潰えし野望 たしぎ編     似ていた、似ていすぎていた、というべきか。 ローグタウンの街の喧騒の中で逢った女剣士の顔を見た時の衝撃が数刻たった今となっても ゾロの中で少しも薄れないでいるところに彼の驚愕の大きさが窺い知れる。 何しろその女剣士の顔を見たとき、まだ幼き日に夭折したくいなが再び眼前に現れたと思い込んでしまったくらいだ。 それもただ記憶の中のくいなの面影を投影し得ただけでなく、もしあの日あの時、くいなを襲った 不慮の事故さえなかったら、おそらく今日このような容貌に成長したであろうという想像すら容易につくほどの姿形であった。  もっとも過ぎ去りし日々の追憶も長くは続かず、その日3度目の邂逅では、両者の関係は 追う者、追われる者の関係の宿命から、交えたのは言葉ではなく剣に姿を変えていたはいたが。  (いままで私をからかっていたんですね!許せないっ) (私が女だから手をぬくんですか、、、?) そういって、たしぎと名乗る女剣士は打ちかかってきたが、なるほど若輩ながら その剣の技量をもって、荒くれどもを統括する曹長という役職に就いているだけはあって ゾロを唸らせるものがあった。 しかし、いかんせん潜ってきた修羅場の数の違いかあっさりとあしらわられ、ロロノア・ゾロの捕縛の誉れはならなかった。 が、彼女との運命的な出会いはゾロの埋没していた記憶を呼び覚ますのに十分な衝撃を与え、その衝撃は 彼の身体に刻み込まれた性的なトラウマを再び胎動させようとしていた。 [たしぎ編・2ページ]  
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