それにつけても綾香の掌には毎回のように驚かされる。 拳サポに包まれているその中身は、名うての有段者達から繰り出される豪拳もかくやと思わせる衝撃を 相手に与えるのにもかかわらず、どこも節くれだっては無く、ましてや拳ダコやマメなど影も形も見られない、一見すると ピアニストやパティシエを彷彿とさせるとても空手などやっているとは到底思えないほどの流麗なものだ。 しかし、真に驚かされるのはその握った時の感触である、シルクの手触りなんていう、そんな 洗濯剤の安っぽいCMのキャッチコピーではとても修飾しきれない、、、 何万・・・いや、何十、何百万人に一人いるかいないか位の、掌から滲み出る皮脂の滑りも心地良い、言うところの あま手の持ち主なのである。 それはもう、こちらは掌を握られているだけなのに母の胎内にいるような温もりや安らぎに包まれているような感触・・・ といっても過言ではないほどのものであり、今回も時が過ぎるのも忘れたようにその感触に浸っていると、 「や〜ね〜、好雄ったら何時まで幸せそうな顔で私の手を握ってんのよ? それも毎回、毎回、、、あ〜〜〜、ひょっとしてこうやって私の手を握りたいが為に わざとぶっとばされるまねしてんじゃないでしょ〜ね〜・・・?」 そう言って綾香は悪戯っぽい笑みを眼に浮かべ、俺の顔を覗き込む。俺は慌ててその手を振り払うと 「ば、ば、、馬鹿言ってんじゃね〜って!、そんな訳ねえだろ!?だ、誰が哀れみで差し出された手なんて 有難く何時までも握ってるもんかよっ!!」 「さ〜あ、どぉ〜だかね〜〜〜。そうやって躍起になってるとこが怪しいのよね〜〜〜」 と、とにかくこの場を何とかせねば何時まで責められるか判ったもんじゃない! 俺は強引に話題の矛先を変えるべく、 「そ、そんなことより綾香、、、お前ってほんっっっとうに強くなったよな・・・ これで四期連続、、、ってことはほぼ一年、綾香に決勝で負けっぱなしってことかぁ? はぁ〜〜〜なんだか俺、自信なくしちまうよ・・・もうこの先お前にもう一度勝てる日なんて未来永劫来ないんじゃないか、、、」  俺は傍目から見てもいかにも悄然としているかのようにがっくりと肩を落とし、口調も思わず 哀れを催すほどにか細く悲痛な響きを滲ませ、虚実を交えながら綾香の心情に訴える作戦に出た。 すると、 「なに弱気なこと言ってんのよ、貴方らしくないじゃない?だいたい私がここまで強くなれたのも好雄、貴方が居てくれたお陰よ?」  と、意外なくらいあっさりと俺に対して向けられていた疑惑の矛先を納め、逆に俺に対する感謝の念を言い出した、まあ、この 大らかというかあっけらかんとしたところが綾香のいいところであり魅力なんだけどな・・・。   [美しき女豹の罠・萌芽編・4ページ]
動画 アダルト動画 ライブチャット