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世界の中心で愛を騙ったケダモノ(2)潜入
アスペルギルス 著


 「…The angels, not half so happy in heaven,Went envying her and me…」

 如月さんの細い声が、夕暮れ、俺たちの他に誰もいない図書室に響く。

 如月さんは俺の膝の上に座り、革表紙の本を開いて、それを読んでいる。

 「Yes!- that was the reason (as all men know,In this kingdom by the sea)…」

 如月さんは言葉を切って、俺の方を振り返り言葉にならない哀願を必死に目で訴える。

 「どうしたの?…続けてよ」

 俺は、それに気付かない振りをする。

 「That the wind came out of the cloud by night,Chlling and…」

 如月さんの顔が苦しげに歪む。俺は、彼女の腰の下でちょっと腰を動かしてやる。

 「ひゃぁぅっ!…」

 如月さんは、耐え切れずに喘ぎ声を洩らす。それでも、唇を噛むように声を絞り出した。

 「…killing my ANNABEL LEE,…」

 如月さんの履いていた下着が、床に転がっている。スカートの中で、俺の肉棒は彼女の中に深々と挿し入れられているのだった。

 俺の腕が、しっかりと彼女の腰を固定している。如月さんは自分では動けない。その状態で、彼女は俺のために詩を朗読してくれているのだ。

 「…But our love it was stronger…」

 言葉が途切れる。俺は、支えていた彼女の腰を持ち上げる。深々と入っていた肉棒が、如月さんの膣から抜けかかる。

 「…あぁ、いやぁ…っ!」

 「…続けて」

 「…by far than the love…」

 俺は、再び如月さんの腰を落として奥まで挿れてやった。同時に、セーラーの中に手を入れて、如月さんの柔らかい乳房をまさぐる。

 「…Of those who were older than we-…あぁんっ…Of many far wiser than we -…」

 如月さんの濡れた唇から単語の一つ一つが洩れる度に、それが伝わるように、俺の肉棒に絡み付く肉襞が震える。

 「…And neither the angels in …あひっ… heaven above,Nor the demons …あふぅっ… down under the sea,…」

 ちいさめの乳房の先端で勃起した乳首を転がす。指にねっとりと絡み付く乳首の感触を楽しみながら、俺は如月さんの洩らす喘ぎ混じりの声に耳を傾けていた。

 「…Can ever dissever my soul from the soul…」

 その時、携帯の呼出し音が鳴り響いた。…携帯通信機と言いながら、実は盗聴機も兼ねてるんじゃないかと思うのはこういう時だ。…とても怖くて紐緒さんに確認なぞできないが。

 「…Of the beautiful ANNABEL LEE.…あ、あぁんっ!」

 俺は、如月さんを抑えつける手を緩めた。如月さんは、解放された腰を俺の上で自分から動かして快感を貪りながら、朗読する声を止めようとはしない。

 「すぐに来なさい」

 いつものことながら何の説明もなく、紐緒さんは要点だけを言った。

 「…二十分待って」

 俺は、如月さんを図書室の机に突っ伏させて、後ろから肉棒を如月さんの最奥まで突き入れながら答えた。

 「…For the moon…あんっ…never beams,…あぁぁっ…without bringing me dreams…あん、いぃっ…」

 「十分で来なさい。如月未緒なら三分でイカせられるでしょう」

 紐緒さんは、感情の読めないハスキーボイスで有無を言わせぬ調子でそう言った。

 「…私だったら、『アナベル・リー』よりも『大鴉』の方が好きよ」

 通信は切れた。俺は、とりあえず如月さんを片づけるために腰を動かし始めた。

 「Of my darling…あぁぁんっ…- my darling -…あぁぁっ…my life and my bride…いいっ、いくぅ…」

 

 「あなたに使命を与えるわ、部下A」

 紐緒さんは白衣の裾を翻し、特撮ヒーローものに出てくる悪の女幹部よろしく片手を振り上げた。

 「伊集院邸に潜入し、情報を収集すること。決行は今夜」

 「ちょ、ちょっと待ってよ」

 と言っても、俺はショッカーの戦闘員ではないので、はいそうですかというわけにもいかない。

 「そんな、簡単に言うけどさ、伊集院ちに忍び込むくらいなら日銀の金庫に忍び込むほうがまだましじゃぁ…」

 「…誰も、一人で行けとは言ってないわ。メイを連れていきなさい」

 「メイが安全な侵入ルートを教えてやるのだ」

 …伊集院メイ。先日紐緒さんに弟子入りした、伊集院財閥の末娘だ。メイをまんまと篭絡して手駒とした紐緒さんは、この機に『世界征服』の手始めとして伊集院財閥に喧嘩を売ることに決めた…というのが前回の話。

 「でもなぁ…万が一見つかったら、メイはともかく俺は記憶操作くらいじゃ済まないんじゃぁ…」

 「…やるの、やらないの」

 紐緒さんの眼が冷たく光った。

 「…やらせていただきます」

 そうしたら、部下Aとしてはやっぱりそう答えるしかないじゃないか。

 

 そして、その夜。俺はメイが予め用意しておいた侵入ルートに従って伊集院邸に潜入した。…その顛末をくだくだしく述べることはやめておく。ともかく俺は、無事にメイの私室にたどり着き、その小生意気な顔を見るまでは生きた心地がしなかった。

 「…では、行くのだ」

 紐緒さんの指示は、とりあえず伊集院財閥の御曹司、俺や紐緒さんの学友でもある伊集院レイの弱みを握ること、だった。それには一つメイが心当たりがあると言う。俺に与えられた使命は、俺自身の目でそれを確認してくること、だった。

 俺は、メイの先導の元に広大な伊集院邸の換気ダクトに潜り込み、至るところに設置されたセンサー網をかわしつつ、レイの私室を目指したのだった。

 「…次の角を、右に曲るのだ」

 狭いダクトの中を匍匐前進しながら、メイが言った。動きやすいようにとメイが選んだ服装は、よりによって体操服とブルマというおよそ緊張感を削ぐものだった。俺の目の前で、メイの少年のような尻が脚の動きに合わせてぷるぷると揺れる。

 「…どこを見ているのだ」

 「…仕方ないじゃないか、狭いんだから」

 それに、俺はもうちょっと大きいお尻の方が好きだ。紐緒さんは、あれで意外とお尻大きくて(本人にそんなことは絶対に言えないが)、俺としてはたいへん嬉しいのだが。

 「…ここなのだ」

 メイが突然動きを止めたので、紐緒さんのお尻のことなどぼんやりと考えていた俺は危うくメイの尻に顔を突っ込みそうになった。

 通気口の金網越しに俺達の眼前に広がる光景。ほとんど抱き合わんばかりに寄り添う形になった俺とメイの眼下に、伊集院レイの私室が広がっていた。

 俺は、顔に装着した暗視スコープを望遠に合わせた。豪華な作りのベッドがまるで目の前にあるように見える。おまけに、超高性能集音マイクまで装備してあるうえにマイクロチップに最大6時間まで録画・録音まで可能という優れものはもちろん紐緒さんの発明品だ。

 「で、伊集院の弱みって何だよ…。盗撮写真でも撮ろうってのか?」

 「まあ、見ていればわかるのだ」

 メイは、言いながら時計を確認する。

 「…そろそろなのだ」

 その言葉が終わるか終わらないかのうちに、部屋の主が入ってくる。伊集院レイ。長い髪をまっすぐに垂らしていて、学校で見る髪をたばねた姿とはずいぶんイメージが違う。もとから女みたいな顔をしているが、ずらっとしたガウンを羽織って髪をおろしていると、ますますそんなふうに見えた。

 そんなことを考えていると、伊集院は羽織っていたガウンを脱いでばっさりと床に落とした。 

 「…おい」

 俺は、その姿を見て、隣りに張り付いているメイに声をかけた。

 「…俺の知っている伊集院レイは、男なんだが」

 しかし、その人物には豊かな胸があった。レースに飾られた高そうなスキャンティに包まれているので、肝心な部分はわからないが、それでも、その少ない面積に隠し切れてしまうペニスというのは、ちょっと男としては悲しいものがあるだろう。しみ一つない滑らかな白い肌、きゅっとくびれたウェストから小気味よく盛り上がった尻。先入観というものを抜きに見れば、それはどう考えても髪の長い美少女というやつだった。

 「メイだって、初めて見た時は驚いたのだ」

 狭い空間でぴったり寄り添ったメイの鼓動が伝わる。…そう、知らなければ、兄妹の性別が逆と言っても通っただろう。

 「お前も知らなかったのか?」

 「これは、伊集院家の最高機密らしいのだ。伊集院家の長女は、男として育てられ、男として暮らさなければならない…らしいのだ」

 「やけに『らしい』が多いな」

 「メイにも詳しいことは誰も教えてくれないのだ。それどころか、あまりしつこくするとメイといえども記憶を操作されてしまうかもしれないのだ」

 「伊集院家の最高機密か…こいつは確かに、とんでもないネタだな」

 「それだけではないのだ」

 「まだあるのか?」

 「…見ていればわかるのだ。たぶん、そろそろ始まるのだ」

 再び、重い樫の木の扉が開く。入って来た男には見覚えがあった。レイの直属として常に影のようにつき従う男、外井雪之丞。外井は裸のレイを見ても顔色一つ変えるでもなく、黙って頭を下げる。

 「…準備は?」

 紐緒さんご自慢の集音マイクは潜めた声をクリアーに捉えた。元々男にしては甲高い声で喋る奴だとは思っていたが、こうして聞くとそれはハスキーな女の声以外の何ものでもない。

 「整っております」

 外井が時代劇の殿様のように手を叩くと、メイド姿の二人の女が、全裸の少女を抱えて入ってきた。二人のメイドと外井は、少女をベッドに横たえると無言のまま退室する。

 少女は、目を開けてこそいたがその瞳は虚ろで、まるで薬物でも盛られているようだった。俺達と同年代、たぶん高校生だ。背はそれほど高くないが、見事に発達した巨乳が否応なく目を引く。

 「一文字茜…」その姿を見て、メイがつぶやいた。

 「知っているのか?」

 「ひびきのの生徒なのだ」

 レイは、胸も股間も隠そうともせずベッドに横たえられたままの茜を満足気に見下ろすと、その時までただ一枚纏っていたスキャンティを降ろした。そして、レイがサイドテーブルの引き出しから取り出したもの…。それは、並みの男のモノよりも一回り大きいサイズの張型の、根元に革ベルトを付けたもの。レイは、ペニスバンドを自ら己の股間に装着した。美女の股間からそそり立つ張型。腰のラインの白い肌に添って張りついた黒革のベルトがいっそう淫靡な雰囲気を醸し出す。

 「おいおい…」

 それから展開される光景は、誰しも容易に想像することができたろう。

 レイは、茜に覆い被さるように重なり、張りのある豊かな乳房に顔を押し付けた。レイの唇が、小玉西瓜ほどの大きさもある茜の乳房を這い回る。茜は、レイに触れられて始めて生きている反応を示した。

 「あふっ…あぁん…」

 レイは茜の乳首を吸いながら、もう一方の乳房を乱暴にまさぐる。茜は敏感に反応して艶やかな喘ぎを洩らしていた。

 「ひっ…はぁん…あぁん、いぃ…」

 レイの愛撫に敏感に反応して悩ましく喘ぎながら、茜の体はぴくりとも動かなかった。明らかに何か一服盛られている。

 茜のむっちりした太腿の間に、レイの細い指が伸ばされる。白いしなやかな指が膣内[なか]で蠢く感覚に、茜のよがる声はなおさらに高まっていく。

 「…もっと鳴くがいい…。もっといい声で鳴きなさい」

 レイは、茜に入れる指の数を増やす。乳房を揉むもう一方の手が次第にその強さを上げていく。茜は、苦悶とも快感ともつかない表情を浮かべながら、それでも指一本動かすことも出来ずにただよがり咽くだけだった。

 「…この胸で男に媚びるのでしょう、この腰で男を誘うのでしょう、もっとあさましく、もっといやらしく鳴きなさい…!」

 そこにいるのは、俺が知っている伊集院レイではなかった。高慢な態度の奥底深くに秘められた暗い情念。その美貌がなおさらに鬼気迫り、無抵抗の生贄の血肉を啜る鬼女の如き姿が、そこにはあった。

 「兄さま…姉さまは、ああして歪んだ性欲を発散させるしかないのだ」

 メイも、やはり自分の知らない兄(姉)の一面を目の当たりにして、決して平静ではいられない。

 「…いつも、こんなことをしているのか」

 「…前は、月に一回くらいだったのだ。…最近は、週一近いペースになっているのだ」

 「…そりゃ、あんな生活してればストレスも溜まる一方か…」

 「同じ女を二回使うということは滅多にない。事が終わると、女は記憶処理されて元に戻されるのだ。それでも、万一に備えて、きらめき高校ではなくひびきの高校の生徒を狙うのだ」

 「…プロの女を使うわけにはいかないのか」

 「『女子高校生』でなければダメなのだ」

 …なるほどな。自分がそうあるべきであるもの。自分が決してそうなることを許されないもの。

 『女子高校生』に対する愛憎入り交じった感情が、レイを狂わせるのか。…俺は、その時初めて伊集院レイという人物に対して哀れみに近い感情を覚えた。

 「…ひぃっ…!ひぁぁぁぁっ!」

 突然ひときわ高くなった茜の声に再びそちらに注意を向ける。

 レイは、今まさに茜の脚を大きく開かせ、黒光りする張型を茜に挿入したところだった。

 「…あぁん、あぁ、あはぁぁぁっ…」

 レイは何物かに憑かれたように腰を動かして、歪んだ欲望を茜にぶつけていく。激しい突き上げの度に、天井に向けてそそりたった茜の巨乳が揺れる。上になって腰を動かすレイの白い乳房もまた、主の動きに合わせて激しく揺れ動く。レイもまた茜を嬲りながら、歪んだ欲望の虜になっているようだった。白い肌に赤みが射し、微かに開いた唇から時折艶やかな声が洩れてくる。

 やがて耐え切れなくなったように、レイの手が己の乳房に当てられた。しなやかな指が自ら乳房を揉みしだく。

 「…あっ…んぁぁ…」

 レイの唇が洩らす声が次第に高くなっていく。

 絡み合う二人の美少女を目の当たりにするうちに、俺の肉棒もすっかり硬くなっていた。狭い通路の中で密着したメイの体の、ちょうどブルマに包まれた尻のあたりにそれが当たる。

 「…何を考えているのだ、こんな時に…」

 メイは、文句を言いながら尻をもじもじと動かす。

 「そんなこと言ったって」

 俺は、右手をずらして、太腿の付け根からメイのブルマの中に指を差しこんだ。小っちゃなパンティが濡れて張り付いている。

 「メイだって、姉さんのいやらしいとこ見てこんなにしてるじゃないか」

 「…や、いゃぁ…」

 「ここは、そうは言ってないよ」

 俺は、パンティの隙間からさらに指を奥に進め、直接そこに触れた。

 「…あ、ひゃぁ、あん…」

 俺は、下着ごとメイのブルマを引きずり降ろした。どのみち、こんなに勃起した状態ではここから脱出もできない。

 「…ひぃっ…あ、あぁん…」

 密着した状態のまま、後ろからメイの中に俺の肉棒を挿し入れる。メイは必死に声を押し殺しながら俺を奥まで咥え込もうと幼い腰をずらす。俺はメイの体操服の中に手を入れ、ブラをたくし上げて乳房をまさぐった。

 初めての時のような処女肉の抵抗はないが、メイの小さな女陰は俺を強烈に締め上げる。片手でも余る可愛い乳房を揉んでやると、メイは手を口に入れ懸命に声を殺して俺の愛撫に耐えていた。

 「…ひぁぁぁぁっ…!ひぃっ、ひゃぁぁぁあぁっ!」

 眼下では、レイが茜を裏返して今度は後背位で責めていた。大きな尻を持ち上げられ、激しい突き上げにあって茜は獣のようによがり咽く。

 「…ひぃぁぁっ…!いぃあぁぁっ、あはぁぁぁあぁっ!」

 「…んくっ…ん…くぅっ…」

 茜の誰はばかることのない激しいよがり声に、メイの押し殺した嬌声が混じる。レイの腰が茜の尻を叩くパンパンという音がそれに重なって空間を満たしていった。二人の美少女が絡み合う姿をオカズに、俺はメイと繋がって可憐な肉体を味わっていった。

 「…あぁぁぁっ!…いぃくぅぅうぅっ…」

 「…んぁっ…あ、あぐぅ…!」

 二人の声が重なり、共に絶頂に達し果てる。俺は、メイの胸に手を当てながら鼓動が落ち着くのを待つ。メイの小さな膣におさまりきらない精液が溢れて通路を濡らしていった。

 茜は、それきり気を失ったように動かない。

 レイは、腰につけていたペニスバンドを外した。そして、茜の処女血と精液に濡れたそれを己の股間に突き立てる。

 俺は、まさしくケダモノのようにその道具を貪るレイから目を背け、ようやく動けるようになったメイを促してその場を離れた。メイにしても、それ以上姉のあさましい姿など見ていたくはないだろう。情報収集というなら、もう充分だ。レイが正気に戻る前に退散した方がいい。

 「…はぁぁぁん!…あ、あはぁぁ…」

 レイは、自らの女性器を、それ自体に怨みでもあるかのように乱暴に抉りながら、何度も達し続けているようだった。

 

 続く

 


解説

 茜「うー、なんでボクがこんな目に…」

 聞きたい?

 茜「ちゃんとした理由があるならね」

 …籤引きで当たったから。

 茜「…なに、それ」

 いや、別に生贄役はひびきのの生徒なら誰でもよかったんで、メイ様と、転校しちゃってる佐倉さんと、あと八重さんを除いたメンバーで籤を作って、きみがみごと当選したんで…。

 茜「…なんで八重さんだけ外すわけ」

 えこひいきしてるから(きっぱり)。…つーか、この後の出番が決まってるから。

 さて、次回はいよいよ伊集院の逆襲、になるのか?

 では、また次回お会いしましょう。

 


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