川の右手をかすめて
床に作られたほぼ水溜まりに近いぐらいの大量の吉澤のラブジュースに浸された。
浸されたハンカチの上には新たに作られた、
ラブジュースがポタポタと垂れてきて、染み込んでいる。

(あちゃ〜、これはもう使えないなぁ〜
でも・・・もういいっか・・・誰に聞かれても・・・
それにひとみちゃんもう・・逝きそうだし・・・)


そう思った石川は手っ取り早く吉澤を逝かせる為に
右手の人差し指をドロドロのラブジュースが生成されている吉澤の蜜壺に、深く、深く、埋めていった。

その指は大量のラブジュースが潤滑油となってすんなり入った。
しかし、入れた途端にそれは石川の指をキュキュと、きつく、きつく、締め付けてきた。

「はぁっん!!・・・はぁああぁあぁああ・・・・」
至極当然、当たり前のように、吉澤は大きな声を吐露した。

石川の指は物凄いスピードでピストン運動を先ほどから、続けている。
吉澤の恥部内は石川の指を、時折締め付け、時折緩み、
緊張と緩和を繰り返し続けていた。それはまるで無限に続くかのように。

その間も、石川は指を真っ直ぐに立て恥部の奥の奥を突いたり、
指を曲げて恥部内のラブジュースを穿り出したり。

そんなことをされては永遠に続くものと思っていたものも続かない・・・
すぐに吉澤の限界は訪れた。指を混入してから5分と経ってはいないのだが。


「ひゃぁああぁ・・・もう・・ひゃぁあ・・ダメぇぇぇ!!・・・」
吉澤の声を聞いた瞬間に、石川は左手の胸への愛撫も右手の恥部への愛撫も全てストップした。

これも石川がはじめから立てていた作戦の一つ・・・

一瞬の緊張から解き放たれた吉澤は力の入らない
上半身を石川の体に預けて、自分の顎を石川の肩に乗せこう呟いた。

「梨華ちゃん・・ごめん・・・まだ逝ってないの・・・もっとして」

(来た来た、絶対言うと思ってたんだ、こんな時に
止められたら溜まったもんじゃないもんね・・・でもね
ちょっと意地悪しようと思うんだ・・・私のこと好きになってもらう為に・・・)

石川は吉澤の耳元で、恐らくこの状況で最悪の質問をぶつけた・・・


「ねぇひとみちゃん、今ごっちんと私どっちが好き?」
「ふぇ?・・・・ひゃぁぁ・・」

当然すぐには返答は返ってこない。
考えの範疇をこえた質問に素っ頓狂な声をあげる吉澤。
思い出したかのように、吉澤の恥部に入りっぱなしの
右手の人差し指を動かし快感を与えて又すぐ止める石川。

そんなことをされては、9割9分の人がこう答えるだろう。
吉澤も決して例外ではなかった。

「梨華ちゃん・・今は梨華ちゃんだよ・・だから・・・速く・・・」
「そう?嘘でも嬉しいよ、ひとみちゃん。じゃあ続けるね・・・
でもこれだけは覚えててね。私はひとみちゃん・・大好きだよ!」

そう言って恥部にうずめている人差し指に、中指もプラスして
再び激しいピストン運動を開始し、さらに親指を恥部の上の小さな蕾に押し当てた。

「んひゃあぁああぁあぁぁぁぁっっっ!!・・・イクぅぅっっ!!!・・」

恥部の奥に入り込んでる、石川の細い2本の指をありったけの力で
締め付け、これが最後とばかりに大量のラブジュースを分泌させ
吉澤はあっけなく絶頂に達した・・・・・

こうして吉澤と石川の距離は一歩進んだ・・・

それは自分勝手で独りよがりな石川の第一歩ではあるが・・・・


「ふぁ・・・り・・か・・ちゃ・・ん・・」

吉澤はビクン、ビクンと体を大きく振るわせながら逝った後、全体重を石川に預けた。
やはりいつのも何十倍もの快感を受けた吉澤の体は、全身の何処にも力が入らず、そうするしか術はない。
先ほどから足もピクピクと、痙攣を繰り返してる。

「ちょっ、ちょっと。ひとみちゃん?」

吉澤は何も言わずに逝った疲れからか、肩で大きく息を繰り返すばかり。

そんな吉澤を石川は、自分の体と左手で器用に挟み、その間
吉澤の愛液でベトベトの右手をトイレットペーパーで拭き、
拭き終わったのちに、両手で吉澤の体を支え、便座に座らせた。


暫く抱き合って吉澤とHした幸福感に、浸ってもよかったのだが
いかんせん本番の時間が迫ってるので、すぐにでもその行為の
後始末をして、ここを出る準備をしなければならなかったので、そういう訳にはいかなかった。


まず石川はトイレットペーパーを巻き取り、吉澤の恥部から先ほどまで溢れ出ていたラブジュースをふき取る。
膝まで垂れていたそれを拭き終ると、吉澤にパンツを穿かせて次に床に垂れた大量のラブジュースを拭き始めた。

当然そこに落ちているハンカチが石川の目に入る。


(持って返っろかな♪このハンカチ・・・・でもそれじゃ変態だよ・・やっぱやめよ)

そう考え石川はそのハンカチを、トイレットペーパーにくるみ、トイレの個室に備え付けられている小さなゴミ箱に捨てた。

「じゃあ、ひとみちゃん戻っろか。本番、始まっちゃうよ・・・・・え!?」

「ふぇぐ・・・えっぐ・・・ひっく・・・」
後片付けを終えた石川は吉澤に目をやると、吉澤は声を押し殺しながら泣いていた。
しかし瞳からは、ポロポロと涙が零れ落ちている。

「あ、その、えっと、ご、ごめんね、ひとみちゃん、酷い事しちゃったね」

なんと声をかけていいか判らず、しどろもどろになりながらも、とりあえず石川は、先ほどの行為を吉澤に謝罪した。

吉澤は首をブンブンと横に振り石川にこう言った。
「ち・・・違うの・・別に・・嫌じゃなかったんだけど・・・変だね・・・なんで涙が出てるんだろ・・・」


ここで嫌われては元も子もない石川は、そうではない事を聞かされ
安堵の表情を浮かべながら、指で吉澤の頬をつたう涙を拭ってやり、
その後に満面の笑みをで吉澤の顔を覗き込み、
「じゃあ行こっか?ほんとにやばいよ?」
といい吉澤の手を引きトイレを出た。


まだ足元がおぼつか無い吉澤は
石川の右腕にしっかり捕まりながらスタジオに歩を進める。

「そんなにくっつかれたら歩きにくいよ、ひとみちゃん」
「あ!ごめんでもスタジオまでだから」
「フフ・・・何かさっきと立場逆だね♪」

そう言って、二人は顔を合わせ微笑みながらスタジオに向かった。


その収録中ずっとボォ〜っとしていた二人は
マネージャーおよびメンバーにこっ酷く怒られたのは言うまでも無い。


ともかくこれで吉澤と行うHの、4回の内1回を無事?石川は済ませた。


撮影が終わり説教が終わった後、二人は何も話すことなく我先にと、そそくさと家路を急いだ。
何も話さなくても二人が考えるのは先ほどトイレで行われた淫らな行為な訳だが・・・・

(はぁ〜あ・・・緊張したな〜やっぱりトイレでやるのは止めた方が良いかな〜?)

石川が吉澤との初めてのHを考えて出てくるのは、
所詮、『私はやったんだ!』といったような普通の人が浸るような
幸福感ではなく、ネガティブな石川は、思い出しては、反省、反省、また反省。


(やっぱり人が来そうな所は、止めた方がいいなぁ〜)

Hの時は気丈に言葉巧みに責めてはいたが内心、心臓はドキドキで少しでも拒まれたら、
心の底から気が折れてしまいそうなほどの精神状態だった。

しかしそんな精神状態でも初めての吉澤とのHでは、色々と収穫があった。

吉澤が迫られて嫌とは言えない性格という事。
Hの最中はかなり大声をだして喘ぐという事。

そして何より、石川とすることをそこまで拒まなかったという事

これだけだったら、いくらネガティブな石川でも、あんなにマイナス思考では考えなかっただろう。


唯一、石川を迷わせたのは吉澤の涙だった。


(口では嫌じゃないって言ってたけどでも
それじゃあ何で涙なんか出たのよ!もう私わからないよ)

考えてる内に家路を帰りきり、家のドアの鍵を開ける石川。

スタスタと廊下を歩き寝室のピンクの布団のベッドの上にチョコンと座り、又考え込む。

(何で泣いたんだろ・・・・わからない・・・わからないよ・・)


何故今ベッドに石川が座っているか・・・・・

石川には妙な癖がある。


娘。で嫌なことがあったり、自分がミスをしたときなどには決まって一人Hをする。
気持ちよくなりたい、と言うよりはただの現実逃避だ。

今日も現実逃避をするために、しようと思ったのだが・・・

いつも決まって吉澤の事を考えてしている為に、あの事を思い出し、強制的に現実に引き戻される。

そうこうしている内に、自分の今の姿に情けなくなって石川の目から涙が吹き出してきた。

(もういや・・・こんなんじゃ何も変わってないじゃない・・・
あの媚薬が助けてくれると思ったけど、その前にこんな自分を変えなくちゃ・・・
でも・・・・でも・・・・そんなにすぐに変われないよ・・・)


『ピロロロロロロ・・・・・ピロロロロロロ』

とその時カバンの中に入れていた携帯からくぐもったメール受信音が響いた。

涙を手で拭い携帯を手に取る石川。
そのメールは吉澤からのものだった。

『梨華ちゃ〜ん、今日はどうしたの?
えらく積極的だったネ♪も〜イキナリだったからビックリしたよ〜
あ!別に責めてる訳じゃないよ!なんかあの時、私もおかしかったし・・・
あしたはPV撮りだね、がんばろうね。
p.s梨華ちゃんって結構テクニシャンだね(笑)』

メールを見た石川は『クスッ』と笑い、
そして又、瞳から涙を流した・・・・

安堵感から来る、先ほどとは全く意味の違う涙を。


今日は吉澤のメールのとおり、娘。の新曲のPV撮影な訳で、撮影現場へと石川は歩を進めているわけだが・・・・・

(今日もひとみちゃんと会えるなぁ〜、楽しみだな〜
話し掛けてくれるかなぁ〜?でもあの事があったのが昨日の今日だからなぁ〜、
ひとみちゃん恥ずかしがってるかなぁ〜、まぁそれは何とかなるかなぁ〜?
それはそうと・・・・・・・・・なんで今日はこんなに暑いの!!)


仕事の目的地までの道のりでは石川はいつも、
吉澤のことを考えながら歩くのだが、
今日はそれが出来ないくらい・・・・・暑い。

照り付ける直射日光が容赦なく石川を先ほどから襲っている。
道なりずっと手団扇をしているのだが、それがバカらしくなるほど暑い。

いつもは元気に飛び回っている、都会のカラスもぐったりして木陰でじっとしている。
それは鳥が大嫌いな石川にとっては、喜ばしい事なのだが、
それを差し引いてもこの暑さは石川に不快感を与えている。それぐらい暑い。

(こんなに暑かったら、日焼けしちゃうじゃない。
気にしてるのになぁ〜、ひとみちゃんは色白の子が好きなのかなぁ〜?)


「おぉ〜!!ちょっと〜〜いしかわ〜〜〜」

自分の両腕を日焼けしてないか、キョロキョロ見ている石川に突然自分の名前を呼ばれたので、一瞬ビクッっとして、
恐る恐る声がかけられた方向を見たが、いつも見慣れている人がこちらに走って来ているので安心して、その人を待つために
石川は足を止めた。

いつも見慣れているというか娘。のメンバーだ。

ひときわ小さい体を跳ねさせながら、
一生懸命こちらに向かって走って来ている。

しかし、なにぶん歩幅が狭いので足が遅い。
足が遅いと言っても、運動神経が思わしくない石川よりはさほどましだが。

声がかけられてから、約2分といったところだろうか、
やっとその人は石川の目の前に到着した。


「別に急いで走ってこなくてもいいのに、矢口さん」

そう、その人の名は矢口真里、娘。の中では数少ないしっかりした皆の頼りにされる存在だ。

「いや〜・・余りにも・暑くて、石川とでも喋ったら気持ち紛れる・・かなぁ〜っと・・思って」

走ってきたので、少し息も途切れ途切れに矢口は言った。

「石川とでもってどういう事ですか!失礼しちゃうわ!待っててあげたのに」

口を尖らせながら怒って石川はそう反論した。
まぁ本気で怒っているというよりも、怒ったようにみせただけなのだが。

「そんな怒るなよ〜、いしかわ〜、冗談だよ冗談」
「私も冗談ですよ、怒ってませんよ♪それより速く行きましょ!」

そうして二人は一緒に撮影スタジオに向かうことにした。


「石川、今日はボォ〜っとしてダメ出しされるなよ〜なんか
昨日はよっすぃ〜と二人でおかしかったぞ!」
「もぉ〜やぐちさ〜ん、今日は大丈夫ですよ〜」

矢口の言葉を聞いて石川は昨日のことを思い出し、顔を真っ赤にしながらそう答えた。

「顔真っ赤だぞ〜、いしかわ〜。もしかしてよっすぃ〜のこと好きなんじゃないかぁ〜」

「そ・そ・そ・そんなことある訳無いじゃないですか!
だってひとみちゃんにはゴッチンがいるじゃないですかぁ〜
そう言う矢口さんも、この頃ひとみちゃんと仲いいじゃないですかぁ〜」

いつもは吉澤と後藤はべタベタしているのだが、時々
その二人が仕事の都合やらで、離れているとき吉澤と話そうとした
石川がしばしば、吉澤にじゃれている矢口を見かけていたので話半分、冗談半分、で聞いてみた。


「な・な・な・何言ってんだよ!!!!
そんな訳ある訳無いじゃないか!!!」
「ご・・ごめんなさい。別にそんなつもりじゃなかったんですけどそんなに怒らないでくださいよ〜〜〜」

石川は矢口に怒られたと思い慌てて謝罪した。


鈍い石川は矢口の言葉の微妙な、心境の変化を感じ取れるわけも無かったのだが・・・・

「あ!矢口さん現場が見えてきましたよ速く行きましょう!
きっとクーラーきいてて涼しいですよ♪」

頬を膨らませて怒った表情の矢口に、話をそらす様に石川は矢口に言った。


そうして二人はPV撮影の現場に着いた。


「ハァ〜〜!!!!!どうなってんだよ!!!!!」

今、マネージャーに大声で叫んだのは矢口、
叫んだのが矢口なだけでマネージャーには娘。の
メンバーが何人か群がってる・・・・抗議をするためだ。

(矢口さん達・・元気だな・・・もう私は抗議する気力も無いよ・・・)

マネージャーに文句を言っている矢口達を尻目に石川は隅にあるパイプ椅子に腰掛けている。


何故、娘。がマネージャーに文句を言っているか・・・

このクソ暑いのに、収録スタジオには冷房がきいていなかったからだ・・・

収録スタジオの馬鹿でかいクーラーは何をやってもうんともすんとも、動こうとしなかった。


「こんなに暑いんじゃ、身が入りませんよ!」
(そうだ、そうだ、もっと言ってやれ!保田さん)

「そう言われても、今日しかスケジュール空いてないんだよ」

「じゃ、クーラー直ってからにしたらいいべ」
(ほんとだよ!直ってからでいいじゃん!)

「でも、いつ直るか判らないものを、待ってる訳には・・・」

何を言っても堂堂巡り、平行線をたどるばかり・・・

結局、ほとんど強制的に撮影が開始された。


「え〜、クーラーきいてないんですかぁ〜」
「こんな暑いんじゃやってられないよ〜」

他のメンバーが諦めている時に集合時間ギリギリに来た二人は、今ごろこの事態を知り文句を吐露している。

吉澤と後藤だ・・・

ただでさえ暑さで、気分が晴れない石川に
吉澤と後藤が一緒に、撮影現場に現れた事にさらに気分をがいした。

(いいなぁ〜ゴッチンは・・・ひとみちゃんと一緒に来れて・・・)


普段はこれくらいのことは、当たり前すぎて
いちいち気にしていられない石川だが、
昨日の行為とその後のメールで、吉澤との距離が中途半端に
縮まってしまったのでこんなことにまで、後藤に嫉妬をしてしまう・・・

(あ〜〜〜なんか・・ムカツク・・もう当分アレ使わないって
決めてたけど・・・作戦変更・・・絶対今日使ってやる!・・・)

胸に変な決意を秘めつつ撮影に向かった石川だが・・・・


石川はこの時、考えていただろうか・・・・
まさかあんな場所で、例の物を使う事になり
その場所で人生最大のピンチを向かえる事を・・・・


まあそれは、もう少し先の話ですけど・・・・


こうしてクソ暑い中、新曲「ザ☆ピース!」のPV撮りが始まった。

人間、中途半端に暑いと気持ちがダレて、円滑に進まないのだがこうも度を越えた暑さだと、逆に集中して速く終わらそうとする。

娘。達も例外では無かった・・・・

持ち前の集中力で、撮影がスムーズに進む進む。
常に五月蝿い、あの辻加護でさえも場の空気が判っているのか、いないのか、
淡々と、でも一生懸命に仕事をこなしている。

暫くそのまま時間が過ぎて、
今、娘。達は、撮影が一段落したので休憩に入っている。
なんだかんだでPV撮影は、この休憩が終わると後半に差し掛かろうとしていた。


「石川〜、次あのシーンだよ、気合入れていけよ!」

隣り合わせに座って休憩していた飯田が、立ち上がりざまに石川にむかって激を飛ばした。

「判ってますよ〜、飯田さん。石川は頑張りますよ〜!」
(頑張るに決まってるじゃない!
だって次は私とひとみちゃんが・・・・フフフ♪)

石川が楽しみにしてるシーン・・・それは
この新曲の後半に用意されている、石川のセリフの場面。

セリフ事態は全く吉澤との掛け合いは無い。、
しかし石川がこのセリフを言っている時には色々、メンバーとの絡みがある。

矢口が寄ってきて、キスをする真似をするだとか、
加護が隣でピースサインしているだとか、
安倍と後藤が下から出てきて、石川の顔をカメラから隠すだとか。

色々あるのだが、しかし別にこれといって吉澤との絡みは無い。
(コンサートの時の振りには用意されてるが・・・)

けれど、このセリフを言っている時は、石川にとってはもっとも至福の時。・・・・・それは何故か・・・・


(私の語りのとき、ひとみちゃんと向き合う形になるんだよねぇ〜
その時、目が合っちゃうんだ〜♪それだけで私は・・・・幸せ♪・・)


「・・・かわ・・・・石川・・・・コラァ!!!いしかわ〜〜〜!!!!」
「ハ・・・・ハイ!!!!」
撮影スタジオの隅、休憩するためにある
パイプ椅子に腰掛けて次のシーンを想像してボォ〜っとしている石川に突然、叫び声が降りかかる。
その声に驚き、飛び上がって、
いつもかん高い声なのに、さらに高い声で返事をする石川。


石川が振り返って見た声の主は、矢口だった。

「ったく、何回呼んだと思ってんだよ!ほら、撮影始まるって。
みんなもう行ってるぞ!」
「ハ、ハイ!すぐ行きます!」

そう言って慌てて席を立った石川だが、顔は薄っすら微笑んでるように見えた。


「それじゃあ、セリフのシーンまいりま〜す」

一番下っ端らしく見える、若いスタッフからの声が掛かり、
メンバー各々が自分の配置につき、それが確認されると、
音楽が鳴り始めた・・・・それに合わせて石川も語り始める・・・

♪♪♪〜〜〜〜〜
『青春の1ページって・・・・・』
(そうそうこの時、矢口さんとあいぼんが来てチョッカイ出した後
ひとみちゃんがカメラに背を向けてこっちを見るんだ・・・)

このまま順当に行けば、吉澤が石川の方を見る振り付けに入るのだが・・・
           ・
           ・
           ・
           ・
           ・
いつからだろうか?・・・石川の考えとは全く、思惑が外れる事態が頻繁に起こるようになったのは・・・・・・・




―――――――『痛っっ!!!!!』―――――――――


その声はさほど大きな声ではなく、
大音量の音楽が流れていたから、同じ舞台に立つメンバーでさえも聞き取れないほどの、悲痛の叫びだった。

俯き加減で今か今かとその時を待っていた石川が、『ここだ!』と思い顔を上げ吉澤を見ようとしたが・・・・

石川の目に飛び込んできたのは、右足を押さえて屈み込んでいた、吉澤の姿だった。

「え!?ちょっと・・・ひとみちゃん!!!」
向かい合わせだったので、その吉澤の変化に、いち早く気づいたのは石川だった・・・

まだその事態を知らない両サイドに居た矢口と加護を押しのけて、すぐさま吉澤の側による石川・・・

吉澤の顔は、その端正で可愛らしい顔に似合わずあまりの激痛にその表情を歪めている。


「ひとみちゃん!!痛い?・・・大丈夫!?」
石川は吉澤の顔の前で片膝をつき覗き込むようにして言った。

しかし、その激痛からか吉澤から返事は無く、
覗き込んだ顔の色はますます青白くなり、しまいには額から
明らかに、暑さから来る汗の量としては多すぎるくらいの
質の悪い汗が大量に吹き出てきている。

「ちょっと、誰か!!誰か!!」

事態がかなり深刻だと受け取った石川は、まだ流れている
音楽に負けないように、ありったけの大声で助けを求めた。
            ・
            ・
            ・
            ・
            ・
            ・
きっと石川の考えの範疇を超えた事態が、
頻繁に起こるようになったのは、あの老婆から媚薬を買った時・・・・
いや・・・多分、石川が吉澤に好意を
持ち始めたときからかもしれない・・・
あの老婆から購入したものは、本当は媚薬ではなく・・・
もしかしたら・・・『違った未来』・・・だったかもしれない。


そう、自分ではコントロールしきれない・・・・『違った未来』




マネージャーが吉澤を病院に連れて行って、はや2時間。
その間に吉澤のいないパートを撮り終えた他のメンバー。

吉澤の穴を埋めようと必死にメンバーは頑張ったのだが・・・・

その後の撮影に身が入らなかった人が約二人・・・
言わずと知れた・・・石川に後藤・・・・・

一応、吉澤が出る場面以外撮り終えたメンバーは、吉澤の帰りを今か今かと待ちわびていた。


その二人以外は心配しながらも
まだ口数はあるのだが・・・・・・その二人はと言うと・・・・


「もう〜梨華ちゃん、なにしてるのれすかぁ〜
元気出して一緒にあそぶのれす〜」

「そうやで、ごっちん。いくらそんなに心配しても死ぬことはあらへんねんから〜」

特にその気があった訳ではないのだが、落ち込んでるものは落ち込んでいるどうし、
類は類を呼ぶのか、二人並んで肩を落としている石川と後藤に、まるで相対するようなテンションの
辻と加護がネガティブ二人組みに話し掛けてきた。


だが・・・・全く返事が無い・・・・・・
聞こえているのか、それとも聞こえてないのか、
答えたくないのか、それとも答えを探してるのか、
ともかく返事が無い。


もうここは遊んでくれる脈なしと見た、辻加護は
二人でどこかに行こうと、控え室の部屋を出ようと
していたその時に、やっとこさ帰ってきたマネージャーが、
入ってきたので、強制的にまたその部屋に押し戻された。


今まで何事にも反応しなかった、
石川と後藤がいち早くマネージャーに詰め寄った。

「ひとみちゃんは!!ひとみちゃんはどうしたの!!」
「ねえ?ヨッスィ〜はヨッスィ〜は何処!!」

二人はマネージャーに詰め寄ったのは確かだが、目線はまるでマネージャーを見ていない。

吉澤が元気な顔でひょっこりマネージャーの、
背中の後ろから出てくるんじゃないかと期待して、
目線はそのマネージャーの背後にそそがれていた・・・・・


しかし、吉澤の姿は全然見当たらない。

「ハイ!今日はもうお仕事お終い!残りの撮影は後日。
後藤以外は帰っていいよ」

まるでその二人を無視するように話し出すマネージャー。

当然その言葉に、その二人が食いかからない訳が無い。


「ちょ!!どういう事ですか?ひとみちゃんはどうしたの!?」
「それに私以外はお終いってどういうこと!?」

呆れたように一息ついて、マネージャーは一気に答えた。

「吉澤は足と、このところの疲労で一日だけ入院。
それに後藤はこの後、ドラマ撮りだって言っただろ!!」


「じゃあ何処に入院してるか、教えてくださいよ?」
マネージャーが言い終えた後、何処から出てきたのか、
帰る用意をして、飯田が近寄り言う。


「それも、チーフマネージャーと相談したんだけど、
お前らには言わない事にした。行ってパニックになったら困るからな。」

そうですか。という感じで飯田は頷いた。

そして飯田の「お疲れ様でした〜」と言う声をかわきりに、
メンバーは帰って行った。後藤も別のマネージャーになかば引きずられる感じで、ドラマの現場に向かった。

控え室に残ったのは、石川と吉澤を病院に連れて行ったマネージャーの二人・・・・・
石川からすればこんな好機を逃すわけが無い。

(どうにかして入院先聞かなきゃ・・・・
そうだ!!あのことをネタにしたら、絶対言ってくれるわ♪)


「ん?どうした、石川?帰らんのか?」

「・・・・・・・・・・」

「早く帰れよ。久しぶりに早く終わったんだ、今日ぐらい体を休めてやれ」

「・・・・入院先・・・教えて・・・」

「ダメだって言っただろ!!!早く帰れ!!」

この答えは石川は予想はしていた。だから次の1手ももう考えている。

「この前ロケの時、大遅刻したのチーフマネージャーに言いつけてやる!」

「・・・・うっ・・・それは言わないで・・・」

「うふっ・・・・じゃあ教えて?」

「くそ・・・判ったよ、言えばいいんだろ!絶対俺が教えたって言うなよ」


 ・
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 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
そして一時間後・・・・・・

吉澤の居場所を聞き出した石川は今、吉澤が居る、病室の前にたたずんでいる。

その病室は、芸能人用なのかなんなのか、かなり隅っこの暗がりの個室だ。


そして石川は、その扉をノックした。
 

「ひ〜と〜み〜ちゃん?」

ノックをしたものの返事は無く、鍵は開いていたので失礼にも石川は押しかけた。


(あ、やっぱり・・・)
勘が当たったのか、自分の中で納得した石川。

(ひとみちゃん寝てるや・・・・)
石川が考えたとおり、吉澤は熟睡していた。

布団を蹴飛ばし、吊り上げられてる片足はそのままに、
上半身は腰を捻るように壁の方に向いてる・・・・
熟睡というより爆睡だ。


そんな吉澤に石川が近づく・・・・

プ二プ二、プ二プ二

布団を掛けに近づいたのだが、悪戯ゴコロが先に出たのか、
吉澤の弾力の良さそうな、頬っぺたを突付く。

プ二プ二、プ二プ二

吉澤の頬っぺたに、楽しみを覚えた石川はさらに突付く。
多少起こそうとする気もあったかもしれない。
しかし、爆睡の吉澤は全く気づかない。


「ひとみちゃん・・・可愛い・・・大好き・・」
普通の声で言っても聞こえないだろうが、
一応、聞こえるか聞こえないか程度の小声で呟いた。

そしてそのまま、石川は部屋を出た。


一時間程度だろうか、吉澤が目覚めるまで、
部屋を出た石川が、病院の売店で買った雑誌を一人で読んでいた時間は・・・・


吉澤は目覚めすっきりというわけではなく、目を擦りながら
石川の方を見た。多分誰も居なかったらまた眠っているだろう。


目覚めで焦点が合ってないのか、目を細めて石川を見る吉澤。

「り、梨華ちゃん!?なんでここに?」
ようやく確認できたのか、吉澤は驚きの声をあげる。

当然だろう、昨日あんな事をした相手なのだから・・・・


「何よ、私じゃ不満?ゴッチンのほうが良かった?」
「別にそういう訳じゃ・・・」
「ふ〜ん、じゃあいいね」


そう言うと、見ていた雑誌を閉じ椅子から立ち上がり、石川は吉澤の座っているベッドの側による。


石川に寄られるだけで、吉澤は昨日の感覚が蘇る。

座っているというか、片足を上げられてるので
上半身を起こすだけの状態だった吉澤は、
抵抗できる体勢ではなかった。

吉澤は、覚悟を決めゴクリと唾を飲み込んだ・・・・


しかし石川は、吉澤の肩に顎を乗せこう囁いた。
「喉渇いてるでしょ?ジュース買ってくるね」

そう一言いうと、カバンを持ち部屋を出る石川。

吉澤はほっとしたのか、それともがっかりなのか・・・・
複雑な表情を見せ、石川を見送った。


そのまま石川は、自販機に直行した。
ジュースを買うだけには不似合いな、大きなカバンを持って。


財布がカバンに入っているというのも、理由といえば理由だが・・・・
大きな理由は媚薬が入ってるからだ。


吉澤が飲むぶんのジュースを買い、石川は近くのベンチに座った。

(もうすぐで・・・もうすぐで・・・・ひとみちゃんと・・・)

もう頭には吉澤との行為で頭が一杯だった・・・・・

カバンから媚薬を取り、後はジュースに入れるだけ。


       ・
       ・
       ・
       ・
       ・
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       ・
       ・
       ・
(今ごろ、私はひとみちゃんとHしてるはずだったのに・・・・なんで、こんなところに・・・・)

石川は対面に座ってる人を、無視するかのように遠い目で天井を見上げる・・・・


石川はある人と、病院内の喫茶店に居た。


「・・・かぁ!石川ぁ!」
「ハ、ハイ!」
「何、ボォ〜っとしとんねん!人が何回も呼んでるのに!」
「す、すいません・・・・」


「・・・・・」
「・・・・・」

それから、何分ほど時間がたったのだろうかなりの時間が経過していた

石川の前に置かれたレモンティーは、汗をかき凍りもとけきっている。
体面に座ってる人の前に置かれた、コーヒーはすでに中身が無く、
カップのはしにはその人のつけていた、真っ赤な口紅の跡が残されている。


「石川・・・・単刀直入に聞くわ
あのジュースに入れようとしてた、これはなんや?」

石川に言ったのそ人の目線は、石川の目を見ているというより
テーブルの中央に置かれた、小さなカプセル型の容器に目が向けられていた・・・・そう、媚薬だ

「それは・・・・・・・」

「・・・・・・」
「・・・・・・」


「ん〜じゃあ質問変えるわ・・・辻と加護はあんたがやったんか?」
「ち、違うんです!あれはアクシデントで・・・・」
「やっぱりあんたか・・・言い訳は見苦しいで」
「ス、スイマセン・・・・」

と、その人は媚薬入りの容器を手に取り
自分の目の前にまでその手を上げた・・・・


「ほんまに、こんな薬あったんやな、
20何年生きてきたけど、こんなん始めてみたわ・・・・」

「20何年て・・・・・もう30じゃない・・・・」
石川が自分も聞き取れるかというくらいの声でボソッと呟いた。

「ん?なんか言ったか?」
「い、いえ。なにも・・・」


「吉澤と、後藤が付き合ってる事は知ってるな?」
「はい・・・一応・・・」
「それやったら、もう何もいわへん。勝手にし」
「・・・・・」

喫茶店なので回りに聞こえないくらいに、本当に小声での会話だったのだが、
その人の一言一言がズッシリと重く石川にのりかかる。


「さ〜て、こんなおもしろい話、誰に教えよっかな〜?
やっぱここはリーダーの圭織かな?それとも娘。最年長の圭ちゃんにしよっかな〜?」
「ちょ!ちょっとやめて下さい。お願いします。」
「ふ〜ん。じゃあ条件があるわ」
「な、なんですか?何でも言う事聞きます!」

(どんな条件だろう?まさかお金を・・・・)

「・・・これちょ〜だい♪」
「??????」


可愛らしく、でも何処かしら、くれないとどうなるか判っているんだろうな、
みたいな恐怖感に石川は襲われた。

「なんや?あかんのか?」
「いや・・・別にいいですけど・・・・でもなんで?」
「そんなプライベートな聞くんか?まぁええわ
矢口や、矢口。この頃あの子冷たいからな・・・ここでガツンと・・・」
「ガツンとって・・・・」

「ええやろ?ほんなら貰って行くで。
じゃあな。うちはちょっと時間ないんや」
「え!?ちょっと中澤さん!」

驚いた石川の声は、思いのほかよく通り近くにいた人がいっせいにこちらを向いた。


そして、中澤は「何考えてんねん」と
口パクで言いながら、手を振りさって行った。

そしてテーブルには、空のコーヒーカップと
手がつけられてないアイスレモンティーと、
上の空の石川が残された。

(中澤さん・・・何考えてるんだろ?)


暫くボォ〜ッとした後に、思い出したかのように
大きなカバンを引き連れて、石川は喫茶店を出た。

そして、再び手にはジュースを持った
石川が病室の前に立っていった。

(なんか違う気もするけど・・・中澤さん公認なのかな?
まだ中澤さんここら辺に居たら困るけど・・・・
でもこのチャンスを逃したらダメな様な気がする。
ここは賭け!ここで逃げたらダメになっちゃう!
石川梨華一世一代の賭けよ♪)

意を決して石川は再び扉を開けた。


『ガチャッ』

ドアを開けたときに、石川の目に一番に飛び込んできたのは
何もすることが無く、暇そうに指で髪の毛をクルクルと巻きつけて
遊んでいた吉澤だった。

吉澤は石川が入ってきた瞬間、仰向けに
寝ていた体を上げて、相当暇だったのか
話し相手が出来た事で、嬉しそうな顔で
石川に話しかけてきた。



「梨華ちゃ〜ん。中澤さんと何処行ってたの〜?
もう、暇で暇で暇で寂しかったよ〜」
「え!?いや別に。がんばってるかとかそんな話」
「ふ〜ん。それで中澤さんは?」
「帰っちゃった」
「・・・何しに来たの?」
「わかんない・・・」

石川と喫茶店に行く前に、少し吉澤の病室に顔を出して
「石川借りるで〜」とだけ言って中澤は去って行ったらしい
そんなことも石川が聞いていないのに、話した吉澤。
それほど暇だったのだろう。


それにしてもタイミングがいい・・・・
一連の中澤の行動は、まるで石川が媚薬を持っているのを
知っているようだ。
まぁ鈍い石川はそんなこと気にも止めなかったが・・・


吉澤と石川の会話・・・両者対極の顔をしていた
吉澤は中澤さんは、何しに来たんだろうという疑問での
腑に落ちない顔。
石川は『寂しかった〜』と言った吉澤に、テレテレした感じの
微笑が止まらないと言った顔。それとこの後に起こる・・・・


「梨華ちゃん・・・何笑ってるの?」
「何でもないよ、それよりジュース飲む?」
「一つだけ?梨華ちゃんの分は?」
「私はいいよ、喫茶店で飲んだから」
「そう?ちょうど喉が渇いてたんだ。ちょ〜だい」

はいどうぞと石川の手から吉澤の手に渡った、
一杯のジュース。

(ゴメンネ、ひとみちゃん。嘘ついちゃった♪)


この過程の中で石川は二つの嘘をついている。
一つは喫茶店ではジュースなど、緊張のあまり
一滴も口にしてなかったこと。
もう一つは・・・もちろん普通のジュースじゃなかった事。

しかしもう、ジュースに媚薬を入れる行為は
罪の意識はないのかもしれない・・・・


そうこうしている内に、吉澤は一気にジュースを飲み干してしまった。

石川はそんな吉澤の姿を、ニマニマ見つめていた。


石川の目線に気づく吉澤。

「あ!ごめん・・・一気に飲んじゃった。
もしかして、欲しかったのかな?」
「え!?いいよ。二人も飲んだら大変だよ」
「大変って?」
「アハハハ・・何でもないよ」
「変な梨華ちゃん」


そういいながら吉澤は、空の紙コップを丸めて
ゴミ箱に捨てた。


(別に変な物は入ってないよ。ちょっと魔法の液体を
入れただけだよ。じゃあ始めようか、ひとみちゃん)


媚薬、残り6本




あと石川に残された行程は、吉澤に少しでもHな事を
考えさせなければいけない、そうしなければ媚薬は
ただの水に成り下がってしまう・・・・・

しかし、もう媚薬入りのジュースを飲ませると言う事が
一番難しいわけであって、吉澤にそれを考えさせるのは
あまりにも容易で簡単だった。

そう、たった一言でよかった。


「昨日はゴメンネ、ひとみちゃん・・・」
(さあ、どんな反応するかなぁ〜?楽しみ楽しみ♪)

「へ?あ、ああ・・・・別に気にしてないよ
私も悪いんだし、梨華ちゃんも気にしないでね」

昨日の事とはもちろんあの事
テレビ局のトイレでの乱れた行為
石川の一言で、強制的に昨日の事を思い出さされる。

後は我慢できなくなった、吉澤を待つだけの石川。


(出来ればもう今すぐにでも、飛びつきたいんだけど
それじゃあなんか、私が節操ないみたいで嫌だから
それに我慢できなくなったひとみちゃんも見たいし♪)



媚薬を投与してから10分
二人は何をするでもなく、まったりした時間を過ごしていたが
当然、吉澤の様子が少し・・・・かなりおかしい。

石川が部屋に来るまでは、当たり前のように
布団の外に出ていた手が今は両手とも布団の中にあり、
よく目を凝らさなければ判らないが
下半身の方もモゾモゾしてる感じにも
見受けられる。

それに吉澤は横に居る椅子に座って
パラパラと雑誌をめくっている石川の姿を
早く帰らないかといった目で見ているかどうかは
どうかは判らないけれど、チラチラと横目で見ている。

石川を見ている吉澤の顔は、もの凄く紅潮している。

(ヤバ!下手したら、強制的に部屋を出て行かされて
自分でヤッチャウかも・・・・
それにそんなひとみちゃんにそんな顔されたら、私が我慢できない)

この見解は普通の常識をかなり逸脱している。
しかし媚薬を使った自分が一番
あの媚薬の威力を知っている。
そんなことも考えさせるほどの異常な効力。


ゆっくり腰をあげて石川は吉澤に近づく。

(すぐにして上げたらよかったね・・・・ゴメンネ)

吉澤は自分の目線に気づかれたと思い、
石川と逆のほうに首を向き直す。

けれど、そんな目線
石川にはとっくに気づかれていた事は
吉澤には一生判らない事実でもあった。


十分距離をつめた石川は、優しく声をかける


「どうしたの、ひとみちゃん顔真っ赤だよ?
熱でもあるんじゃないの?大丈夫」

そう言って、おでことおでこをくっ付ける。
こんな事をされては吉澤は溜まらない・・・
気が狂いそうだった。

吉澤はこの間、何かを話したかったようで
口をあけるしぐさを何度もしたけれど
それが、激しい息遣いに遮られている。


そして、布団の中から吉澤の両手を獲る石川。

石川が、両手を獲ったのは吉澤が寝ていたので
ベッドの外から石川との対峙は、なかなか無理な体勢だったので
吉澤の体を起こそうとしただけだったのだけれど・・・・


「キャ!嫌ぁ!!」

吉澤は手を獲られた瞬間、驚きの声を上げて
石川の手を振りほどいた。

石川は何故その吉澤が驚いて、手を振りほどいたかは
すぐに理解出来た。


吉澤の手はしっとりと濡れていた。
もちろんそれは汗ではない・・・・


(ひとみちゃん・・・・もうこんなに)

急に吉澤を不憫に思った石川は、有無を言わさず
石川の唇に自分の唇を押し当てた。


唇をあてがったのは、石川のほうだ・・・・
しかし・・・

(ちょ・・・ひとみちゃん・・・あっ・舌が・・・)

吉澤はまったく石川の目は見ていない。
快感に身を馳せたような、とろ〜んとした目で焦点が合ってない。
しかし、口の中は違った。

本能なのか、それとも必死になっているのか、
おそらく前者だろう。媚薬のせいで、はっきりと意識が働いていないはずだ。


そうだとしたら、もしかしたらHに関しては
吉澤は相当の技術を持っているのかもしれない。
この状況で、本能のまま動いても石川を
身震いさせるようなキスが出来るのだから。


(んんん・・・・ひとみちゃん・・・上手だよ・・・)


ネットリ唾液を含んだ、吉澤の舌は
石川の舌を見つけると即座に絡みつき
激しく動き、時に引き、
そして石川が、欲しいと思ったときに絶妙のタイミングで
また、舌と舌を絡ませあう。

お互いの唇と唇が、擦れ合うその時に
クチュクチュと嫌らしい音も、発している
時より、行き来する唾液も全く不快感も与えない。
いや、むしろ性欲を促進しているようだった。
吉澤の唾液にはさっき飲んだ、ジュースの味がしみこんでおり
それもたまらない。


(・・・あっダメ・・・このままじゃ・・・・プハァ)

このままじゃ、両方ともなし崩しになると思い
それだけは避けたかった、石川は
吉澤に独占されそうになった、その意識を
取り戻すために、必死になって唇を外した。


離した、唇と唇を繋ぐ二人の唾液。
その透明な、弱い粘り気を含んだ液体は、
今にも途切れそうなほどか弱いもの、
しかし、本能のままに動いている吉澤は
その二人を繋ぐ唾液を渡って来て、どんどん
石川の唇に迫ってくる。


(ヤバイ!・・・このままじゃ、ひとみちゃんに私待ってかれる)


石川は頭を遠のけ、無理矢理その糸を途切れさし
近づいてくる吉澤の両肩をそっと持ち、
そして、こう言った。

「ね!ねえ、ひとみちゃん?・・・パ、パジャマ脱ごっか?」

少しの間の後、吉澤は小さくコクリと頷いた。


向かい合わせに座っている二人。
一人は相手のパジャマのボタンに手を当て、
もう一人は、されるがまま。


一つ一つのボタンを丁寧に外し、
羽織るだけの状態になったパジャマ。
石川は右手、そして左手と吉澤のパジャマを脱がしていく。


その向こうから表れたのは、
純白の肌で形成されている乳房。
そして、自分の存在を主張するように
プックリとそそり立つ、ピンク色の乳首。



いやらしい・・・・・


(・・ひとみちゃん・・・ひとみちゃん・・・・もう、我慢できない!)
上半身裸の吉澤を、押し倒し
石川を誘っているような、乳房にしゃぶりつく。

まるでその様は赤ん坊のよう。
ただ相当にいやらしい赤ん坊の舌つきだが。

「んぁぁ!・・・・梨華ちゃん!梨華ちゃん!・・・気持ちイイよぉ〜!!」

乳首の周りを吸い付くように舐め、
徐々に乳首に近づくように攻めていく。

そして、敏感になり過ぎた乳首に舌がかかる。

「ひゃぁぁ!!・・・んんん・・・・んはぁ!」


始めは舌先で、コロコロと転がすように舐る。
次に吸い付いたり、離したり、
口に入れ、口内で舌で愛撫する。

もちろんその間、左手は吉澤の右胸の乳首を
弄ぶのも忘れない。


左胸から口を離し、石川の唾液で濡れた
吉澤の左胸の乳首への刺激は、
自分の右手に任せて、石川の顔は
徐々に吉澤の左耳へと接近する。


「ヨッスィ〜ここ弱点なんだよね〜」

吉澤の弱点である耳の近くで、
呟く石川。

この石川の言葉で出てきた、
息が触れるだけでも、体がビクンと震える。

耳たぶに舌が触れる。


「ひゅん!・・・いや・・・梨華ちゃん・・そこは・・」

クチュクチュ、チュパチュパ・・・・

耳たぶ、耳の中、一緒くたに
舐めつくす石川。

「あっあ・・・・ダメ・・・いいッ・・・」


ビクビクと跳ねる吉澤の体。
思わず吉澤は両足の太ももを、
我慢できずに擦り合わせてしまった。


それを見逃さなかった石川。

耳たぶから口を離し石川はこう言った。

「ふふ・・・我慢できないんだねひとみちゃん
じゃあさ、ズボン脱ごっか。」


判りきっている吉澤の返事には耳を傾けず、
石川は吉澤のズボンを、パンツといっぺんに脱がした。


「うひゃ〜濡れ濡れだぁ〜」

一緒に脱がしたパンツは、もうはっきり判るほど
グッショリ濡れていて、滾々と溢れ出る愛液は
まるで、石川を誘っているよう。


いやらしい・・・・

石川は吉沢の恥部をまじまじと眺める・・・


「いやぁ・・・梨華ちゃん・・・見ないでよぉ〜・・・」
「なんで?・・・ひとみちゃんのココ綺麗だよ。
私の好きなピンク色だし・・・・ヒクヒク動いてるし・・」
「言わないでよ・・・・早く・・・我慢できない・・・」
「はいはい・・・我がままでしゅね〜、ひとみちゃんは・・・」
「ううう・・・・・」


石川は膝ぐらいで止まっていた、ズボンを完全に脱がし
両手で股を開けさせ、完全に恥部が見える位置に顔を持ってくる。

そして・・・濡れそぼったそこに手をかける。


「あ・・・・んんん・・・」

包皮を被った充血した蕾を露にさせる。

「はぁんん・・・そこは・・・ダメ・・・」
「じゃあ止めてもいい?」
「いや!止めないで・・・・・私のそこ・・・・苛めて・・」
「Hだねぇ〜ひとみちゃんは・・・」


その言葉を聞いた石川は、恥部の愛液を掬い取り
痛くならないように、蕾に塗りつける。


「じゃあ・・・やるよ・・・気絶しちゃダメだよ」

「うん・・・頑張る・・・・」


聞くや否や一気に石川は、そこを責め始めた。


ピンピンにそそり立ったそこを、指で弾いたり
人差し指の腹で、グリグリとつぶす・・・


そのたびに吉澤からは叫び声とも取れる様な、
喘ぎ声が漏れ出した。


「はあぁぁぁ!!!・・・・・んんんぁぁ・・・はぁぁ!!!!!!」


そして石川は吉澤のアソコを弄くっている
右手はそのままに、吉澤の顔の横に
自分の顔を持っていく。


吉澤の悶えている表情を、間近で見るために。


(いいよぉ・・・悶えてるひとみちゃん・・・可愛いよぉ・・・
もっと独り占めしたい・・・・もっと見たことない表情見てみたい・・・
もっと厭らしいひとみちゃん・・・・見てみたい・・・もっと)



思わず手に力が入る石川。
人差し指と、親指で吉澤の蕾を捏ね繰り回す。


「んひゃぁぁぁ!!!刺激・・・強すぎるよぉぉぉ!!!!」



その声に、ボルテージが上がった石川はさらに
指の力を強める。指の力に比例するように
ドクドクと吉澤の膣から、ラブジュースが溢れ出る。


そして・・・

「ひゃぁぁ!!!!だめぇ!!!!いくぅぅぅぅ!!!」

あえなく絶頂を迎える吉澤。

仕方なく手を止める石川だが・・・・・
吉澤がまだ、物欲しげに石川の顔を見る。



「ん?ひとみちゃん・・・・まだ足りないの?」

石川の問いに耳まで真っ赤にさせ、視線をそらす吉澤。


(フフフ・・・・可愛い!ひとみちゃん・・・・もっとしてあげたいな・・・
・ ・・そうだ!・・・つぎは・・・)



「ねえ?まだして欲しい?」
「・・・・・う・・・ん・・・」


「じゃあさ、一杯濡れてるから、舐めてあげるね」
「・・・・え!?」


「いやぁ!・・・それはダメだよ・・・・やめよ?ね?」
「ふ〜ん。じゃあこのまま止めてもいいんだ?」
「そ・・・・それは・・・」
「おとなしく、お姉ちゃんの言うこと聞きなさい。」
「ん・・・・」


(断れるわけないじゃない。媚薬のせいでこんなに濡れてるのに
一回逝ってから、余計、厭らしい液があふれてきてるのに・・・)


石川はまた、頭を吉澤の股間のほうへ移動させ
両ひざの裏を持って、大きく足を開けさせる。


目の前にある、吉澤の恥部・・・
ヒクヒクと動いていて、滾々と溢れる愛液が
太ももを伝って、シーツに染みを作る。


「ここ、物凄いHになってるよ・・・・ひとみちゃん」
「いやぁ!!・・・そんなに見ないで・・・」


吉澤の最も厭らしい部分に顔が迫る。
そこに、漂うのは吉澤自身の匂い。
鼻につくような、酸っぱい匂いだが
全く石川に、不快感を与えてはいない。

いや、むしろ後頭部をピリピリさせるような
刺激的で官能的な匂い。


(・・・・舐めてみたい・・・我慢できない・・・)



そして、一気に石川は
吉澤のアソコにむしゃぶりついた。


「ジュルジュルッ・・・チュチュジュル」

「ひゃぁあぁ・・・・んはぁぁあああ!!!
い!いきなり・・・強すぎるよょ!!!!!」


吉澤の言うことは無視するように
とめどなく溢れる、吉澤の愛液を吸引する。

時おり、恥部の穴に舌を混入させ
レロレロと舐め回す。

そうかと思えば、舌を引き抜き
無防備に外に露出している、蕾に攻めの焦点をあわせ
舌で弾いたり、潰したりしている。


「っはぁぁん・・・すごいぃぃ!!!・・・
こんなの・・・・・はじめてぇぇ!!!!・・・もっとぉ!!」


吉澤はシーツをギュっと掴んで、意識が飛ばないように
自分の所在を、失わないようにしている。

吉澤の感度は、媚薬の力に乗ってグングン上昇され、
徐々に頭の中まで占拠されそうになる。


引きちぎれるほど、掴んだシーツは
それを誤魔化すための、小さな抵抗。


「ジュルジュル〜・・・ジュジュジュル」


まるで湧き水のように、出てくる
吉澤のラブジュース。

それを一滴も逃すのが惜しいかのように、
飲み尽くす石川。


しょっぱいようで、それでいて
蜂蜜のように甘い。

ただ言えることは、それは石川専用の媚薬。

自分がどんな、厭らしい行為をしているのかも
ひと時の間、忘れてしまいそうな錯覚に陥る。


「ジュルジッジュッジュルルル」
(美味しい・・・美味しいよ・・・ひとみちゃんのジュース)


「いやぁ・・・梨華ちゃん。・・飲まないで!!」
「なんで?・・・美味しいよ・・・飲んでみる?」


吉澤の愛液を、口に含んだまま、
石川は顔を上げ・・・・・



そのまま、快感でだらしなく涎までたらして
ポカーンと空けられた、吉澤の口にキスをした。


「ちょ、ちょ・・・・ふぐぅぅ・・・」

石川の口の中にあった、吉澤の口に
粘々した液が滑り入ってくる。

クチュクチュと二人の重なった口内で
厭らしい音が響き渡る。

一通り吉澤の汁を、吉澤自身の口に入れると
石川はキスを止めた。


326 名前 : ラック   投稿日 : 2001年10月17日(水)00時59分05秒  

(私何してんだろ?・・こんなことしたら、
嫌がられるかもしれないのに・・・・あ〜もうどうでもいいや
もう、訳判んなくなって来た。)


口を離すと何も言わず、見つめあう二人。
吉澤は怒っているような目には見えず、
どちらかというと、トロ〜ンとした
石川を誘っている視線だった。
しかし、口にはまだ愛液が残っている。


その目を見て安心した、石川は
囁きかけた。


「はい、ゴックンして」

“ゴックン”


「どう?美味しいでしょ?」


石川の問いに、吉澤はさっきと同じような
目のまま首を横に振った。


クスッっと微笑んだ石川はゆっくり
右手の中指を、吉澤のアソコに挿入させた。


「ひやっぁぁぁ!!!・・・んああ!いきなりそんなぁ!!」


石川の中指は、どんどん奥深くに入っていき
次第に指の先っぽは子宮口に触れるぐらいの
位置にまで、到達した。

「ひぅあ!!お、奥まで・・・はいってるよぉぉ!!」


「もっと・・・滅茶苦茶にしてあげるよ♪」


奥まで入った中指を、第一間接を折り曲げて
膣壁に擦るような形にする。

そして、次にマシンガンのように指を
猛烈な勢いで、指を動かし始めた。

止まることを知らない、吉澤の愛液を
膣内から欠き出すように動かす。


「んはぁぁ!!あにぃこれぇぇ!!!すごぉいぃぃ!!」



書き出した愛液の量はいっそう増し
シーツは水溜りが出来たようにビショビショ。
そして原形を留めていないぐらい
クシャクシャになっていた。


獣のような喘ぎ声をあげながら、
腰をくねらせ、時おり痙攣しているかのように
ビクンビクンと跳ねる。


吉澤の顔は、妖艶で
しかし、フッっと少女の顔に戻ったり。

何も知らない少女と、裸婦の間を
フワフワ行き来しているようだった。


「も、もぉおダメぇ!!逝っちゃぅぅ!!!。ダメェェッッ!!」


その言葉を聞いた石川は、人差し指も挿入させ、
親指は蕾を弄くる位置に持ってきた。


「あっんあっっあああ!!!!いきゅぅぅぅぅ!!!」

吉澤はすべての性感帯を弄ばれて、
ベットがきしむくらい腰を跳ねさせた後、
今日、二度目の絶頂に達した。


石川と吉澤、二人はHの後の特有の
まったり感に体中覆われる。


石川はだるい体を持ち上げ、
ベッド周りを後片付けに入る。

一方吉澤は、息を荒らげながら
うっすら開いた目で天井を見上げている。
胸が開いたパジャマは、汗ばんだ肌が露出したまま
もちろん、ズボンも穿こうとはしない。
右手の甲を額に当てて、Hの余韻に浸っている。


Hな汁をを垂らしたままの膣を、
石川は側に置いていたティッシュを
手に取り、丁寧にふき取った。


(なんか喋ってよぉ〜・・・・気まずい雰囲気だよぉ)


「・・・・・・ねぇ梨華ちゃん?」

何をするわけでもなく、今さっきと同じ体制で
石川とは、目をあわさずに話し掛けてきた。


やっと破られた沈黙。


「ん?なに。ひとみちゃん」

体の自由がきかない吉澤にかわり、パジャマのボタンを
下から一つ一つ止めながら、石川は答えた。


「私のこと、いつから好きだった?」
「いつからって・・・・合ったその時から」


何も考えることなく、素直に率直に
思ったままを吉澤に伝えた。


「なんでだろうね?」
「何が何でだろうねなの???」
「・・・・・別に。」
「変なひとみちゃん。」



ボタンを上まで止め終えると、
ベットから降りた。


「それじゃあ、もう面会時間過ぎるから帰るね」

そう言った事での、リアクションが
全く無かった事に疑問を感じた石川は、
吉澤の顔を覗き込んだ。



すると吉澤は穏やかな寝息を立てて
泥のように眠っていた。



(あれ?・・・寝ちゃってるや
・・・・・・・じゃあね・・・ひとみちゃん)


吉澤のほっぺたにキスをして
石川は病室の部屋を出て行った。


「………寝れるわけ無いじゃん」

吉澤は元来自分は、責めるほうだと思っていた。
判りやすく言えば『S』だと
自分で認識し、そして確信してた。

「………おもしろくない」

後藤と付き合って、一年半くらい。
それからと言うもの、後藤とのHは
自分が、責めて責めて責めまくるほうだった。

「………恥ずかしい」

それが一転、石川とのHは自分でも
信じられないくらい受身。
自分が自分で無くなる感じ……


自然にその後の石川との会話が煩わしくなり。
寝たふりをしてしまった。

(………壊したい)


ベットから痛い右足を引きずりながら
吉澤は嫌な匂いが残る、病室の窓を開け
換気の入れ替えをしながら、そんなことを思っていた。


Hの後の水気を存分に含んだシーツで
寝るのはいくらなんでも嫌だったので、
隣の誰もいない病室のシーツと、無断で入れ替えてきた。

途中他の患者に見られたが、そんなことは
吉澤にとってはどうでもよかった。
何しろ一日でおさらばなのだから。


(なんか、憂鬱だな………)

吉澤は再び自分の病室に、石川が来る前と
なんら変わらない病室で眠りに就いた。




翌日

朝一番に病院を出た吉澤は、
携帯を手にある場所に、一直線に向かっていった。


ある場所とは、ある人の家。
ある人は病院に居たので、電源を切った吉澤の
携帯に、飽きるほどメールを送った人。


『新着メール25件』

一応それとは違う人のメールは届いていた。
届いたといっても、病院で携帯の電源を切る
といった、一般常識がまだ判っていない、
辻や加護などの年少メンバーのだが。


他には、常識は知っていたけれど
我慢できなくなって送った、って感じの
石川からのメールが数件。


あとはすべて後藤。

(………多すぎだよ)


「大丈夫?」的な内容から始まり
「メールに気づいてよ!」とかの逆切れメールとかもあり
さらには「明日オフだから、病院を出て朝一に、私の家に来て!」やら……


そんな内容が延々。

(はぁ〜気が重い。どうせ行ったら、
また求められるのが落ちなんだろうな……)


見慣れ、歩き慣れた道を颯爽と歩き
後藤の家の前に立つ、吉澤。

(9時半か……この時間は確か誰も居ないはずだから
いきなり入ってビックリさせるか………って
なんで私こんなこと知ってるんだろ)


一年半。相手の家庭環境を完全に把握し
家族がこの時間帯には誰が居て、誰が居ないかが
判るかは微妙な期間。


いかに後藤の家に、吉澤が足を運び
いかに後藤主流の、恋愛だったかだわかる。


99%家族の人が居ないと判っていっても
やはり、見つかっては気まずいので、
物音立てずにドアを開け、忍び足で床を歩く。

木造の階段は、ゆっくり歩いても女の子一人の
体重を支えれば、ギシギシ音がする。

(やばっ!もう知らない、急いで行こう。)

半ば諦め気味に、途中から駆け足になる吉澤。
そして、後藤の部屋の扉を開けた。


「ご〜と〜お〜さん」
もう後藤の部屋なので、静かにする必要は無かったのだが
名残でついつい、呼びかける声が小声になる。

ここで後藤がビックリしてくれれば、吉澤の作戦は
大成功なのだが………


(自分で誘っておいて……ホント、マイペースな人)


「zzzzzz……zzzzzz…」

驚く、驚かないの以前の問題。
後藤は気持ちよさそうに、熟睡していた。


(なんか、腑に落ちない。………起こすか。)

悪戯を思いついた、小さな男の子みたいな
笑みを浮かべながら、熟睡中の後藤に吉澤は近づいた。


(やっぱ綺麗な顔してるよ。ちょっと涎垂れてるけど)


閉じた目を無理矢理、開いてみる。
「zzzzzz……zzzzz」

何事も無かったかのように、眠り続ける。

ほっぺの肉を摘まんでみる。
「zzzzzz……んん!……zzzz」

結構、強めに摘んだのだが、声は出したけど
起きそうな気配は無い。

掛け布団を剥いでみる。
「zzzzz……むくっ……」


掛け布団につられるように、上半身を起こす後藤。

「あっやっと起きた!」
「zzzzzzz……zzzzzz…」


捕られた掛け布団を再び掛けなおして
後藤は眠りに就いた。


「………私も寝よ」

3回目でもう間違いなく、起きないと直感した吉澤は
後藤の横に入って寝ることにした。


クッションがあったので、
それを使って床で寝てもよかったのだが、
どう考えても、吉澤の体が入るスペースが
無いほど散らかっていたので、唯一のスペースである
布団の中で寝ることにした。


「…ぃ〜…すぃ〜…よっすぃ〜」

自分を呼ぶ声で、目が覚める吉澤。
目を開いた先には、先ほどまで眠っていた人が

ゆさゆさと、自分の体を揺らしながら、
自分の名前を呼ぶ、甘ったるい声を出していた。

「あっ!やっと起きた。おはようよっすぃ〜」
「・・・おはよ」
「何でここで寝てるの?」
「何でって…ごっちんが呼んだんじゃない。
それでごっちん、爆睡中だったから、私も連られて寝ちゃった
何回か起こしたんだけど…気づかなかったの?」
「全然。そういえばオフだもんね今日。どっか行く?」
「そうだね。それよりさあ、今何時?」

吉澤に言われた後藤は、ベットの横に置いてあった
携帯に目を通した。


「よっすぃ〜何時から寝たの?」
「ん〜10時くらいかな」
「寝すぎだよ。」

そう言われて、後藤の携帯を向けられたその液晶画面の
時計は、午後5時を回っていた。


(人間こんなに寝れるもんなのか?っていうか
私より先に寝てたごっちんは、何時間寝てたんだ……)


「どうしよっか?よっすぃ〜」
「このまま、もう一回寝ちゃう?」
「寝るってどういう意味の?」

(ほら、来た)

「寂しかったんだよ〜。」
吉澤の胸のあたりで、右手の人差し指で円を書くように
しながら後藤は、吉澤に言った。

「う〜ん。いいけどぉ〜
それなら時間中途半端になるじゃない」
「べつにいい〜じゃん」
「なんか、ごっちんも家でやるの嫌でしょ?
ほら、声出せないじゃん」
「よっすぃ〜のH!」


自分が焦らされてるのが、判った後藤は
言った途端、向かい合わせだった体を反転させ
吉澤に背を向けた。



暫く続く心理戦。
何かを話し掛けて欲しい後藤と、
それを判って何も言わない吉澤。


沈黙に耐え切れなくなった後藤が
負けを認めたように口を開いた。

「ラブホ行こっか?」
「うわ!恥ずかしい。若い女の子がそんなこと」

(背を向けてても判りますよぉ〜。
ごっちんが、顔真っ赤なこと)


石川の時とは全く違う、責める吉澤。
もう主導権は全部吉澤に委ねられてるといっても
過言ではなかった。


「ねえ!どうなの!?」
「う〜んいいけど〜、なんかそれも在り来たりだね〜」
「何が足りないの?……」
「こう、スリルっていうか、燃えるものが足りないよね〜」
「じゃあどうするの!」

「じゃあさ、ゴニョゴニョ………」

背を向けた後藤に耳打ちする吉澤。
それを聞いた、後藤の顔は一気に赤面した。

「それでいいの?」
「うん!」
「判った、行こう………」
「それじゃあ、スカートに着替えて」


そして二人は、後藤はスカートとカットソーといった
女の子らしい格好。
吉澤は後藤の服を貸してもらい、ジーパン、Tシャツ
ツバを折った帽子という、男勝りの格好で

ラブホテルに出かけた。


「よっすぃ〜やっぱ止めようよ〜」
「今さら何言ってるの。ほらキビキビ歩く!」
「ううう・・・」

玄関を出て、夕暮れの町を出かける二人。
目指すは電車に乗ってラブホテルへ……
タクシーで行ってもいいのだがそれでは、芸が無いし
なによりつまらない。
もう外に出かける、そんな日常的なことさえ
吉澤は後藤への責めに変えているのだ。


「よっすぃ〜……スカートのなかスースーするよぉ〜」
「そりゃそうでしょ、何も穿いてないんだから」
「……電車で行くの?」
「そうだよ〜♪そっちのほうが面白いからね〜。
ほらほら、シャツの裾ひっぱったほうがいいんじゃない?
乳首の場所はっきり判っちゃいますよ」

吉澤の言葉を聞いた途端、後藤は顔を真っ赤にし
下を向いて黙り込んだ。もちろんシャツの裾を引っ張りながら。

Hがしたいと行った後藤に、
吉澤がHしてあげるために出した条件とは、

ノーパン・ノーブラ


(つくづく思うよ。ごっちんがHだって。
普通やらないよ、ノーパン・ノーブラなんて。
まあそれをHすることのダシに使った私もHですけど)

「もっと速く歩こうよ、恥ずかしいよ……」
「ゆっくり行こうよ、こんな経験めったに出来ないよ」
「変態よっすぃ〜……」
「ん?なんか言った?スカートでもめくろうか?」

もう何を言っても、不利だと悟った後藤は
プイッっと急いで吉澤から目線をはずすように、
そっぽを向いた。


電車の車内でも後藤は、
借りてきた猫のようにおとなしかった。

並んで電車の席に座った二人。
一方は、うつむき加減で顔が真っ赤。
もう一方はそれを見て、ニヤニヤニヤニヤ。
他の客にはどう写ってるのだろう。

いつもは座っていると自然に開く後藤の足は
流石にしっかり閉じられており、
時折モジモジしているようにも見える。

シャツを突き上げようとする、乳首は
抑えようとしても、抑えれないので
仕方なく裾を引っ張ってそれを解決。

後藤には電車に乗ってる全員が全員、自分を
見ていると思っているだろう。


(こんな御しとやかなごっちん、始めて見た。
そうとう恥ずかしいんだろうな。それとももう
興奮してきてるかな?)


そうこうしている内に、電車は目的の駅に着いた。


電車を降りた二人は、人の流れに乗るように
改札口へ向かった。

諦めたのか、それとも慣れてきたのか、
電車を降りて歩いている後藤は、吉澤には
シャツを引っ張っている右手以外は
至極普通に見えた。

後藤は後藤で、
『もう、平気だも〜ん』

見たいな目で吉澤を見ている。


(む、慣れてきたな〜。
Hに対する、免疫力は感心するものがあるよ。
でも……そんなこと私が許すと思ってるの!)


人の流れに乗ってもうすぐ改札口というところで
吉澤は、後藤の左手を引っ張って人の流れを
抜け出し、そのまま人気の無いトイレに向かった。

「ちょ!ちょっと、何処行くの!」
「Hな子におしおきしに行くの」



人気の無いさびれたトイレ

吉澤はそこの個室に、後藤を押し込んだ。

「な!何?言うこと聞いてたじゃない!」
「ごっちん慣れてきたみたいだから、もう少し
レベルを上げてあげようかなって」
「いらないよ!そんなの」
「じゃあHしてあげない」
「そ、それは………」
「いいじゃん、ラブホまですぐだしね?」
「う、うん…」



返事を聞き終わらないぐらいのタイミングで
吉澤は、後藤のスカートの中に手を突っ込んだ。


「ひゃぁ!」
「なんだ……もうちょっと濡れてるじゃん
よくこんな状態で、平気な顔して歩いてたね」
「だ、だって。悔しくて」
「何が?」
「あんなことで感じてる自分が……」
「じゃあ、こんなことで感じさせてあげる」
「ひゃぁん!あぁぁっ!」

濡れて、堅くなっている後藤のクリトリスを
丹念に摘んで刺激を与える。
それに合わせて、ドクドク溢れてくる愛液。
ある程度刺激を与えた時点で、吉澤は
愛撫の手を止めた。

「ふぇぇ?」
「何が『ふぇぇ』なのよ。ここでHするんじゃないでしょ!」
「じゃなんで?」

後藤の質問には全く耳を貸さずに
淡々と自分の仕事を吉澤はこなす。


愛撫の次はスカートの裾を折っている。


「何してるの?」
「ん?裾折って、ミニスカにするの」
「ちょ、無理無理!絶対見えちゃうよ!」
「大丈夫だって、階段とか無いから」
「ばれたら責任とってよね……」
「はいはい」

折ったスカートをポケットから取り出した
ヘアピンで止める吉澤。

あっという間に、膝下10cmは有ったスカートが
股下10数cmぐらいのミニスカートに早変わりした。


「はぁ………こんなのじゃ外歩けないよ……」
「大丈夫大丈夫!ホテル行ったら、一杯Hしてあげるから」
「約束だよ……」
「それじゃあ張り切って、行きましょ〜う」
「うう、よっすぃ〜嫌い……」




後藤視点

(うう、小さい子がこっちずっと見てるよ〜
あの親父チラチラこっち見てる……)

駅を降り、繁華街を歩く後藤と吉澤。
スタスタ前を向いて歩く吉澤に対し
キョロキョロと周りを見渡しながら、恐る恐る
歩き、かなり人目が気なってる様子の後藤。
今の後藤には、すれ違う人すべてが
自分を見ているような気がしている。


(んん、よっすぃ〜に弄られたアソコ、まだ濡れてるよぉ〜
歩くたびにクチュクチュいってる……)


もちろんその音は、自分だけが聞こえる小さな音だったが
それでも後藤には辺り一面に響き渡ってるんじゃないかと
錯覚するほど大きな音に聞こえていた。

そんな後藤を、興味が無さそうに
颯爽と前5mを歩く吉澤。

目を合わせることも無く、歩き続けた。


ふとした所で、吉澤が振り返り
後藤の全身を舐めるように見つめてきた。

ただ見つめられただけ、ただそれだけなのに
後藤の全身は、雷に打たれたようにビリビリと振るえ、
その後に、快感が襲ってきた。

(な、なに!?……そんな目で見ないでよ……
……なんで見られただけで、こんなに感じちゃうの
……私、よっすぃ〜の目だけで犯されてる……)

フフンと見透かしたように後藤を見て笑った吉澤は
「ちょっと用あるから、ここで待ってて」と
それだけ言い残し、側にあったデパートに
小走りで入っていた。


(はあ!?何!?なんで……
羞恥プレイの後は放置プレイ???)


デパートに入った吉澤を追いかけようと思ったが
追いかけたところで、何も変わるわけがなく、
何より、ここで吉澤を追いかけて自分の状態が
周りの人にばれる危険性を考えてそれは控えた。

(……もうどうでもいいや)
意を決した後藤はその場で、吉澤を待つことにした。


夕暮れの町はかなり寒い。
しかも今日は今年最高の冷え込みとも天気予報は言っていた。
冷え込みは繁華街を通る人に容赦なく襲う。

後藤も例外ではなかった。
いや、下着を着けていない後藤にはなおさらだ。


(寒いよぉ……恥ずかしいよぉ……よっすぃ〜…)

微かで弱く吹く北風は、ノーパンの後藤の下腹部をもろに襲う。
当然そうなると人間は生理現象を催す。

(やばぁぁ……オシッコ行きたくなってきた)

吉澤がデパートに入って10分。
自分を放置するためだったら、もう少し帰ってこないだろうと
考えた後藤は、辺りを見渡しトイレを探し出した…が…

(……あ〜あ……帰ってきちゃった)

今日の後藤はとことん、吉澤に振り回されている。

紙袋を小脇に抱えた吉澤が
後藤のもとに走りよってきた。

走りよる途中思い出したように、
ツバを折った帽子をかぶりながら……

(どうしよう、オシッコ行きたいって言おうかな
……でも、何言うか判ったもんじゃないから、着いてからでいいや)


出て来るなり吉澤は、後藤の左手を掴み
引きずるように走り出した。
左手をつかまれた後藤は、右手をスカートが捲くれないよう
しっかりと押さえた、左手の役目だったシャツの裾を引っ張る
ことは出来なくなっていたので、シャツの上から乳首の位置が
はっきりと判るぐらい浮き上がっていたが、走っていたので
それほど気にならなかった。

「もう!何!いきなり!」
「いいから、とにかく走る!」
5分間全速力で、走った二人は繁華街を抜けて
夕方で人通りが少ない
ラブホテルが立ち並ぶ、ホテル街についていた。


「ハァハァ……何突然走り出して??」
「ごっちん、自分の足見てみな」
「ん?……え!え!え!!!」


見ると後藤の足には、透明の液体がつたっていて
僅かではあるが、靴下がその液体を吸っていた。

「ごっちん鈍感すぎだよ」
「だ・だ・だれかにばれたかな!!」
「ん〜?大丈夫じゃないかな、しっかり見ないと判んないから」
「うううう、、、もう泣きそう……」
「はいはい、泣くのもいいですけどその前にそれ拭きなよ」

吉澤は駅前で貰った、ポケットティッシュを後藤に渡し
それを受け取った後藤は、丁寧に拭き取った。


「じゃ、入りましょうか」

吉澤は再び、半泣きの後藤の左手を掴み
引きずるように、側のラブホテルに入っていった。


「ねえ?その紙袋何はいってんの?」
後藤はデパートのロゴが入った紙袋を指差し
疑問一杯の顔で吉澤に尋ねる。

「な〜いしょ。教えてあげな〜い
でもいずれ判ると思うよ」
「ふ〜ん」

そうこうしている内に、奥の部屋にたどり着く
吉澤はフロントで貰った鍵の番号と、部屋番号が
一致していることを確かめ、そして鍵穴に鍵を差込んだ。

差し込んであいた瞬間に、後藤はひんやりしたドアノブに
手を掛け、勢いよく仰々しいドアを開けた。


「うわぁ〜綺麗ぇ〜今までで一番いいね」
後藤が開口一番驚きの声を上げた。

先に部屋に入った後藤で陰になって見えにくかったので
後藤の背中から吉澤は、覗き込むように部屋を見た。


(うひゃぁ〜ラブホテルって、こういう風になってるんだ〜)
吉澤も後藤と同じように喜んだが、後藤の比ではなかった。
なにせ、吉澤はラブホテルというものが初めてだったのだ。

綺麗に整ったベッド。
薄明かりの照明。
部屋の芳香剤のイイ匂い。

すべてが初めてだった。

「ねぇ…よっすぃ〜……しよ」
振り返って吉澤に懇願する後藤の顔は上気し
まさにHな顔だった。
目もトローンとした目で、もう我慢できないとでも
言いたそうな、厭らしい目。


しかし吉澤は……
「ダメだよ。シャワー浴びてからね」
「ええぇ……もう我慢できないよぉ〜!!」

(ダメだよごっちん、今日は焦らすって決めたんだよ。
そんな目で見ないでよ……私だってしたくなるじゃん)

「じゃあさ、後藤ささ−と浴びてくるから
よっすぃ〜ベットで待っててよ!」
「う〜ん、別にいいけど〜」
「それじゃあ、浴びてくるね!」

後藤は嬉しそうに、飛ぶように
バスルームへ向かった。


一人取り残された吉澤は、
何をするでもなくただ漠然とふかふかのベットに座った。

ぼーっと天井のチカチカするライトを、目で追い続ける。
ふと髪の毛が気になり、枝毛を探してみる。
バスルームから聞こえる、シャワーの音に耳を済ませる。


後藤がバスルームに入ってから、はや10分。
「遅いっっ!!」

普段シャワー10分ぐらいなら、
遅いともなんとも感じないのだが今は状況が違う。
汗を洗い流すのにようする時間は、とうに過ぎてる。

(何してんだろ?お風呂でも入ってんのかな?
もしかして、ムダ毛処理(笑
まあ、いいや私もシャワー浴びたいし一緒に入ろ)

ベットからすくっと立ち上がり、目的の場所に足を向けた。


歩きながら、Tシャツを脱ぎ上半身ブラジャー一枚の姿で
脱衣所の扉を開いた。


開いた瞬間にごく僅かに、シャワーの音には隠れてはいるが
確かに後藤の声が聞こえてくる。
独り言や、鼻歌とは全く違う厭らしいくぐもった声。

「ん!んぁ……はぁぁんぁぁあ!……」

(なるほど、そういうことか。)


吉澤は身に付けていた衣類をすべて脱ぎ、
裸のまま、バスルームの後藤に声を掛けた。

「ごっち〜ん、背中流してあげるよぉ〜」
「えっ!!、いや、別にいいよ!!」
「そんなこと言わずに〜」

そう言って吉澤は、ホテルの部屋に入った後藤のように
勢い良く、バスルームの扉に入った。

(無用心ですね〜……鍵くらい掛けたほうがいいよぉ〜)

対峙する二人。吉澤の思ったとおり、
バスルームに備え付けの椅子に大きく股を広げ
片手にはシャワーを持った後藤が居た。


見られてはいけない場面を見られた
後藤の反応は、意外と静かなものだった。

股に当てていたシャワーをずらし、肩にお湯を当て出した。
誤魔化せるそう考えたのだ。
確かにその一瞬の光景からでは証拠不十分かもしれないが
後藤は確かに声まで出して感じていた……決定的だ。


(もっと『止めて!見ないで!』っていう反応見たかったんだけどなぁ〜
まっいっか、少しごっちんに乗ってあげようかな)


「いきなり入ってこないでよ〜ビックリするじゃん」

そう言って、立ち上がる後藤の足は少々ふら付いており
顔も明らかにシャワーで上気したのとは別に
顔を赤らめている。


「白々しい……」
「ん?何か言った?」
「いや、別に何も。それよりごっちん背中洗ってあげるよ」
「うん♪」

シャワーを止め、背中を吉澤に向けて
後藤は椅子に座った。
吉澤は石鹸を持ち、泡立てていた。


タオルに石鹸をつけてゴシゴシと、小さな背中を洗い出した。


「どう?気持ちイイ?」
「うん♪久しぶりに誰かに背中洗ってもらったよ」
「そうだね〜。こういうのあんまりないもんね〜」
「ラブホのホテルってイイよね、鏡むちゃくちゃ
大きいし、シャワーも勢い強いし」
「よし!だいぶ泡立ってきたな!サービスしてあげるよ」
「ふぇ?ひゃぁ!!」


そういうと吉澤は先ほどまで使っていた、タオルを
下におき、泡だった後藤の背中にぴっとりと自分の胸に
押し当て、グリグリと円を書くように擦り付け出した。

「どう?気持ちイイ?」
「んん!凄い柔らかくて気持ちイイよ」

柔らかな乳房を全身で感じようと、全神経を
背中に集中させる。柔らかな感触と
ポチっと立った乳首は後藤を狂わせるのは充分過ぎるほどだった。


「よ…よっすぃ〜……前も…」
「判ったよ、変態だね〜」

力の抜けた後藤を、向かい合わせになるように座らせ
背中の泡を後藤の太ももにのせ、そこに吉澤は
またがる様にして座る。
それを擦りつけるように、体を移動させる。

擦りつけるたびに、後藤と吉澤は声を上げる。

「んっ!ごっちん気持ちイイ?」
「き、気持ちイイよゴリゴリして」


暫くまったりと体を擦り付けあい
お互いがお互いの体を感じあう。
向かい合った二人は当然のように
濃厚なディープキスも交わす。


泡だった体。
お互いの体温。
絡み合う舌。
響く声。


全ての要素が交わりあい、
下準備を自分でしてしまった後藤は
すでに耐えれないほど、快感が
高まっていた。


「よっすぃ〜、、も、もう後藤、我慢できない」
「そうだね、じゃあそろそろ上がろっか」
「ふぇ?」

後藤としてはもう今すぐにでも、というところまで
切羽詰っていた。
吉澤がお風呂に入ってきたのも、
ここで事を済ますからだと、思っていた。

ここから出て体を拭いて、ベットに入って
前戯して……
我慢できるわけが無い。

「よっすぃ〜、も、もうここで……」
「何言ってるの?ベットまで我慢しなよ」
「我慢できないよ」
「ん?自分でオナニーしてたのに?」
「えっ!!」



 

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