「ちょーっと、お待ちなさいっ、こらっ、法条さんッ!!」
「か、香川くーん……まあ、ここは穏便に……」
「甲野さんっ! そんなことだから、あの小娘がつけあがるんですわっ!」
本部ビルの一角。仕切りに囲まれた部屋の中で黒髪に長髪、鋭利な眼鏡をかけた女性が開け放たれた扉に向かって金切り声をあげていた。その後ろから、甲野と呼ばれた、ちょび髭を生やした中年男性が女性を落ち着かせようとした。
「あれだから、生意気なゴキブリは……いつか……そう、今晩にでもその性根を叩きのめしてやるわっ!」
「だ~か~ら~ぁ……その埋め合わせはぼくがするから。ねっ、こんど美味しいレストランに招待するから~」
とたんに女性……香川美純はにこやかな表情になって甲野に振りかえった。
「まあっ、嬉しい……。ただ、今晩はちょっと用事があるから、明日、お願いできますか?」
甲野の腕にすがりつき、スーツに包まれた胸の上を細い指がのの字をまわす。
「おほっ! まぁ~かせてちょうだい。 きみのためならいつでも時間を空けておくから」
鼻の下を伸ばしたニヤけた表情で甲野は照れ隠しの頭をかく。
香川女子はそんな甲野の腕に頭をもたれさせながらも、その瞳は開け放たれた扉を妖しい視線を向けていた。
その扉の蔭で、ひとりの女性捜査官が自分の身体を抱きしめてふるえていた――。
終業時間を過ぎ、残業を終えた香川美純が扉の前に立つ。ここはサン・マンションン403号室――しかし、ここは香川美純の自宅ではない。表札も出ていないドアをチャイムの鳴らさずに開けた。鍵はかかっておらず、部屋には明かりがついていた。
「……挨拶はどうしたの、このゴキブリっ!」
「ああっ……お、お帰りなさいませ、女王様……」
冷ややかな瞳で香川が玄関先を見くだした。その視線の先にはひとりの女性が土下座をしていた。――いや、土下座などという甘いものではなかった。
女性は一糸まとわぬ全裸の姿を床の上にうつ伏せて、Dカップはあろうかという乳房を床の上でひしゃげさせている。両手足は大きくひろげられており、脚はガニ股、腕は肩の辺りまで上げられて、まさに言葉どおりのゴキブリのような姿勢をしているのである。
挨拶の為に見上げた顔は、昼間本部ビルの一室から逃げ出した赤髪の女性――法条まりなであった。
怯えた表情を浮かべて、香川女子の顔色をうかがっている。
そんな女性として惨めな姿を鼻で笑い、香川女子はハイヒール先でまりなの頭を再び床に押しつけた。
「まったく、挨拶も録にできないなんて、とんだゴキブリだこと。まぁあ、コキブリだからこそこそこそこうして踏みつけられるのがお似合いでしょうけど、どう?」
「アウッ! はい……わたしは汚らしいゴキブリでございます……女王様に足蹴にされて本望です……」
ぐりぐりとハイヒールの先でまりなの頭を踏みつける。その度にまりなの整った貌はひしゃげ、低い呻き声が洩れる。
ひとしきり気が済むと、香川女子はヒールを履いたまま部屋へとあがった。
その後を、両手足をひろげたままの匍匐前進の要領で、まりなが這ってつづく。
フロアーにはいると香川女子は着ているスーツを脱ぎ捨てる。床の上に散ったスーツをすぐにまりなが拾い集め部屋の隅へとたたむ。そうして、スーツを脱ぎ捨てた香川女子の肢体を包んでいたのは下着などではなかった。――黒革のボンテージ。それも拘束するのではなく、妖しい威厳を与える女王様のスタイルであった。
「さぁーて、食事食事っと……」
ガラステーブルの上には所せましと豪華な料理が並んでいた。もちろんすべて出前ではある。
「さっさと座布団を用意しないの、ゴキブリッ!」
「あっ、はい、ただいまっ」
ズリズリとガラステーブルの下に上体を差し入れ尻をかすかに持ち上げる。そうして、腰のくびれを利用した肉座椅子が用意された。。
香川女子は遠慮なく腰を下ろした。お腹に響く鈍痛にまりなは歯を噛み締めて耐えた。以前にここで悲鳴をあげてしまい、罰として身体中にフォークとナイフで突き刺されて悶絶したことがあった。
「あらあら、やっと座布団らしくなったわね。そう、座布団は人様に座られてこそ座布団なのよ。呻いたりするのはダメよ」
「はい……女王様……座布団めは女王様に座っていただき……嬉しいです」
まりなのおもねる言葉に香川女子の顔がむっとなる。そして、テーブルからバターナイフを取り上げると、まりなの尻朶に突きたてた。
「い、痛ッ!!」
尻からの激痛にまりなの腰が跳ね上がろうとするが、女子の身体が邪魔をしてそのまま痛みが脳天を突きぬける。
「わかってないわね。座布団がしゃべるか!」
「………………」
歯を噛みしめて痛みをこらえるまりな。これ以上、悲鳴といえど口にすることはできない。
香川女子はそんなまりなの態度が気にいらず、突き刺したバターナイフをぐりぐり抉る。
「っ!……」
かすかな悲鳴と、ひろげていた掌が拳を作る。
それに気をよくした香川女子は食事を続けた。その芳ばしい匂いは朝から食事をすることを許されないまりなの胃を痛いほど締め付けていた。
命令した本人はそれがわかっていながら、
「ほんと、この有名レストランが始めたディナーの宅配は予想にたがわず美味いわね。ほ・う・じょ・う・さ・ん、ありがとうねこんなに素敵なディナーをご馳走になっていつかあなたも食べられる日が来るわ。ほほほっ!」
ワイングラスを片手にまりなの尻を張り飛ばす。
屈辱にふるえるまりなではあったが、今の自分は香川女子に逆らうことなどできない牝奴隷としての調教が施されて、身体がその侮蔑の言葉に悦びを感じてしまうようになった。
「あー、美味しかった。ご馳走様……残飯の後片付けはお手のモノでしょう、ゴキブリ!」
「…………」
「返事はっ!?」
大型のナイフの柄を知りの割れ目でひくつくアヌスに突き立て、グリグリとアヌスの縁を抉りたてた。
「アウッ! あ、はい……ゴキブリは残飯の後処理が上手です……よろこんでやらせていただきます」
まりなはテーブルをずらして上に乗っていた食器を目の前に並べた。その間も香川女子はまりなの腰に乗ったまま尻に挿したナイフでアヌスをしごき上げる。
「あああっ、じょ、女王様ぁ! お、お尻が……疼いて後処理が……できません。どうか、もう少し優しく……」
ガシッ!「アッ、ウウッ……」振り返っていたまりなの頭を掴んで床に叩きつけた。
「ゴキブリ風情が、なにを偉そうに! ゴキブリはゴキブリらしく意地汚く残飯をあさればいいのよ!」
「ううっ……わ、わかりました……もうしわけありません、女王様」
まりなは泣きそうな声をあげて汚れた皿に顔を近づけた。
その鼻先が付く直前に泣き出しそうになったが、香川女子の怒りを恐れて調教されたとおりに残飯あさりを行った。
ブジュ、ジュルジュル、ズウーッ……「うぷっ……ふごぉ! ああっ……女王様、残飯がたいへん美味しゅうございますぅ~」
顔面を油やソースで汚しながら皿の汚れを啜っていた。
ただし、ただ舐めとるような軽い責めなど香川女子はさせなかった。まりなが残飯あさりをする方法は、皿についた汚れをいったん、さっと掃いたような美しい線を描く鼻先を押しつけて、その鼻だけで汚れを集めさせる。その様は豚の鼻のように醜くひしゃげ、香川女子はそんな様子を見てバカにしたように笑い飛ばしていた。しかし、その後もまた屈辱的なものが残っていた。集められた残飯を啜り取らねばならないのだ。最初は舌で舐めとらせていたのだが、余りにも惨めにならないと香川がイラつき、口を大きく開けて舌を使わずに啜り取るようになったのだ。口を開けて啜っているために、吸い込む力を入れるためどうしてもみっともない音を立てることになる。
香川女子はそれでやっとまりなの残飯あさりの無様な姿が様になったと手を叩いて歓んだものだ。
「ゴホゴホ……じょ、女王様、残飯あさり……終わりました……」
「あらそう。まったくどうしようもない最低のゴキブリね。そんな残飯をもらって嬉しいの?」
髪の毛を掴んでまりなの顔を引き寄せる。
「あっ、はい……まりなは、女王様の出された残飯を……あさるのが大好きです」
「はっ! いい身分だわね。 女王様の残飯をあさるなんて……いいわ、そんなに残飯あさりが好きなら本当にさせてあげる。たしか明日は生ゴミの収集日だったわね。今日は泊まっていってあげるから、明日の朝食に下のゴミ捨て場で食べさせてあげるわ」
「ううっ……お願いですッ。それ、それだけは……キャッ!」
香川女子の残酷な言葉に哀願しようとしたまりなであったが、強烈な平手打ちをもらって黙って肯くしかなかった。
「さてと……あれだけいただいのから、ちょっとお手洗いがしたくなったわね」
食後、まりなの腰から降りて香川女子はしばらくのあいだ、まりなを部屋中に這い回した。時には頭を足蹴にし、尻に差したままのナイフの柄を激しく抉りたてた。
「い、いや……いやです。お願いです、女王様! それだけは……!」
まりなの顔に恐怖が浮かぶ。
香川女子はそんなまりなの怯えに身体の奥底から湧きあがる嗜虐の快感を覚えた。
「あーら、法条さん。あなたはお客様にお手洗いも貸してくださらないのかしら?」
ことさらにいつもの冷静な声色でまりなを見下した。
まりなはやめてもらえないとわかっていても、どうしてもそれだけはやりたくなかった。無理をわかって哀訴の目を女王様にむけた。
「なにを甘ったれたことを、ゴキブリの分際でっ! さっさと準備をおし」
尻に挿入したナイフを蹴り飛ばす。「ギャヒィ――ッ!」首を締められたような悲鳴をあげてまりなは総身をふるわせた。
恐怖にふるえながらも、まりなは部屋の片隅に置かれたものを咥えてくる。
それは巨大な如雨露であった。
三角錐の部分は楕円を描いて、挿入管は直径およそ4cmもの太管であった。
「なにをぐずぐずいてるんだい! はやく汚い便器になるのよ!」
「は……はい……」
ふるえる手で太管の先を口に咥えた。とたんに口の中に異様な腐臭がひろがった。空腹の胃袋に少量の残飯を入れたことと相互して酸味を強い吐き気を覚えた。しかし、それを口から出すことはできない。口にひろがる腐敗臭と酸味の嘔吐物を必死に飲み込みながら太管を唾液に塗れるように舌を動かす。
充分濡らした太管を口から離すとお尻の穴へと導いた。
太管を濡らしているあいだに片方の手で尻の穴を抉り、前の穴から溢れ出ている愛液でアヌスをほぐしていた。太管の先端をアヌスに当てると、ゆっくりと沈めていった。すでに何度となく挿入しているためにアヌスはその太管をやすやすと咥え込んでいった。
すべてを挿入し終えるとまりなはでんぐり返るように如雨露を差した尻を天井に向けた。
「ああっ……女王、様……この世で……もっとも汚い……まりな便器の姿です……どうぞ、お蔑みください……」
お腹を圧迫されて先ほどの吐き気で胸が焼ける。それでも、涙に濡れた顔に作ったような笑みを浮かべて香川女子を見上げた。
「あら、ほんと。まったく汚い便器だ事……。こんなことをしてまで、捜査官を続けたいなんて、法条さん、捜査官をバカにしてるわね」
「い、言わないで……!」
まりなは心からも涙を流した。
ほんのささやかなミスが後になって大惨事となったことがあり、それを香川女子の知るところとなった。それから、まりなと香川の立場が逆転してしまった。表向きは今まで通りのまりなによる愚弄の日々を続け、裏では香川女子による嗜虐極まる調教の日々が繰り返された。その結果がいまの香川女子のストレスを晴らすためだけの哀れな牝奴隷となったのであった。
「なに、そんなに嬉しくて涙を流しているの? だったら、ちゃんと用をたしてあげないとね」
そう言うと、香川女子は如雨露の上にどかりと剥き出しの下半身をおろした。うぐっ、と呻き声を洩らすまりなを無視して、下腹に力をこめた。
ムリッ、ムリッ、ムリューッ!
おろした尻の穴から大便が吐き出された。途中で途切れると、如雨露の側面を伝って太管屁と流れ込む。
まりなはアヌスから感じる異様な感触に口をわななかせた。何度となく便器にされ、香川の排泄物をお腹に受け入れたのだった。それは慣れることもなくまりなの下腹を喘がせた。
そんな怯臆(きょうおく)に歪んだまりなを見て香川女子は嗜虐のふるえを感じた。そしてそのまま放尿まで行った。
すべての排泄物をまりなの下腹にそそぎ込んで、香川女子はその場を引いた。
まりなは如雨露を慎重に抜き去ってふたたび腹ばいの姿勢になると、いまだ尿や糞滓で汚れるそれを咥えてもとの位置に戻す。これもまた、調教によってたとえ酷く汚れていても洗うことを許さず、部屋中に異臭を充満させてそれを吸って過ごすことを命じている(ただし、今日みたいに自分が来る場合には換気をさせる)
苦しい腹を抱えてまりなはふたたび香川女子の足元にすがりつく。
「あっ、ああっ……女王様。 お願いです、お手洗いに行かせてくださいっ!」
「あらなに? お手洗いって、あんたが便器なんでしょう。そのまましたら? そしたら出したものはちゃんと食べないといけないわよ。なにせあなたは便器なんだから」
「ああっ……そんな、どうか、お願いですっ。なんでも言うとおりにしますから。女王様、トイレに、トイレで指せてくださいっ!」
涙に顔を無残に濡らしているまりなを見下して、無言のまま香川女子はその背中を踏みつけた。大量に飲み込まされた排泄物にふくらませている下腹が圧迫される。
激しい痛みに声も出せずにまりなは唯一自由を許されている指で床をかきむしった。
「ほら、女王様のありがたい下さりモノをどうするのかは、わかってるでしょう? さっさとしなさい!」
「は、はひぃ……」
もはや、限界をとおり越してまともに声も出せない状態で、まりなはベランダまで這っていった。
窓を開けると心地よい夜風が入り込む。しかし、いまのまりなにとっては焼け石に水であった。
ベランダの外に出るとまりなは震える手で手すりを掴んで身体を起こす。激しく下腹を打つ排泄感に足腰がふるえるのを必死に抑えながら股を大きく開いて手すりを乗り越えた。とたん、まりなの身体が手すりから崩れ落ちるように下へと落ちた。
ガクッ! まりなの手は手すりを掴んで離さなかった。手すりを掴んだまままりなは裸身を宙にさらしている。
「さあ、盛大にやって頂だい!」
「は、はい……そ、その…………で……」
激しく下腹で荒れる蠕動にまりなの全身は震え、腕も痙攣する。
「なに? ハッキリ言いなさいっ!」
髪をつかみあげてまりなの顔をあげた。
まりなは嗜虐の光で自分を射貫く女王様の瞳に最後の理性の糸が切れた。
「あっ、ああっ……女王様ッ! 薄汚い便器・法条まりなはウンチを洩らしたいですッ! こんなバカっぽいことでウンチを洩らす最低のゴキブリ女・法条まりなっ! ああっ、で、出ちゃう、ああっ、出るッ!!」
渾身の力をこめてベランダの壁を蹴った。
まりなの体が宙を舞い、その白い裸身が空を飛ぶ。
次の瞬間、大きく開けた股のあいだから大量の軟便が水鉄砲で打ち出されたように宙に弧を描いた。
ふたたび裸身が壁に戻ると、もはやその瞳からは理性の光は消えうせ、まるで子供のようになんども身体を跳ねながら、ブリブリと尻の穴から茶色い汚水を垂れ流しつづけた。
「あはははっ、あたしぃー、こんなところでウンチしてるぅ! ……あっ、まだ、まだですよぉー、女王様ぁ。笑って、こんなクソ漏らし奴隷のまりなを笑ってェッ!」
「ほほほっ、そんなに大声をあげるとまわりに見られるわよ。そうしたら、きっとみんなが笑ってくれるわよ」
「笑ってもらえて嬉しいですぅ。笑ってもらえたら、わたし、幸せですからァ」
香川は無様な姿態をさらし排泄を夜空に撒き散らすまりなを見て嘲笑った。
そして、まりなもまた全身を包む開放感から、汚れや涙で顔をくしゃくしゃに汚し、まわりの人間に気づかれることなど考えもしないで曇りのない呆けた笑顔を浮かべていた。
翌朝――。
収集場に全裸のまま、まりなを引きつれ、出された生ゴミを貪らせながら香川女子は大きく背伸びをした。
「いい薄汚い野良犬。おまえの使命なに?」
「オエッ……はい、女王様。わたしの使命は女王様が甲野様とご結婚されるように促がすことです」
「そうよ、おまえは今まで通りいけしゃあしゃあと甲野さんの前でいること。そうして、わたしが甲野さんに優しくしてもらえるようにすること。そうして、甲野さんを離婚させてわたしと結婚させることよ」
生ゴミを撒き散らした地面の上に這いつくばっているまりなの頭を踏付けながら香川女子は妖しく微笑んだ。
(まっていてね、甲野さん。わたし、あなたとちゃんと結婚してあ・げ・る(ハート)……)
幸福の未来に浸っている香川女子の下で、まりなは顔面を地面に押し付けられていた。目の前に昨夜自分が排泄した糞滓を見つけて、そっと口に含んだ。
もはや、その顔には涙はなく、壊れた人形のような笑みを浮かべているだけであった。
………………End...
全然18禁小説になっていない…………。
どうも、定説を破って意外なキャラにしようとしたのが間違いでした。なにしろレズモノはあまりVDでも小説でも目にしませんし、調教ものにしようとしたらこれじゃあ虐待小説にしかならない。